こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。7月27日(日)の日本経済新聞に掲載された「抹茶を真の主役に」。読んでくださった多くのみなさん、ありがとうございました。
静岡の老舗「丸七製茶」がてがける「ななや」
朝、新聞をひらいたら、さわやかな抹茶グリーンの紙面。心が晴れやかになりました。白いのれんが風にたなびいていた、取材・撮影のときを思い出したりして。

取材で訪れたのは、静岡県藤枝市に本店を構える老舗の製茶会社「丸七製茶」。1907年の創業以来、県内に2000以上ある生産者から茶葉を仕入れ、煎茶や抹茶の製造・販売を行っています。
2010年には、お茶を使ったスイーツの専門店「ななや」をオープン。抹茶のチョコレートやジェラートが文字通り大人気。国内外から多くの人が訪れています。
ななやの抹茶ジェラートとチョコレート
「ななや」さんのチョコレートとジェラートを取り上げました。スイーツではありますが、主役は「抹茶そのもの」です。

ジェラートには、濃さが1番から7番まで、7段階があります。「PREMIUM MATCHA 7」は人気のチョコレート。いずれも、自社の石臼で丁寧に挽いた高級抹茶を使っているのがポイント。味わいが濃くなるほど、緑の色も旨みも深くなります。まるで抹茶のグラデーションを味覚でたどるような体験となります。

ジェラートのNo7だけは、1〜6までもそもそも高級抹茶ですが、さらにワンランク上の抹茶を使っています。かなり濃いけれど、抹茶の風味がよいので美味しいのです。
世界が注目する日本の抹茶
近年、抹茶は世界的なブームとなっています。高品質な抹茶ほど人気が高く、海外の方があるだけまとめ買いされるケースもあるそう。その影響で、国内で品薄の状態が続き、価格が以前の2〜3倍に跳ね上がりました。
抹茶には、はっきりとしたグレードがあるのをご存知でしょうか。加工用の抹茶と、お点前に使うレベルの抹茶は異なります。あの美しい緑色とまろやかな旨みがある抹茶は、上級品だからこそ。けれど、それを知る人は少ないです。
抹茶は、日本が育んだ文化です。今だからこそ、私たち日本人がほんとうの抹茶の味や背景を知り、大切に後世に伝えたいですよね。この記事に、私はそんな思いをこめました。
抹茶は日本の文化。だから、知って、味わいたい
静岡の製茶業の老舗「丸七製茶」がなぜ「ななや」を作ったのか。なぜ静岡の高級抹茶を使うのか。「おいしい」「たのしい」の向こうにあることまで、味わっていただけたらうれしいです。
チョコレート工房があるのは、静岡最大のお茶の産地・牧之原です。すごーい日差しの暑い日でした。静岡でお茶をたくさんいただきましたが、美味しい日本茶っていいですね。私はこの取材で日本の抹茶とお茶が、ますます好きになりました。
text & photo ジャーナリスト 市川歩美