夏のチョコレートの扱い方は?(by 市川歩美)

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こんにちは。暑い日が続きますね。読者のみなさん、お元気ですか?チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

前回記事「チョコ液状化警戒アラート」へのたくさんのメッセージをありがとうございました!今後もチョコレートジャーナリストの立場から、ひとつでも多くの日本のチョコの液状化を防ぎたいと思っています。

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目次

真夏の「チョコ液状化警戒アラート」

全国各地で真夏日、猛暑日が続いています。

みなさんmチョコレートの扱いに注意してください。チョコレートを長時間、常温におくのは絶対にNG。当たり前と思っている方こそ、改めて注意しましょう。

理由は、チョコが固形から液体になってしまうからです。

きれいでおいしいチョコレートが、液体に変わり果てるショックは計り知れません。十分注意してください。

真夏日が続き始めたら「常温禁止」

真夏日が続いたら、絶対に常温は禁止です。

考えてみましょう。当たり前のことのようですが、パンや焼き菓子は、気温が30度以上になったからといって、いきなり液体に変わりませんね?でもチョコは暑いと変わってしまうのです。なんと液体に。

チョコ(固形)は高温が苦手とよくいわれますが、苦手というより、完全にムリ。気温が高くなると、個体でい続けることができないのがチョコです。限界を超えると「もうだめー」となって、ゆるゆるゆるーっと、個体から液体になってゆく。

チョコは25度を超えると次第に溶け始め、33度を超えたら完全に液状になる

こういう性質を、再認識してください。(私は22度くらいになると場所を置き場を移動します)

真夏にチョコを買ったら、すぐ帰る

これも頭にいれておくといいかな、と思うのが、真夏にチョコを買ったら、なるべく早く家に帰ること。

やむをえず、真夏にチョコを長時間持ち歩くなら、保冷バッグに入れて冷やして持ち歩いてください。ただし、保冷効果には限りがあるので、やはり基本、早く帰るのがよいです。

ちなみに、私のような長いチョコ愛好家は、そもそも真夏にチョコを長時間持ち歩くスケジュール自体をたてません。極力すぐ帰ります。

夏は「保冷マイバッグ」が必需品

チョコレート愛好家にとって、夏のマイバッグとは、保冷バッグのこと。軽くて、日々の持ち歩きに便利です。

チョコレート店では、おしゃれな保冷バッグが販売されているので、お気に入りブランドのものを選ぶと楽しいと思います。サイズ別に2つくらい持っておくと、毎年使えて便利。

保冷剤は無料ですが、保冷バッグは有料。そういうお店がほとんどなので注意してください。

細かいようですが、マイバッグを忘れても、スーパーなどでプラス数円程度ですが、保冷バッグだとそうはいきません。数百円はかかります。あーまた傘を忘れてきて、ビニール傘を買っちゃった……みたいな経験、ありませんか?そんな気持ちになってしまい、家に保冷バッグがたまることになるかもしれません。

保冷バッグはデザインのバリエーションも豊富で、楽しいものですが、ありすぎても困るので(私は家に集まりすぎて、一度断捨離しました)、チョコを買いそうな日は、保冷バッグを忘れずに持って、出かけましょう。

保冷バッグのデザインには、お店のセンスが現れる

保冷剤についての注意

保冷バッグに入れる保冷剤は、チョコレート店やパティスリーなら、チョコを買うと、大抵は無料でもらえます。

初心者の方が間違いやすいのは、お店で「お持ち帰りの時間はどのくらいですか?」と尋ねられたときのこと。

これは、保冷剤をどのくらい準備しましょうか、という意味です。この質問には正確に、または若干多めに答えてください。

多めにいうと田舎に住んでると思われちゃうかも、などといった小さな自意識を持ってしまったとしても、実はお店の人は別に何も思っていません。笑 なので、多めに答えた方がベターです。急な用事で余分に時間がかかることがあるかもしれないのです。保冷剤は時間に応じた個数、入れてもらえます。

 液状化したチョコは、2度と元にもどらない

チョコを溶かしてしまったらどうするか。

答えは、どうにもなりません。液状化したチョコは、2度と元には戻らないのです。いくら指で整え、似たような形に戻そうとがんばっても。

「口にいれたら一緒じゃん」とか言う人もいますが、いやいやいやいや、ぜんぜん違います!

繊細なコーティングチョコレートの食感、計算された形、味、すべてが違います。もしも、間違って液状化させてしまったら、繊細なチョコは元には戻りませんが、せっかくですから反省しながら、おいしく味わっていただきたいものです。

チョコレートのブルーミングとは?

つづいて、チョコの表面が夏に、白くなる現象について。たとえば板チョコです。こんな経験、ありませんか?

ーある夏の日、板チョコを包みの上からさわったらくにゃっ、とやわらかくなっていた。

その後、どうしましたか?

ー焦ってすぐに冷蔵庫に入れた。

という方。ありがちですが間違いです。

冷蔵庫から出して包みをあけると、チョコの表面が真っ白になっているはず。味わっても問題はありませんが、美味しさが半減しています。

これは「ブルーム」「ブルーミング」と呼ばれるもので、ココアバターが溶けて、チョコの表面に浮き出し、冷えて固まった状態。食べても問題はありませんが、味も食感もダウンしています。

*別記事で詳しく書きますが、私が監修したサロン・デュ・ショコラの「チョコレートの用語集」も参考にしてください。 ブルームについて

夏のチョコはアイスと心得る

夏のチョコはアイスと心得る
市川歩美

私は、真夏のチョコはアイスと心得ています。

真夏に、アイスクリームを、長く常温で置きっ放しにする人はいませんよね?チョコも同じです。

特に高級チョコレートは、最高のバランスが追求され、丁寧に、美しく、美味しく作られています。そんな素晴らしいものを、うっかり、液状にしないようにしましょうね。

夏はチョコレートを一層繊細に扱ってください。

チョコレートのジャーナリストとして、愛好家として。私は、チョコ愛をこめて、みなさんがこの夏もおいしく、楽しくチョコレートを味わってくださることを願っています。

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チョコレートジャーナリスト  市川歩美

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