by Ayumi(市川歩美)

サステナブルチョコレートとは何か?

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ショコラコーディネーター®/チョコレートジャーナリスト®
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こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

「サステナブルチョコレート」「サステナブルカカオ」という言葉について、かんたんにまとめます。

収穫されたカカオ(台湾で市川歩美撮影)

サステナブルカカオとは?

 

まず、サステナブルカカオとは、カカオ生産国の、カカオ農家の方々の生活向上が考慮され、そして、地球環境にも配慮した生産方法で育ち、収穫されたカカオ豆のことです。

サステナブル(Sustainable)=持続可能な、耐えうる
sustain (維持)が able(できる)
なので、

サステナブルカカオは「(地球のために、カカオ生産者のために、今だけでなく未来の世代にも)持続可能な方法で栽培されたカカオ」ともいえます。

・カカオ豆の生産者が十分な収入を得られず、貧困にあえいでいる
・生活が苦しく、子どもを学校に通わせられない
・カカオ農園で子どもが、過酷な労働を強いられている(児童労働)
・生産者の高齢化による、後継者不足

カカオ産地には、上記のような問題があります。

それを解決するための支援・方策が行われた上で、収穫されたカカオが、サステナブルカカオです。

そもそもサステナブルが何か、というと、国連が掲げるSDGs(エスディージーズ) のSがサステナブル。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。

 

サステナブルチョコレートとは?

 

サステナブルチョコレートは、サステナブルカカオから作られたチョコレートです。基本的なことですが、カカオ豆=チョコレートの原材料です。カカオ産地に問題がおき、栽培の継続ができなくなれば、カカオが世界からなくなり、同時にチョコレートは世界に存在しなくなります。

 

世界の製菓用チョコレートブランドの「サステナブルチョコレート」への取り組み

グローバルに展開する、チョコレート関連企業なら、ほぼすべてといっていいほど「サステナブルカカオ」への取り組みを行っています。

海外の主要製菓用チョコレートメーカーの例をあげると

バリーカレボー社(スイス)
「フォーエバーチョコレート」というプランを掲げ、2025年までに、自社が扱うチョコレートを100%サステナブルにし、児童労働をなくす目標をたてています。「ココアホライズンプログラム」では小規模生産者を視点しています。

ヴァローナ社(フランス)
「カカオフォレスト」を立ち上げ、企業、研究者、NGOと積極的に協力しあい、カカオ生産者の生活工場のために、生産性がよく、地球環境にもよい(森林破壊や化学肥料や農薬の使用しない)栽培方法を開発し、生産者に伝えています。

ピュラトス社(ベルギー)
「カカオトレース」というプログラムを作り、世界各地の生産者の収入を増やすための支援をしています。ユニークなプログラムは各国に広がり、サステブルカカオを使ったチョコレートに「カカオトレース認証」マークをつけています。

などです。

製菓用チョコレートブランドが、支援活動を行い、そのうえで製造されたチョコレートから作られた商品なら、それはサステナブルチョコレートになります。

 

どのチョコレートがサステナブルなのかはすぐにわからない

 

それでは、どの商品(チョコ)がサステナブルなのか。

この質問にカンタンに答えるのは、とても難しいです。「どのチョコが本命チョコにおすすめか」「どれが今年ニューオープンの店のおしゃれな新作か」などの質問とは、根本的に異なるテーマだからです。

具体的にいうと、商品のパッケージに、いちいち「私たちはカカオ産地を支援しています」「カカオ生産者の生活向上を目指す活動をしたうえで作られたチョコです」などと、あえて書かないブランドやメーカーが(ビーントゥバーは逆ですが)ほとんど。大手メーカーが作るチョコレートや、シーンやイメージを大切にするブランドは、カカオ産地支援について、表立って示すことは、少ないのです。

「声が大きいほどよい活動」「センスよくまとまっていて目立つほどよい活動」とも、一概にいえません。現に、私がちらっとサステナブル関連の説明・PR文を読んだだけでも??となるようなケースも残念ですが、結構あります。

重要な視点は「サステナブルな活動をしていることと、マーケティングやPRと分けて考える」ということではないでしょうか。

消費者も、なんかすごい、いいことしてるみたいだね、と感覚に訴えかけられたものに、シンプルに反応するだけでは、根本的なことを見逃します。

おしゃれなライフスタイルを重視するメディアは、今年オープンの新店舗、新しい商品、誌面映えする商品を掲載するのが命題と、重々わかったうえで書くのですが、サステナブルに関しては、新しい=価値が高い、とは一概にいえないのではないでしょうか。サステナブル=持続可能であること。つまり、長年活動し、検証を重ね、成果を出している活動にこそ、価値があるはずです。

現に、世界的なチョコレートメーカーはもちろんのこと、上記の製菓用チョコレートブランドも、リンツも、ゴディバも、ネスレも、明治も、森永も、もちろんカカオ産地支援を行なっています。支援の規模をみれば、大きな企業ほど、広く大きな支援ができるのも現実です。

あえてカカオ産地支援をアピールしていなくても、地道にカカオ生産地とかかわり、大規模な活動を続けているチョコレートブランドが多いことを、どこか気にとめておいてください。

 

*参考記事

SDGsウォッシュとチョコレートについて

 

サステナブルカカオに関する、参考記事(2020年問題)

 

参考記事として、2年前に私(市川歩美)が執筆した記事をリンクします。

https://toyokeizai.net/articles/-/207695
東洋経済オンライン

2015年9月に国連でSDGsが採択され、チョコレートの原料、カカオを生産する国々の現実に一層光が当たるようになりました。

カカオ産地の問題は複雑で、何かをはじめたらすぐ結果が出るレベルのものではありません。だからこそ多くの企業、チョコレートブランド、個人、NGOが長い年月をかけて関係を作り、綿密な計画をたて、軌道修正をしながら活動を続けています。

サステナブルカカオ、サステナブルチョコレートへの関心は高まっています。今後も、引き続き情報発信してまいります。

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チョコレートジャーナリスト  市川歩美

メキシコ(カカオの有名な産地ソコヌスコ地方 )取材にて。すくすく育つサステナブルカカオの苗に囲まれる私

<参考動画>
*チョコレートとSDGs

<参考記事>
市川歩美による、チョコレートとSDGsに関わる情報発信の一部です。

*Withでは、読者にあわせ、かわいく、楽しくチョコレートをセレクトしました。

サステナブルチョコをご紹介 With3月号で「シェアハピなバレンタイン」

*anan

サステナブルなチョコレートについて (ananチョコレート特集でコメント)

*婦人画報(日本のチョコレートの歴史とチョコレート業界のサステナブルな活動について執筆)

日本のチョコレートの歴史と変遷「婦人画報」2月号で書きました

*25ans(今年おすすめのチョコレートとサステナブルなチョコレートを考えるうえでの知識を執筆)

ヴァンサンカン2月号 チョコレート特集「幸せのショコラ名鑑」が大充実 (市川歩美監修)

SDGsウォッシュとチョコレートについて

 

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