世界のベストショコラティエ100は間違い!金賞とは呼ばない!サロン・デュ・ショコラ パリ C.C.Cのアワードや評価の基礎知識 (限定公開記事)

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(2025年3月26日修正・追記)
チョコレートのシーズンが訪れると、「世界的なチョコレートの品評会で最高位」「C.C.Cでアワードを受賞」「金賞を受賞」といった表現がメディアにあふれます。

これらが何を意味するのか、業界関係者やメディアに携わる人にとっては、正しく理解することは不可欠です。また、日本の消費者にとっても、チョコレートの価値を正しく知る手助けになります。

私が以前出演したNHK「クローズアップ現代+」でも話題となった話の実態を、感覚的にも事実としても理解できるよう、わかりやすくまとめました。(※限定記事です)

目次

C.C.C.に「金賞」はない(出品者が金の評価を受けたということ)


「サロン・デュ・ショコラ・パリで表彰されました」「金賞受賞」「アワード受賞」――このようなPR文を目にすることがあるかもしれません。しかし、「なんかすごい!」以上に、ただしく理解できていますか?

まず、「C.C.C.」とは何か。これはパリのチョコレート愛好家が集まるクラブのことです。ちなみに

・C.C.C.には「金賞」というものは存在しません。
・賞ではなく、評価を願い出たブランドに対して「金・銀・銅」の三段階でランクをつける仕組み。なので、金評価を受けるブランドは、いくつもあります。

また、日本では「C.C.C.」と「ドット」を挟んだ表記が広まっていますが、これはいつのまにか日本人がつけたもののようです。フランスでは不自然に思われることもあるようです。(私はCCCと書くことが多いです)

つまり、「C.C.C.というパリのチョコレート愛好家クラブが、金という評価をつけた」「ナントカ賞を受けた」「それをサロン・デュ・ショコラ・パリの会場で表彰された」といった発信なのですが、その背景を、ほとんどの人は、正確に知りません。

CCCはどんな評価をするか

CCC(C.C.C.と日本では表記されることが多い)という愛好家クラブの主な活動は「主にクラブに評価を願い出てチョコレートを届けたブランドのチョコレートを会員が味わって感覚的に評価し、その結果を小さなハンディサイズの冊子にまとめる」ことにあります。

具体的には、以下の2つの取り組みです。

  1. ガイドブックの発行
    毎年、審査したチョコレートやブランドの評価を掲載したガイドブックを発行しています。(一般書店での販売はなく、イベント会場などで販売しています)
  2. アワードを与える
    CCC独自の賞「アワード」を毎年数ブランドに与えています。賞の基準については特に決まりはなく(後述します)、ある年から、サロン・デュ・ショコラ・パリの会場で表彰式をするようになりました。

これらが「金賞受賞」や「アワード受賞」と表現さますが、多くの人が間違ったニュアンスで捉えているはずです。昔と変わって今は正しい情報が求められる時代です。正しい背景を知り、正確な理解や情報発信をしましょう。

「世界のベストショコラティエ100人」は大きな間違い!

よくある間違いの話です。

「(パリで)世界のベストショコラティエ100人に選ばれた」

この表現を見かけるたび、業界に詳しい関係者やプロは、実は「???」となるのです。

なぜなら、パリで(CCCが)「世界のベストショコラティエ100人」を選出したことは、一度もないからです。

ただし、CCC(パリのチョコレート愛好家クラブ)が、過去に良好な関係を築いたブランドの中から100人のショコラティエを選び、小冊子に掲載したことはあります。この「良好な関係」とは、主に審査依頼(出品)を行い、サロン・デュ・ショコラ・パリに出店するなど、CCCと積極的に関わってきたブランドを指します。

ここも知ってください。世界中のほとんどのショコラティエはCCCと関わっていません。そのため審査を願いでることもなく、そもそも審査対象になってもいません

では、なぜCCCが選んだ「世界のショコラティエ100人」日本のショコラティエばかりが多く含まれているのでしょうか。その理由は明確です。日本のチョコレート職人や関係者が、世界で最もCCCの評価を得たい人たちだったからです。時代とともにこの傾向は薄れてきましたが、一時はすごかったです。

ときには、本場フランスのショコラティエ以上に、CCCとの関わりに熱心な国、といわれていました。特筆すべき点かもしれません。

続きは、限定記事で。

続きは、限定記事を読んでくださいね。

「チョコレートの世界のミシュラン」とはとんでもない間違い。理由は?
サロン・デュ・ショコラパリ会場で、日本ブランドの出店がダントツに多い理由は?

誤解を招きたくない内容もずばり書くため、限定記事です。チョコレート業界の方、プロの方、メディア関係者の方は、ご一読ください。

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