こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
この記事では、チョコミントの由来について、また日本でいつから始まったのか。海外ではどのような位置付けなのかなどについて、まとめることにします。
チョコミント日本と海外の違いは?
まずは、私が以前執筆した、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
東洋経済オンラインで書いた、チョコミントについての記事です。(アクセス多数。ありがとうございます!)記事は以下にリンクします。
記事にも書きましたが、こちらにも少しまとめておきますね。
日本において、チョコミントは、近年若い消費者を中心に人気を集めています。特に楽しまれるのは夏。日本では、すーっとした味以外にもフォトジェニックな要素が受けているのが現状で、かわいいカラーが映えるのと、チョコミン党、というキャッチーな言葉による、連帯感も生まれています。
一方で海外ではどうでしょうか。
実は、チョコミント、まったく日本とは異なるイメージがあります。特にイギリス、ヨーロッパでは「かわいい」どころか、チョコミントは大人のもの。そして夏とリンクするものでもありません。
海外のチョコミント商品の中には、70年選手といった貫禄があるものも存在します。パッケージはかわいいどころか大人っぽい。つまり、ミントチョコレートは大人が嗜むチョコレートです。60代以上の方がメインカスタマーとなっているロングセラーがあるほどで、日本とは全く違う存在感があります。
日本のチョコミントの歴史・ルーツ
日本人が「チョコミント」ときくと、いかがでしょうか。ペパーミントグリーンとチョコレートカラーのコントラストをイメージする方がほとんどではないでしょうか?
可愛い、といわれてしまう感じのニュアンス。そうなった大きな理由は、サーティワンアイスクリームの「チョコミント」です。
詳しくは上にリンクした記事に書きましたが、日本では、1974年4月、東京・目黒に上陸した「バスキン・ロビンス」(日本ではサーティワンアイスクリーム)のフレーバー「ミントチョコチップ」が人気を集めたのが、このチョコミントカラーのこのスタイルが定着した理由です。
チョコミントの日本独自の「チョコミン党」などという、仲間意識や連帯感を伴うかわいいイメージは、世界的にみるとユニークです。
アフターエイトの強い存在感
2019年9月に、スイスを取材しました。現地で出会ったのが「アフターエイト」。世界的に有名なチョコミントの王様、といった超メジャーな存在です。
ジュネーブ空港、シャルル・ド・ゴール空港内で、「アフターエイト」が販売されているのをみつけて、写真を撮りました。
しっかり棚をとっていますし、すごい存在感。
世界的にメジャーだといことがよくわかります。しかもどーん、と大きい81ピース入り。大きなボックスは全く日本とスケールが違うのです。
リンツのミントのチョコが人気
世界的にメジャーなチョコレート、といえば「リンツ」では、ミントフレーバーの板チョコレートが人気だそうです。特に世界的に人気を集めているのが「エクセレンスミント」(ミントチョコレートバー)。
季節を問わず人気があるそうです。一方で、日本では、リンドールのミント味が夏に人気だそう。
リンドール ミントフレーバー(アマゾン)
可愛い感じのおいしいチョコミントが、日本では人気。私自身「エクセレンスミント」もリンドールのミントも、タイプは違いますが両方好きです。
好き嫌いが別れるチョコミント
チョコミントは面白いカテゴリー。大ファンがいる反面、「歯磨き粉みたい」と、苦手な人も多いのです。
私が書いた東洋経済オンラインの記事は、yahoo!ニュースも掲載され、700近いコメントが入りました。そこからも、関心の高さが伺えました。
(ふと個人的に感じたんですが、チョコミントはチョコ界のパクチーのような存在ですよね?)
加えて、面白いケースもあります。「好きに転向派」です。
最近、私の知人男性は「苦手」と思い込んでいたチョコミントが好きになりました。それも、私の東洋経済オンラインの記事をきっかけに!
記事を読み進めるうちに「そういうことならちょっと食べてみようか」とトライしたところ「おもったよりイケる」となり、意外にも「それ以来はまってしまった」と。
食べず嫌いだった、しかし食べたら好きだったということで「好きに転身派」です。
子どものときに苦手で、大人になって受け入れられた食べ物、みなさんにもありますよね、きっと。時とともに嗜好は変化します。「嫌いと思い込んでいた」けれども、あるものを食べて、自分の味覚は変わっていたという事実に気づくことがあります。
チョコミントは、日本では「夏チョコ」のジャンルとして、主にマスマーケットのチョコレート市場で定着しました。かわいい、といわれるカラーやデザイン、イメージ。日本独自のムーブメントです。
一方で、世界的には大人がディナーの後に、リラックスするためにチョコミントを楽しんでいます。私自身、時々食べたくなるチョコミント。チョコミントのこれからを楽しみに見守っていきたいです。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美