こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
パスカル・ル・ガック東京の「花ひらくパフェ」こと「パルフェフルーリー」の期間限定・ぶどうのパフェが11月20日くらいまでメニューになっています。素晴らしかったので、内容をご紹介します。
人気パフェ パルフェフルーリー皆勤賞です
パルフェフルーリーは、パスカル・ル・ガック東京のオリジナルパフェの名称。
チョコレートでできた、かわいらしいお花がグラスの上に咲いています。リーデルのワイングラスを使った、美しく、クリエイティブなパフェ。私はファンなので、皆勤賞です。
チョコレート&パフェファンとお話していると「私も皆勤賞です」という方が結構います。(皆勤賞=新パフェが登場するたびに全部味わっている)
それほどの人気パフェで、さらに驚いたことに、私がお店へ伺うと、3回に1回くらいの確率でフォロワーさんや読者さんと出会い「わあ」「あゆみさん」となるという、私にはうれしいパフェでもあります。
パルフェフルーリー レザンの内容
10月30日からスタートした「Parfait Fleuri 〜Raisin〜(パルフェフルーリーレザン)」は、国産のぶどうを使ったパフェ。
考案した、パスカル・ル・ガック東京を任されているスーシェフ、野澤さんによると「今年もぶどう狩りをしている気分になれる、沢山の品種のぶどうを用意した」そうです。ぶどうは、その時期美味しいものを選び、8〜10種類使用。
詳しくは写真をご覧ください。
クロモジの葉っぱのジュレと白あんの生クリーム、バニラのラングドシャと黒糖サブレ、ラム酒漬けレーズン入りアイスクリームや、ぶどうのソルベ。自家製ラムレーズンと黒文字がマリアージュして、複雑で奥行きがぐぐっ、と広がっていきます。
グラスの外には、ラングドシャを使った小さなレーズンサンド。ラングドシャのレーズンサンドは、水分を吸うため、イートインでしか提供しないレーズンサンドといえます。
野澤さんによると、自家製ラムレーズンは、じっくり2時間ほどかけてぶどうの房ごと仕込んで作るそう。
クロモジを使ったジュレは、前回のパルフェフルーリーにも登場しましたが、今回は、クロモジの葉から風味を抽出、前回よりも、ウッディな香りをたたえています。
この日は9種の山梨と長野のぶどうを使用。さくさくのフレッシュなぶどうと、ラムレーズンとなったぶどう、アイスクリームになったぶどう、それらに、白あんの生クリーム、クロモジなどが調和して、食感と風味のめくるめくようなセンシティブなマリアージュ、またも洗練されたグラスの中の世界を、音楽のように体験しました。
みなさんもぜひ。ぶどうのパフェ、というシンプルな響きから、想像もつかないような、味覚とヴィジュアルのバランスを体験できると思います(体験、という言葉がふさわしいと思います)。
パフェはヴィジュアルだけみていてはいつまでたっても理解できない
これは、私の持論ですが、最高のパフェには「ヴィジュアル」だけに注目していては、いつまでたっても、到達できません。あるいは「主にヴィジュアルだけに注目していては」といってもいいです。
ヴィジュアルも大切な要素ですが、まずは味がどうか。
食べる側のことを考えた、たべやすさ、安定感、グラスや添えられたもの、それらの心地よさにつながっているかもそうです。
トップからボトムまで(最初から最後まで)、気持ちよく感動とともに味わっていける「美味」。工夫は、テクスチャーや風味の分量や素材選びにまで及んでいます。
例えば乗っているものがグラグラして怖かったり、危ないと、私はそれはパフェとしてどうか、とすぐに感じます。奇をてらったようなデザインもそうです。それはヴィジュアル(メディア上での映え)を主に優先させたかったのか、あるいは他の意味があるか。
ヴィジュアルは玄関です。見た目から入り、味わうきっかけになります。しかしその後が大切で、続いてどう感動や発見があり、心地よい余韻が残るか。
パフェは、玄関でご挨拶して帰る人、とは違いますから、玄関で、わあ、きれい、となって、お邪魔して、なんて素敵なおうちでの時間だったのでしょう、とおいとましたあとでこそ良い思い出になり、感動を与えてくれるのが、最高のパフェです。
というか、これは、パフェに限らず、最高のチョコレートがそうです。もっというとすべてがそう。私はすべてに、そのように感じ、考えているところがあります。
私は、おいしいものを世の中に増やすには「きれいだった」ではなく「おいしかった」にもう少し注目し、お店の方、作った方に伝えることが重要ではないかと、今この時代だからこそ、感じます。
いいパフェだと変なことをいいたくなる
これはインスタライブやパフェ研究家の斧屋さんとのイベントでも話すことですが、人はほんとうに感動すると、変な声を出します。笑
例えば、素晴らしいパフェに出会うと、思わず、んんっ、とかふんぐっ、とかいってしまったり、なにこれっ、と誰もいないのに尋ねたり、誰かがいれば「ちょっとちょっと」と呼んだり「なんなんですかこれ」とパフェと知っているのに聞いたりします。
私だけかと思ったら、結構な数のフォロワーさんが共感してくれました。人は感動するとそうなるものなのです!
(業務連絡)ブランドのシェフのみなさん。私がわけのわからない反応をしたら、感じ入ったのだと、理解してください。
パルフェフルーリーは要予約
パスカル・ル・ガック東京の、パルフェフルーリー、味わうには、事前予約が必要ですのでご注意ください。
(予約は希望日の2日前にて締め切り)
電話予約 ☎︎ 03 6230 9413
平日 11:00/12:30/14:00/15:30/17:00
土•祝 11:30/13:00/14:30/16:00
(注意)パルフェフルーリー レザンは11月20日位までの予定ですが、ぶどうがなくなり次第終了です。
次回のパルフェフルーリーは、栗のパフェ
次のパフェについて、パティシエの野澤さんに聞くと、ぶどうが終わったら、次は、栗とピーナッツのパフェを予定しているそう。
ピーナッツは、野澤さんが千葉県旭市のピーナッツを栽培する瀬川農園で、この春、自身で植えたピーナッツで、収穫されたピーナッツをパフェに使うとか。楽しい話ですね。
さらに驚いたことに、野澤さんがファンだという、Creepy Nuts(クリーピーナッツ)さんにちなんでいるそう。(クリとピーナッツ)
というわけで、クリーピーナッツさん。ご来店、大歓迎だそうです。お二人がいらしたら、日本のパスカル・ル・ガックを支える野澤倭歌菜さんから、スペシャルプレゼントがあるそうですよ。
(後日談:このパフェの提供は延期になりました。クリーピーナッツはぜひ来年!)
text&photo
チョコレートジャーナリスト 市川歩美