カカオパルプとは?カカオの果肉とは?(写真つき)
こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
今日は「カカオパルプ」、「カカオの果肉」について、解説します。
Contents
カカオパルプとは?
カカオパルプとは、カカオの実の中の、白い果肉部分のことです。
下の写真をご覧ください。カカオ生産国で、収穫されたカカオの実(ラグビーボールのような形)を割って、中をみると、白い果肉につつまれた、たくさんの種が入っています。
赤い丸のところ。白い果肉につつまれた種がぎっしり詰まっていますよね。
これを一粒とって、半分にわってみるとこんな感じです。
カカオパルプはカカオのとろりとした果肉
とろーりとした果肉が、うすく種を包んでいるのがわかりますよね。このとろーりとした白い果肉部分を「カカオの果肉」または「カカオパルプ」と呼びます。
これらの写真は私が、メキシコのカカオ農園で撮影したもの。生産国へいくと実感としてわかりますが、カカオは果物(フルーツ)です。
カカオの果肉は「カカオフルーツ」とも呼ばれます。
カカオパルプの味は?
カカオパルプは甘酸っぱいです。とにかくもう、おいしくておいしくて。チョコレートと味はぜんぜん似ていません。ライチやりんご、ローズのような華やかな風味で、私はカカオパルプの味が、大好きです。
私は、カカオ産地へ取材にいくこともありますが、現地では、カカオの種を一粒つまんで口にいれ、しゃぶるように味わうのが大きな楽しみです。実際、現地の方は、ときどき、この食べをつまんで、おやつのように味わっていたりもします。
エクアドルのカカオパルプを昨年、東京FMの番組でご紹介したり、カカオパルプゼリーを、市川歩美監修のナチュラルローソンのケーキにあしらったり。とにかく美味しいので、みなさんに好評です。
カカオフルーツジュース記事(市川歩美執筆)
うれしいことに、近年、カカオの果肉(カカオパルプ)を使ったドリンクを、日本でよく見かけるようになりました。果肉だけをあつめて、絞ってジュースにしたものです。
●参考記事
2015年に、私がサロン・デュ・ショコラ 公式サイトに寄稿した記事
フルーティな風味に驚き。カカオパルプを使ったドリンクとは? (text 市川歩美)
(サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト)
チョコ上級者のサロショファン向けに書いた記事ですが、2015年から5年たったいまも「読みました」「参考にしました」というお声をいただく記事です。(一点補足、良質なチョコレート作りにおいて、カカオの果肉は発酵のために重要です。果肉が取り除かれ、種の部分だけが使われることもあります)
上の画像は、当時撮影した、ビーントゥバーチョコレート専門店「Minimal」のカカオの果肉ドリンク。カカオの果肉以外、なにも混ぜずに、ストレートです。
裾野が広がっているのは、チョコレートの原材料・カカオへの注目度の高まったこと、日本でカカオパルプが流通するようになったのが理由です。
ビーントゥバーチョコレートブランドではすでにおなじみ。サイズもスタイルも、いろいろです。
自由が丘の伝説の名店「オリジンーヌ・カカオ」が先駆け
近年、ビーントゥバーチョコレートの専門店が注目しはじめた「カカオパルプ」。ですが、実は、私は2004年には、既に自由が丘で味わっていました。
「オリジンーヌ・カカオ」で、メニューになっていたのです。(長いチョコレート愛好家さんなら、ご存知ですよね!)川口行彦シェフは、私に「カカオパルプ」を教えてくださった方。川口さんは、日本のショコラティエのパイオニアでもあり、「カカオパルプ」の先駆者でもありました。
●参考記事
自由が丘「オリジンーヌ・カカオ」(現在は閉店)の情報は、私が過去に書いた記事があります。
「オリジンーヌ・カカオで夏ショコラ」(text 市川歩美)
▲懐かしい「オリジンーヌ・カカオ」のカウンターで
ライチやりんご、ローズのような風味。甘酸っぱくて、細胞がいきいきするような美味しさです。
ゴディバも「カカオフルーツジュース」を販売開始
最新ニュースは、なんと、今週から全国のゴディバで、カカオフルーツジュースの販売がはじまったこと。
別途記事にしますが、日本人が「カカオ」を認識する、素晴らしいチャンスですね。
カカオパルプについては、今後もどんどん、情報発信します。
text & photos
チョコレートジャーナリスト 市川歩美
*ゴディバで楽しめるアイテム(参考記事)
*2019年のナチュラルローソンのクリスマスケーキは、市川歩美が監修。カカオパルプゼリーを使いました。