【The Chocolate Journal チョコレートニュース&レポート】こんにちは。チョコレートジャーナリスト、コーディネーターの市川歩美です。
ベルギー発のチョコレートブランド「BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)」が、初のアフタヌーンセットの提供をはじめました。先日伺ってきましたので、レポートしますね。
ブノワ・ニアン「アフタヌーンティーセット」
ブノワ・ニアン銀座で、初めてアフタヌーンティが登場していると聞いて出かけました。毎日14時半〜のみ、数量限定で提供しているという新メニューです。写真とともにレポートしますね。
ブノワ・ニアンのアフヌーンティは、2つの大小のプレートから構成されています。テーマは、カカオ豆収穫からチョコレートができるまで。カカオがチョコレートになるまでのあらゆる工程を、アフタヌーンティセットを味わいながら、感じることができます。
チョコレート・カカオファンなら楽しめると思いますよ。そうでない方もとても興味深いと思います。
大きいプレート〜カカオ豆から始まるストーリー
まずは、大きいオレンジ色のプレート。
こちらには5種のアイテムが並んでいます。 ユニークなのは、このプレートの上には、カカオ豆がどのように原産国で加工されて、チョコレートになるか、というストーリーが描かれていることです。
1)収穫
「クレーム ショコラ」 可愛らしいカカオポット型のチョコレートの中にはアーモンドチョコレートが入っています。そして、このチョコレートクリームの美味しいこと……。なめらかで、チョコレートプリンみたいです。
2)発酵
「カカオパルプとカカオニブのソルベ」 カカオニブが入ったカカオパルプのソルベです。 カカオソルベの上にはカカオ産地をイメージした、バナナの葉っぱ型のチョコレートやベトナムの笠のようなチョコレートがのっています。
3)乾燥
「クッキーとカカオニブとクラックラン」
個人的に、この「乾燥」を表現した一品に心を奪われてしまいました。昨年末にガーナのカカオ産地で見た風景が蘇ってしまって。まさにカカオ豆の乾燥はこんな感じです。細かいチョコレート細工もぜひご覧くださいね。ニブに砂糖がけしてリアルなカカオ豆に近づけてあるところも、もう、すばらしい!凝っているなぁ〜。
4)磨砕・コンチング
「カカオニブ」 「ショコラショ」
カカオニブがすり鉢のような白い器に入っています。自分ですりつぶせるのが楽しいです。このカカオニブはお隣にあるショコラショとセットになっていて、ドリンクにニブを入れていただくと風味が豊かになります。ドリンクはまずはそのまま味わって、あとで「味変」のためにカカオニブをいれるのがよさそう。もちろんカカオニブは他のアイテムとあわせてもOK。
小さなショコラショは「ラジェ ド オウロ」を使用しています。
5)成形
「ミニショコラ」(アンボリカピキィ/リオ ドゥルセ/ハシエンダ ビクトリア)
最終的に板チョコレートになった、という完成形。3種類の産地別チョコレートを味わえます。私はあまり何も考えず美味しくいただいてしまいましたが、テイスティングする方もいそうですね。3種の違いはよくわかります。カカオ感じるチョコレートです。
小さいプレート〜ショコラの可能性をたどる旅
続いてグリーンの小さな方のプレート。
カカオ豆がチョコレートになった、その先の楽しい表現がいろいろ。カカオがチョコレートになり、そしてチョコレートムースやガナッシュ、アイスクリームやフィナンシェ、ボンボンショコラに変身します。
6)チョコレートムースとカカオパルプクレームのプチガトー
カカオパルプが入ったチョコレート(マヤンレッド)のムースです。キャラメリゼしたグラサージュの風味がよいのです。艶やかできれい。小さなケーキを味わう気分でどうぞ。
7)ガナッシュ ショコラ
こちらはチョコレートのドーム型ガナッシュです。マヤンレッドの濃厚なカカオの風味を楽しみましょう。
8)マヤンレッドのチョコレートアイス
小さなスクープのチョコレートアイスクリーム。同じマヤンレッドでも全く印象が異なることに、気づきます。
9)フィナンシェ ミニ
おいしいフィナンシェ。焼き菓子が一つ入ってくるのがいいですね。アンポリカピキィを使用。
10)ボンボン ショコラ
毎回ボンボンショコラの種類は変わりますが私がいただいたのはローズとサクラの2種類でした。たまたま可愛らしいピンクと赤のハートだったので、気分が上がりました。
ブノワ・ニアンのアフタヌーンティ、ドリンクは?
ドリンクはテーブルで選べます。これだけのドリンクがおかわり自由! 私がいただいたのは「マラケシュミント」とアラビカ種のコーヒー。いずれも風味がよく、気に入りました。
・有機アフリカンネクター(ハーブティー/ノンカフェイン)
・マラケシュミント(緑茶/カフェイン)
・有機スプリングジャスミン(緑茶/カフェイン)
・有機アールグレイ(紅茶/カフェイン)
・有機ダージリンエステート(紅茶/カフェイン)
・アラビカ種コーヒー(コーヒー/カフェイン)
カカオ・チョコレート好きのためのアフタヌーンティ
それにしても、細かいところまで凝っていて、何を食べても美味しいのです。丁寧に作られているのがわかりました。作った方が、お客さまに楽しんでいただこうと工夫されたものって、わかりますよね。私もうれしくなりました。
アフタヌーンティーは、流行っていますが、実は私はとても難しいものだと思っているのです。バランス、コンセプト、ひとつひとつの味、それからお茶のクオリテイ、提供の仕方、ポイントがいくつもあります。提供する方がどんな方か、そして空間もそうですね。
そういう意味では、銀座のカウンターは静かで美しく、お味もコンセプトも楽しめました。
器はフランスの陶芸家によるもので、カカオの自然なイメージと調和するものが選んであります。カトラリーの持ち手の部分もナチュラルさを感じるもの。カカオからチョコレートまでが、上質素材で、遊び心ある表現がされていました。
添えられるパンフレットには、カカオ豆からチョコレートになるまでの工程が写真付きで紹介されていますので、ぜひ持ち帰りましょう。お勉強にもなると思いますよ。
インフォメーション
インフォメーションです。事前予約がマストなので、以下に情報とリンクをはっておきます。
アフタヌーンセット
各日14時30分~16時枠のみ提供(事前予約制)
店舗:BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)
価格:平日5,500円(税込)/土日祝6,050円(税別)
*7月27日頃に次の産地に切り替わる予定、時期によりチョコレートの産地は変わります。
詳細はこちら
予約はこちらから↓
text & photo チョコレートジャーナリスト 市川歩美