こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げる、ジャーナリストの市川歩美です。この記事では今話題の「ドバイチョコレート」について、解説します。ピスタチオの風味とカダイフのサクサクとした食感が特徴で、SNSで話題を集めて、情報が拡散しました。
ドバイチョコレートがなぜ日本で流行したのか
近年、日本で人気を集めている「ドバイチョコレート」。
「ドバイススタイルチョコレート」などとも呼ばれるこのチョコレートは、元々ドバイの小さなチョコレート店で作られ、ASMR動画の投稿をきっかけに世界的に注目されるようになりました。
ドバイのフードインフルエンサーがTikTokに投稿したことで、そのユニークな食感と音が話題となり、一気に世界中へ話題が拡散したのです。
ドバイチョコレートとは?

ドバイチョコレートとは、ピスタチオペーストにカダイフ(小麦粉でできた細い麺)を中に入れてチョコレートでサンドした、少し厚みのあるタイプの板チョコレートです。
「ドバイチョコレート」という名称は、特定のブランドの商品名として使われることもありますが、現在では一般的なカテゴリ名としても認識されています。たとえば、ショートケーキという名が特定のメーカーに限って使われているわけではなように、ドバイチョコレートも広く使われています。
ルーツとなったドバイの「Fix dessert chocolate」」の商品(チョコレート)は、別の名前です。拡散されるにつれて「ドバイのチョコレート」ということがわかりやすいようにだと思われますが、広く「ドバイチョコレート」という名で知られるようになりました。
日本での人気の広がり
ドバイチョコレートはドバイからトルコ、そして韓国へと人気が広がり、日本でも注目されるようになりました。
トルコの有名ブランド「ディヴァン」の「ドバイチョコレート」はバレンタインシーズンから人気を集め始め、ホワイトデーでも人気が集まりました。こちらは一枚3000円近くする高級なチョコレートです。

さらに韓国から輸入されたドバイチョコレートも数多く店頭に並ぶようになっています。量販店などにも並んでいます。流行の背景には、SNSの拡散力が大きく影響しています。
ドバイチョコの特徴は?食感とビジュアル
ドバイチョコレートの大きな特徴。それは独特な食感と味にあります。
ドバイチョコレートは、板チョコレートの形をしていながら、中にはピスタチオペーストとカダイフ(トルコではクナフェとも呼ばれる)が入っていて、なめらかなピスタチオとザクザクした食感があります。
カダイフが食感とパリパリっとした音を生み出す要素です。
また、チョコレートの濃厚なブラウンとピスタチオの鮮やかな緑色の対比が美しく、写真映えする点も人気の理由の一つです。特にSNSでは、見た目のインパクトが強い商品が注目されやすく、このカラフルなコントラストが拡散を後押ししたと言えるでしょう。
リンツもドバイスタイルチョコレートを日本で販売

ヨーロッパではすでに「ドバイスタイルチョコレート」を販売していたリンツが、3月22日に日本でも販売を開始しました。しかし、限定2万枚はすぐに完売!その人気ぶりを物語っています。

トルコをはじめ、ヨーロッパではさまざまな「ドバイスタイルチョコレート」が、時にはドリンクになったり、様々なサイズになったりして販売されていますが、日本ではまだ種類は限られています。
今後、日本のチョコレートブランドが「ドバイチョコ」を手がけるのか、それとも海外ブランドが輸入されるのか。その行方はまだわかりません。いずれにしても、このチョコレートの新たなトレンドをしばらくウォッチするつもりです。
text ジャーナリスト 市川歩美