こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。今日は、夏チョコの楽しさと、私が夏にチョコを食べる理由について、まとめます。
#夏にチョコを食べる理由
この記事を書くきっかけは、昨日の夜の出来事。
仕事の休憩時間にツイッターを開いたら、偶然トップにティールの眞砂翔平さんのツイートが。読んだところ、「#私が夏にチョコレートを食べない理由 」というのがTwitterのトレンドになっている、とのことでした。
キャンペーン・PR広告の一環のようですが、チョコに関わる人なら、えええ、どういうことか、と驚いたはず。
眞砂さんは、最初「このハッシュタグがトレンドに入っていて悲しくなりました」としつつ「夏にも食べる方々が多く安心しました」としていました。
そうそう。その通りです。私も夏にチョコを食べるのが好きです。むしろ「夏にチョコを食べる理由」しか見つからない。個人的に、夏にチョコを取り上げられたら、私は真剣に、泣きそうです。そしてやりとり。
私たちのツイートをきっかけに、うれしいことに、現在も、何人もの方が次々と「#私がチョコを食べる理由」として、ツイートしてくださっています。
さすが、全国のチョコが大好きなみなさん!!
一部をご紹介しましたが、まだまだたくさんのツイートがあります。そしてコメントにすべて納得。
さらには、なんと、ほぼ同時にc7h8n4o2(渋谷スクランブルスクエアにあるチョコレートのセレクトショップのチョコ係)さんも、同じようなことを考えていたことが判明しました。チョコへの愛が、共通なんですね、うれしいです。
ということで、今回は私の夏チョコへの考え方について。
すでに何年もあちこちで話をしているため、繰り返しにはなりますが、せっかくなので補足を加えつつ、私が夏にチョコを食べる理由を、まとめておきます。
夏限定チョコにショコラティエは力を入れている
眞砂さんが、ツイートしているとおり、ショコラティエ、パティシエさんは、夏こそ工夫を凝らしたおいしいチョコレートを作ります。つまり、日本には、夏チョコが花盛り。
下の記事は、私の大好きな夏チョコスイーツです。
冷やすと美味しいチョコ
さらには、冷たく冷やすと美味しい夏チョコ、夏カクテルをイメージしたチョコ、チョコのアイス、チョコパフェ、夏チョコケーキや夏チョコデザートなどなど。
私のSNSや記事で、たくさんご紹介していますが、例えば……
チョコミントも夏に人気
チョコミントもイメージしやすいかもしれません。大手チョコメーカーから、夏は色々なミント系チョコレートが販売されます。
日本は、サーティーワンアイスクリームの影響から、ミントカラーが定着し、涼しげでかわいいイメージと、すーすーした清涼感が、夏とリンクしています。
リンクした記事にも書きましたが、海外では、ミントチョコは特に夏のものではなく、1年中楽しまれています。そして、大人が好むチョコ。
私個人的にも、チョコミントは夏に限らず食べます。「チョコミン党」を自称する方々も、実は一年中召し上がっているのでは?
つまり、あまりシーズンにとらわれず、みんな実は「好きなものを好きなときに食べている」のが実情ではないでしょうか。
夏はゆっくりチョコに向き合える
これもよく話すことですが、夏は静けさの中でチョコを味わえる。これが私にとって、最大の魅力です。
夏の朝、開店直後のチョコレート専門店。良いですよ〜。先日も伺いましたが、ジャン=ポール・エヴァンのバー ア ショコラなどは、夏の午前中は、高級感が何倍も増し、世界観を感じられます。運がいいとしばらく空間を独り占めできます。
私は、よいものほどバーゲンセールのような会場での買い物を、できる限り避けたいんです。
繊細に作られたチョコレートなら、押し合いへし合いになって購入し、それらを山のように抱えてヘトヘトになって帰る、みたいなことは……(実はうんと若い時はやりましたが)したくないというのが本音です。そういう経験をして至った結論は、自分が疲れてしまい、チョコにじっくり向き合う力が残っていないということです。
丁寧に細かいところまで考えられたものには、私も丁寧に向き合いたいので、やっぱり、世間がチョコにむけて騒がしすぎない夏の方が、落ち着いてチョコに向き合うには適しています。
日本にはバレンタインというマーケットがあります。バレンタイン時期は、いつも以上にチョコレートは重要な商品になるので、商戦、という名の通り、戦うものになります。もちろん私はそれを応援していますが、ある程度このルーティーンに慣れている私でも、あまり商戦度が高く、騒がしすぎると、きちんと向き合えないなと感じることがあります。
長くなりましたが、夏はそれが、ない、ということです。
クーラーのきいた部屋で味わうチョコ
気温が低いと暖かい部屋で過ごしますよね。逆に、夏は、ひんやり涼しい部屋で過ごします。
味わう場所の室温によって、私はチョコのおいしさが、明らかに変わると思います。たとえば
「暑い街から、クーラーの効いた部屋に帰ってきて、ゆっくりひんやりしたチョコレートを食べる心地よさ」と「寒い街から、あたたかい部屋に帰ってきて、ふう、とチョコレートを味わう心地よさ」は、違うということです。
冬ならあつあつのホットチョコレートがおいしいでしょう。でも、夏はアイスチョコレートが最高かも。
同じものでも、おいしいという感覚は、気候や自分の状態で変わります。クーラーのきいたお部屋で、ちょうどいい温度のチョコレートを味わうのって、おいしいですよ。とても。
そういうことに敏感になると、夏のチョコレートの楽しみ方がわかると思います。あるいは、どうするのがベストが、わかってくるかもしれません。
夏の扱いはそう難しくない
あとは、そうですね、夏にチョコを食べない理由があるとしたら、9割くらいは、保存か持ち運びの面倒さと、イメージの問題ではないでしょうか。保存については、こちらの記事も参考にしてください。
イメージについては、チョコ=濃厚、とか、ブラウン=秋冬色みたいな固定観念を覆せないからかも。
色、でいえば、コーヒーはもっと濃い色ですが、誰でも夏に味わいますよね?あとは、そうですね、東海三県のみなさん、夏は赤味噌のお味噌汁を食べない、なんてこと、絶対ありませんよね?
今は濃厚なチョコもあれば、みずみずしいチョコもあります。
甘いチョコ、甘くないチョコ、現代のチョコのバラエティは、ひと昔前とは比べ物にならないほど。チョコ=重い、という思い込みから抜け出すと、夏の楽しみが広がるかもしれません。
あとはですね、持ち運びですが、別に解けないように早く帰ればいいだけ。保冷剤も入れてもらえるし、保冷バッグを持っていればいいだけです。または、別に気温に関係なく楽しめるチョコのお菓子もあります。ギフトにしたら、丁寧に持ち運んでくれたんだね、と先方も逆に喜んでくれると思いますよ。
夏のひやしたチョコパイが好き
これもいいたいです。私は、夏の冷やしたチョコパイが大好きです。表面がぱりっ、としますね。それを、冬じゃなくて、夏に食べるのがいいんです。
冷凍配送のガトーショコラを、半解凍で食べるのも好き。チョコアイスもいいですね。全国のチョコファンは、そんなふうに、夏もチョコを楽しんでいるはずです。
思いつくままに書きましたが、最後にリンクした、夏のための参考記事もよろしければどうぞ。
#私が夏にチョコを食べる理由
からの、市川歩美による、夏チョコのお話。参考になればうれしいです。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美