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夏のチョコレートの扱い方は?(by 市川歩美)

2022/08/05
 
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ショコラコーディネーター®/チョコレートジャーナリスト®
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こんにちは。暑い日が続きますね。読者のみなさん、お元気ですか?チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

前回記事「チョコ液状化警戒アラート」へのたくさんのメッセージをありがとうございました!今後もチョコレートジャーナリストの立場から、ひとつでも多くの日本のチョコの液状化を防ぎたい!と思っています。

夏チョコの楽しみ方はこちら↓

夏チョコが最高!私が夏にチョコを食べる理由 チョコレートジャーナリスト 市川歩美

 

真夏の「チョコ液状化警戒アラート」

 

全国各地で真夏日、猛暑日が続いています。

チョコレートの扱いに注意してください。チョコレートを長時間、常温におくのは絶対にNG。当たり前と思っている方こそ、改めて注意しましょう。

理由は、チョコが固形から、液体になってしまうから。

きれいでおいしいチョコレートが、液体に変わり果てるショックは計り知れません。十分注意してください。

真夏日が続き始めたら「常温禁止」

 

真夏日が続いたら、絶対に常温は禁止。

ここで考えてみてください。当たり前のことをいうようですが、パンや焼き菓子は、気温が30度以上になったからといって、いきなり液体に変わりませんね?でもチョコは、暑いと変わってしまうのです。なんと液体に。

チョコ(固形)は高温が苦手とよくいわれますが、苦手というより、もう完全にムリ。気温が高くなると、個体でい続けることができないのがチョコなのです。限界を超えると「もうだめー」となって、ゆるゆるゆるーっと、個体から液体になってゆく。

チョコは25度を超えると次第に溶け始め、33度を超えたら完全に液状になる

こういう性質を、再認識してください。(私は22度くらいになると場所を置き場を移動します)

 

真夏にチョコを買ったら、すぐ帰る

 

なんとなくこれも頭にいれておくといいかな、と思うのが、真夏にチョコを買ったら、なるべく早く家に帰ること。

やむをえず、真夏にチョコを長時間持ち歩くなら、保冷バッグに入れて冷やして持ち歩いてください。ただし、保冷効果には限りがあるので、やはり基本、早く帰るのがよいです。

ちなみに、私のような長いチョコ愛好家は、そもそも真夏にチョコを長時間持ち歩くスケジュール自体をたてません。極力すぐ帰ります。

 

夏は「保冷マイバッグ」が必需品

 

 

ところで、チョコレート愛好家にとって、夏のマイバッグとは、保冷バッグのこと。軽いので、日々の持ち歩きに便利です。

チョコレート店では、おしゃれな保冷バッグが販売されているので、お気に入りブランドのものを選ぶと楽しいと思います。サイズ別に2つくらい持っておくと、毎年使えて便利。

保冷剤は無料ですが、保冷バッグは有料なお店がほとんどなので注意してください。

細かいようですが、マイバッグを忘れても、スーパーなどでプラス数円程度ですが、保冷バッグだとそうはいきません。数百円はかかります。あーまた傘を忘れてきて、ビニール傘を買っちゃった……みたいな経験、ありませんか?そんな気持ちになってしまい、家に保冷バッグがたまることになるかもしれません。

保冷バッグはデザインのバリエーションも豊富で、楽しいものですが、ありすぎても困るので(私は家に集まりすぎて、一度断捨離しました)、チョコを買いそうな日は、保冷バッグを忘れずに持って、出かけましょう。

 

保冷バッグのデザインには、お店のセンスが現れる

 

保冷剤についての注意

 

保冷バッグに入れる保冷剤は、チョコレート店やパティスリーなら、チョコを買うと、大抵は無料でもらえます。

初心者の方が間違いやすいのは、お店で「お持ち帰りの時間はどのくらいですか?」と尋ねられたときのこと。

これは、保冷剤をどのくらい準備しましょうか、という意味です。この質問には正確に、または若干多めに答えてください。

多めにいうと田舎に住んでると思われるかも、などといった小さな自意識を持たず、そんな人いないか、多めに答えた方がベターです。急な用事で余分に時間がかかることはあるもの。保冷剤は時間に応じた個数、入れてもらえるのです。

 

 液状化したチョコは、2度と元にもどらない

 

チョコを溶かしてしまったらどうするか。

答えは、どうにもなりません……。液状化したチョコは、2度と元には戻らないのです。いくら、指で整え、似たような形に戻そうとしても。

「口にいれたら一緒」などという説もありますが、いやいやいやいや、ぜんぜん違います!

繊細なコーティングチョコレートの食感、計算された形、味、すべてが違います。もしも、間違って液状化させてしまったら、元には戻りませんが、せっかくですから、反省しながら、おいしく味わってください。

 

チョコレートのブルーミングとは?

 

つづいて、チョコの表面が夏に、白くなる現象について。たとえば板チョコです。こんな経験、ありませんか?

ーある夏の日、板チョコを包みの上からさわったらくにゃっ、とやわらかくなっていた。

その後、どうしましたか?

ー焦ってすぐに冷蔵庫に入れた。

という方。ありがちですが、大きな間違いです。

冷蔵庫から出して包みをあけると、チョコの表面が真っ白になっているはずです。味わっても問題はありませんが、美味しさが半減しています。

これは「ブルーム」「ブルーミング」と呼ばれるもので、ココアバターが溶けて、チョコの表面に浮き出し、冷えて固まった状態。食べても問題はありませんが、味も食感もダウンしています。

*別記事で詳しく書きますが、私が監修したサロン・デュ・ショコラの「チョコレートの用語集」も参考にしてください。 ブルームについて

 

夏のチョコはアイスと心得る

 

夏のチョコはアイスと心得る
市川歩美

 

私は、真夏のチョコはアイスと心得ています。

真夏に、アイスクリームを、長く常温で置きっ放しにする人はいませんよね?チョコも同じです。

特に高級チョコレートは、最高のバランスが追求され、丁寧に、美しく、美味しく作られています。そんな素晴らしいものを、うっかり、液状にしないようにしましょうね。

夏はチョコレートを一層繊細に扱ってください。

チョコレートのジャーナリストとして、愛好家として。私は、チョコ愛をこめて、みなさんがこの夏もおいしく、楽しくチョコレートを味わってくださることを願っています。

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チョコレートジャーナリスト  市川歩美

夏チョコが最高!私が夏にチョコを食べる理由 チョコレートジャーナリスト 市川歩美

追伸:読者、フォロワーのみなさん、いつも次々とメッセージやレスをありがとうございます!

8月は「チョコ液状化警戒アラート」を発令

<Voicyでも夏のチョコの保存方法をお話しています>

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