チョコレートの正しい保存方法は? 夏はどうする?

こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
この記事では「チョコレートの保存方法」について、わかりやすく、書きます。
Contents
チョコレートの保存について
大好きなチョコレート。色々買ったけど、今すぐには食べずにとっておいて、あとで食べることにしよう。そんなことって、ありますよね。この記事は、そんな時のためのお話。
いつものごとく、日常に落とし込みにくい、専門的でむずかしいことは書きませんので、ご安心ください。
基本的には、早く食べよう
早速、正しい保存方法を。
といいたいところですが、その前に夏は特に、まずはこれ。
チョコは、基本的には早めに食べて!
「チョコは手に入れたら、早めに食べるのがいちばんおいしい」。これは5才からチョコが大好きで、いまや本格チョコ愛好家歴約30年となった、筋金入りのチョコ好きな、私が出した結論。
夏は特に、買ったら、なるべく早く食べましょう。
究極、持ち帰って味わうより、チョコレート専門店のカフェスペースで味わう方が、温度も、鮮度も状態がベストです。
チョコは豆腐かパンであると心得る
特に、賞味期限が短い、チョコレート専門店などで売られている「ボンボンショコラ」の保存についての指南です。
ぜひ、なるべく早く持ち帰って早く食べましょう。私はこう考えています。
チョコは豆腐かパンである
市川歩美
ふりかえってみてください。
お豆腐なら買ったら、夏なら特に急いで帰り、パンなら絶対今日買って、今日食べるのがおいしいですよね?
ボンボンショコラなどもそうです。チョコ=保存が効く気がして、油断しがちですが、ものによっては「賞味期限がお豆腐レベル」です。
生クリームなどを使った「ボンボンショコラ」(ひとつぶチョコレート)などがそう。賞味期限をしっかりチェックしてください。
「高級だしもったいないから」と、冷蔵庫の奥にしまって、あとで食べよう、という心理もわかりますが、忘れ去るリスクも意外と大きいもの。なるべく早く食べるほうが、いろんな意味でベターです。
<補足>
コンビニやスーパーで売られているものの中には、長期保存可能なチョコが結構あります。あとは熟成すると味の変化が楽しめるビーントゥバーなども。そういうものは、パンや豆腐と考えなくてもよいかもしれませんが、結局保存しながら、新たなチョコを買い足し、という本でいう「積ん読」のようになりがちなのは私だけでしょうか。やっぱり、できればお早めに。
チョコレートを保存するときの注意
「期間限定・スペシャルチョコ」などに会えば、多めに買っておきたい。1日で食べきれないことも多いですね。ここからは保存のポイント。
おおざっぱに3つです。
1 賞味期限をチェック(付箋をはって目立つようにしておくとよい)
2 夏以外は常温でOK。夏は冷蔵庫に保存(できれば、ビニール袋やジプロックにいれて、できれば野菜室に)
3 チョコの存在を忘れず、冷蔵庫から出して、たべる
3つでOKです。
賞味期限チェックはマスト。あらーっ、というほど賞味期限が短いものもああり、逆になーんだ、というほど長持ちするものも。板チョコと生チョコでは、1年以上賞味期限が違うこともザラなのがチョコです。
特に、高級チョコレート専門店の箱入りのフレッシュなボンボンショコラは、必ず賞味期限をみてください。箱の裏などをチェックして、期限内に味わいましょう。
ビニール袋などに包むのも大事。なるべく密封したいからです。理由は「匂いうつり」や「湿気」が防ぎたいから。チョコは匂いがうつりやすい食べ物です。
保存場所は、夏は冷蔵庫、それ以外は常温
厳密には地域によりますが、夏以外、春・秋・冬は室内の常温でOK。
ただし、エアコンが直接あたったり、直射日光が当たる場所は避けてください。25度くらいになると、チョコは溶け始める、と覚えておきましょう。
常温でキープできる季節は安心ですが、夏場は、特に一口サイズの「ボンボンショコラ」の扱いに注意。18℃以下の保存が目安です。
今は、各チョコレートのパッケージやパンフレットに、ふさわしい保存方法が明記されていることが増えました。これらも、参考にしてください。
冷蔵庫なら野菜室がベターと言われる理由は?
冷蔵庫に入れるなら「野菜室」がベター、といわれますね。理由は温度が低すぎないからです。
あまり冷たすぎると、冷蔵庫から出してすぐ食べた場合に味がわからないのと、室温に戻すときに、温度のギャップが大きすぎ、おいしく感じる適温に戻しづらいから、というのが私の考えです。
ただ、味覚検査官じゃないし笑、そこまで味に厳密に考えて食べない方がほとんどだと思いますので、野菜室でなくてもよいと思います。
冷蔵庫から出して食べるときは
保存したチョコは、冷蔵庫から出して10分ほど(場合によっては15分ほど)常温において、温度を戻してから食べるとおいしい、とされます。
ただ、これも好みの問題。冷たいのをがりっ、といきたい人はすぐどうぞ。好みにもチョコの種類にもよります。
今は、「冷蔵庫から出してすぐ食べるとおいしい」ように特別に作られた、夏向きチョコもよくあります。夏チョコは楽しいですよー。夏こそショコラティエの工夫がこらされています。チョコレート店のショーケースを、眺めてみてください。
チョコは「暑いところ」「温度変化」「匂い」が苦手
チョコの「苦手」を知っておくと、保存に役立ちます。
<チョコの苦手な3つ>
暑いところ
温度変化
匂い
「暑いところ」
チョコは22度くらいで溶けはじめ、最終的には液状になってしまいます。
「温度変化」
暑い部屋から急に冷蔵庫に移すと、チョコの表面が白くなって固まり、風味ががくっと落ちます。(ブルーミング、と呼ばれます)
「匂い」
チョコはすぐに、周りの匂いを吸い込みます。チョコを保存するときの容器や、そばにキムチやカレーを置く、などに注意。
食べたいときが、おいしいとき!
食べたいときがおいしいとき。
私はしみじみ「食べたい」から「食べる」アクションまでが短いほうが、チョコでもなんでも美味しいと思いますが、いかがですか?
まずは心理的に。またチョコ自体が、購入時に一番美味しいに売られているから、というのも理由です。
だからこそ、食べたい時に買った人は「お豆腐かパンのように早く持ち帰ってすぐに食べる」ほうが美味しい。保存前提で買った方ならば、上記の保存法を参考にしてくださいね。
最後にもうひとつだけ。冷蔵庫内のチョコを忘れ去らないように!
保存、に持ち込むと「忘れ去って食べ逃す」リスクが、あなどれません。キャベツの向こうに隠れてわからなくなっていた、などといったことのないよう。(自己反省もこめ……)チョコを買ったら、忘れさることなくぜひ、おいしくたべきってください。
*くつろぎ屋さんの公式サイト*
くつろぎ屋さんのサイトでも、チョコレートにまつわるお話を連載しています。チョコレートの保存についての記事は、以下にリンクしました。クリックして、ぜひご覧ください。
【もっと知りたい!チョコのことVol.2】
チョコレートの保存方法について
text&photo
チョコレートジャーナリスト 市川歩美