チョコレートジャーナル BY AYUMI ICHIKAWA

クラフトチョコレートとは?ビーントゥバーとの違いは?

2022/08/14
 
この記事を書いている人 - WRITER -
ショコラコーディネーター®/チョコレートジャーナリスト®
詳しいプロフィールはこちら

こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

この記事では、「クラフトチョコレート」とは何かを、説明します。

クラフトチョコレートとは何か

 

クラフトチョコレートとは何か。

今の時点で、どこにも、なるほどと実感できる記述が見つからないため、チョコレートを見続ける私の立場から、参考にしていただくために、記しておきます。

Craft chocolate(クラフトチョコレート)は、カカオ豆を選び仕入れる段階から、最終形のチョコレートになるまで、すべての行程を職人が手がけて作ったチョコレートです。さらに、比較的小規模なメーカーが小ロットで作ったチョコレートのことです。海外ではスモールバッチ、と記されていることもあり、2000年代前半からのアメリカ発のムーブメントを継承しています。

パッケージや店の内装まで、ヴィジュアルセンスが統一され、コンセプトが一貫し、カカオ豆の個性をどう生かしているか、といったチョコレートの味とともに、スタイルや個性、その活動やストーリー、チャレンジにファンがついています。

USHIO CHOCOLATL

 

ビーントゥバーとクラフトチョコレートの違いは

 

では、「クラフトチョコレートは、ビーントゥバーチョコレートと、どう違うの?」と考える方も多いことでしょう。

Craft chocolate(クラフトチョコレート)は「比較的小ロットで、小規模なメーカーが作るビーントゥバーチョコレート」。

Bean to bar(ビーントゥバー)は大企業でも、ヨーロッパで昔からカカオからチョコレートを作っている歴史あるブランドでも、カカオ豆からチョコレートを一貫製造していればビーントゥバー。

と、考えてみてください。

ビーントゥバー、クラフトチョコレート、の意味が明確に定義されているわけではありませんが、クラフトチョコレートのポイントは、文字通りクラフト的、いわゆる手作業です。職人の目が届く範囲で作業が重ねられ、小規模で小ロットの生産が特徴。

Kiitos

ビーントゥバーチョコレートとは

 

では、一方で、ビーントゥバーチョコレートとは何か。私が2017年に東洋経済オンラインに寄稿した記事を参考にしてください。

チョコの新潮流「ビーントゥバー」とは何か

2017年の段階では、ビーントゥバーチョコレート=クラフトチョコレート、という感覚だったかもしれません。

ビーントゥバーとは、日本語にすると「カカオ豆からチョコレートバーまで」。文字どおり、製造工程にフォーカスされた言葉で、「カカオ豆からチョコレートまで一貫製造されたチョコ(あるいはスタイル)」をいいます。

カカオ豆からチョコレートを作る、ということですから、そうなると大企業も、ヨーロッパの19世紀からカカオを仕入れてチョコを作っている歴史的なブランドも「ビーントゥバー」です。人それぞれ、言葉に抱くニュアンスが違うかもしれませんが、つまり、カカオ豆を仕入れて、自社(個人)でカカオからチョコレートを作っていれば、ビーントゥバー、です。

 

クラフトチョコレートとビーントゥバーとのニュアンスのちがい

Conche

 

5年くらい前までは、ビーントゥバーという言葉が流行り、クラフトチョコレートとの違いをよく考えることはありませんでした。

しかし、私(市川歩美)がチョコレートのジャーナリストとして、ヨーロッパで19世紀から続く老舗を取材していると、現地で直接「うちもビーントゥバーです」などという話を聞くわけです。そうすると、ヨーロッパの老舗の気配と、アメリカ発のあの独特な新しいムーブメントと完全にニュアンスが全く異なり、私は大きな違和感を持っていました。

そこで私は、クラフトチョコレートとビーントゥバーチョコレートを意識して使い分けるようにしたわけです。(多くの経験と取材をふまえ)

「ビーントゥバーブランド」であり、同時に「クラフトチョコレートブランド」である専門店は、多いです。

クラフトチョコレートブランドは、カカオ豆からチョコレートを一貫製造するので、ビーントゥバーブランドです。

しかし、反対にビーントゥバーだけど、クラフトチョコレートとはいえなさそうな、メーカーはあります。大量にチョコレートを作る大手メーカーや、ヨーロッパの歴史あるチョコレートメーカーなどです。

作ったチョコレートは、ビーントゥバーですが、クラフトチョコレートとは、私は呼びません。クーベルチュールメーカーもそうです。2000年代初頭にアメリカで生まれた、クラフトマンシップと素材回帰が原点にある、あのスタイルとは、異なるからです。いろいろなブランドや会社をあてはめて、考えてみてください。

少し、整理のお手伝いになりましたか?

もう少しいうと、ブランドによっては「うちはビーントゥバーといわれたくない」「クラフトチョコレートともちがう」みたいな感覚を独自に持っていることもあります。

定義はなく今も感覚的ですが、チョコレートに向き合う上で、専門外の一般メディアの方、チョコレート関係者の方にも、改めて参考にしていただければ幸いです。

text チョコレートジャーナリスト  市川歩美
(写真は、私が撮影したクラフト的なスモールバッチのチョコレートです)

*参考記事

人気クラフトチョコレートがメルカリShops初登場!ーいらないものをチョコに交換するサステナブル

2020年3月にクラフトチョコレートブランドが集まったフェスティバルがサンフランシスコであり、参加したときの記事です。

クラフト チョコレート エクスペリエンス(CRAFT CHOCOLATE EXPERIENCE) サンフランシスコで初開催

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
ショコラコーディネーター®/チョコレートジャーナリスト®
詳しいプロフィールはこちら

Copyright© The Chocolate Journal , 2022 All Rights Reserved.