こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
この記事では、バリーカレボー社のカカオバリー(R)ブランドによる、新しいチョコレート、100%カカオフルーツから作られたチョコレート「EVOCAO™(エヴォカオ)」について、また後半には、今商品として味わえるお店(アトリエ ドゥ ゴディバ)をご紹介します。
ホールフルーツチョコレート「エヴォカオ」とは
「EVOCAO™(エヴォカオ)」は、ホールフルーツチョコレート、とカテゴライズされています。”WholeFruit chocolate”とは、まるごとフルーツのチョコレート、という意味。その名のとおり、甘みもふくめ、すべてがカカオでできています。
甘みは、砂糖でなく、カカオパルプ(果肉)由来。カカオの果肉ならではのフルーティな風味があり、レシチン、バニラを使用していません。
実際に、味わってみました。
パッケージをあけると、パッと広がる、酸味のあるチョコレートならではの香り。風味は、ドライフルーツのようなコクがあり、ドライプルーン、ベリー、デーツ、はちみつといった、複雑な酸味、苦味と、カカオパルプ由来の甘みが調和。製菓用チョコレートですが、ハイカカオ好きな方なら、そのまま味わってもよさそうです。
日本で、いちはやくホールフルーツチョコレートを味わえる
日本は、いちはやく、このホールフルーツチョコレートを味わえる国です。
バリーカレボー社によると、2019年に「100%カカオ成分のみでチョコレートを作る」とのコンセプトを発表して以来、開発に2年を費やしています。
日本は、このチョコレートが先行販売されている国のひとつで、バリーカレボージャパンが、カカオバリーブランドで、今年の9月からプロ向けに販売を始めています。先行販売はで、フランス、イギリス、イタリア、カナダ、アメリカ、ブラジル、日本の6カ国で、6月8日から。それ以外の国は、12月以降に出荷予定です。
ホールフルーツチョコレートを、いちはやく味わえる日本。ショコラティエやブランドにより、どんなメニューになって登場するのか、楽しみです。
ホールフルーツチョコレートを味わえるショップは?
では、今、どこでホールフルーツチョコレートの商品を味わえるのでしょう?
「味わってみたい」「どこで味わえますか」という多くの質問が私に寄せられていますので、「アトリエ ドゥ ゴディバ」 を紹介します。東京、京都、福岡にショップがあります。
ゴディバは、いち早く、ホールフルーツチョコレート に着目し、メニューを商品展開しました。11月9日まで味わえるメニューは、以下の記事をクリックしてください。
上の記事は、11月9日までの限定メニューですが、11月10日からは第2弾として、別メニューが登場予定です。
さらなるホールフルーツチョコレートメニューに、期待が高まります。
ゴディバがホールフルーツチョコレートの商品を積極的に開発
なぜ、ゴディバがホールフルーツチョコレートに注目しているのでしょう。
このことについて、ゴディバは、10月13日に開かれた、バリーカレボージャパン主催のオンラインカンファレンス「サステナブルチョコレートの未来 2021 with #changemakers」で、説明しました。
カンファレンスには、ヤニック・シュヴォローシェフがライブで登壇。「ホールフルーツチョコレート ゴディバジャパンの取り組み」と題して、ゴディバが積極的に「カカオフルーツ(カカオの果肉)に注目している理由や、今後の展開について、話しました。
ゴディバのシェフが語るホールフルーツチョコレートの魅力
ゴディバは、2021年から、カカオパルプ(果肉)を使ったメニューを全国展開し、人気を集めています。(関連記事)
シュヴォローシェフによると、ゴディバがホールフルーツチョコレートに関心を寄せる理由は「ショコラの体験、カカオパルプの体験の両方を届けられるチョコレート」で「フルーツとしてのカカオの果実味をショコラにのせて、新たな体験を提供できるから」。
また、ホールフルーツチョコレートは、甘みが少なめで、やや酸味がかり、後味がフルーティというユニークな性質により
「様々な素材とマリアージュにすぐれている。他のフルーツと相性がよく、他のタイプのチョコレート ともうまくマリアージュできる」
とも説明しました。
サステナブルカカオを使用
ゴディバがこのチョコレートに注目した理由は、カカオ産地に配慮した、サステナブルなカカオ である点にもあります。
バリーカレボージャパン株式会社によると、ホールフルーツチョコレートは、Cabosse Naturals(カボスナチュラル)との提携で、エクアドル産カカオフルーツで作られています。
バリーカレボー独自の持続可能プログラム「ココアホライズン」に参加するカカオ農家の協力があり、450人の小規模農家の生活向上をサポートしているのも特徴。
こうしたことから、ゴディバは企業として、SDGs、カカオ生産地支援の視点から「ホールフルーツチョコレートを使うことも、消費者、カカオ生産者のみなさんにしあわせを循環させる形を作る一貫である」という理由もあげています。
2022年には、ゴディバがカカオパルプベースのガナッシュのチョコレートを販売予定との発表も!
1926年創業の世界的に有名なゴディバが、原材料のカカオや、カカオ生産国に注目し、SDGsにかかわる活動と、同時に新しいチョコレートの美味を、追求しています。
アトリエ ドゥ ゴディバを筆頭に、次のバレンタインシーズンにむけて、ホールフルーツチョコレートを使ったチョコレートやスイーツ、デザートが登場してきそうです。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美