こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。
「食後、とんでもなく眠くなってしまう」というようなお声を聞くことがあります。「血糖値スパイク」が起きているのかもしれません。チョコレートを楽しみながらも、健康でいたいーー。今回は、そんな私のような人のための、小さな工夫のお話。
「血糖値スパイク」に注意
だいぶ前に、朝パフェの取材があったときに、朝、空腹の状態でパフェをたべました。するとその後家に帰ってきたらぐったりしちゃったんです。そのときに驚いて、なんだろうこれ、と調べました。
お医者さまにも伺うと「血糖値スパイク」と呼ばれるものだそう。食後に血糖値が急上昇したのち、急降下する現象です。
そうなるとどうなるかというと
・食後に強烈な眠気におそわれる
・体がだるくて使いものにならなくなる
・思考もぼんやり、集中できなくなる
これを繰り返していると、将来的に糖尿病につながります。気をつけなくてはなりません。
血糖値スパイクにならずチョコレートを楽しむコツ
特に、甘いものが好きな方は「血糖値スパイク」の経験がありそうですよね。
私は実は、甘いものばかりが好きなわけではないのですが、仕事柄、突然甘めのものをいくつも食べなくてはならないこともあります。
甘いものすきな方なら我慢はストレスですよね。私の場合は、チョコレートを味わうのは仕事ですからはずせないことがあります。だからこそ、賢く「向き合う」ことが大切。ということで、お医者さまをはじめ、チョコレート関係者さんともお話、日々私が気をつけていることを書いておきます。
1. 空腹時に甘いチョコをいきなり食べない
甘いチョコレートを一番避けたいタイミングは「空腹時」です。お腹がすいているときにパクパクッ、という感じで甘いものを勢いよく食べると、血糖値はぐん!と跳ね上がってしまいます。これはしないように。
2. 高カカオチョコレートを選ぶ
カカオ分が70%以上のチョコレートは、血糖値の上昇が比較的ゆるやかです。低GIのチョコレートもあります。つまり糖質も少なめで、食物繊維やポリフェノールが豊富なチョコレートを選ぶこと。そういうチョコレートなら安心。ほんの少量で満足感が得られやすいのも魅力です。
3. 食物繊維やたんぱく質と組み合わせて
血糖値をゆるやかにするコツとして、「食物繊維」や「たんぱく質」と一緒にとること。たとえばーー
・ナッツ入りチョコ(アーモンドチョコを食べる・無塩アーモンドと一緒にチョコを食べるなど)
・ヨーグルト+カカオニブ(はちみつを少し入れても)
・全粒粉のクラッカーやパンにハイカカオのスプレッドなどを塗る
4. チョコレートは「一緒に味わう」
これは私ならではの方法なのかも、と思いますが、チョコレートを丁寧に味わうようにします。「ながら食べ」をしないこと。ストレスとチョコを結びつけない。お気に入りの一粒を、丁寧に味わって食べる時間を持つこと。これは血糖値にも心にも、やさしい習慣だと思っています。
バランスが大事
先にも書きましたが、私は甘いものをそんなに多くは食べないんです。もちろん好きですが、お食事はバランスが大事。健康第一ですし、私たちの体は、日々口にするものでつくられているのですからね。
お菓子やケーキは、少しずつバランスよく楽しむようにしています。とくに今は若いころとは違いますし、砂糖をとりすぎることにメリットはありません。
チョコレートは、私たちに「ほっ」と一息つく時間をくれるものでもあります。そして幸せをくれるもの。ちょっとした工夫をすることで心地よく、健やかに、そしてサステナブルに楽しめたらいいですね。
私の著書「教養としてのチョコレート」(三笠書房)にも書きましたが、チョコレートが好きだからこそ、上手におつきあいを。ちょうどいい距離感や食べ方を見つける。そんな前向きな視点が、大切な気がします。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美