カカオがチョコレートになるまでの工程は? CBCラジオでやさしく解説

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こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

9月2日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』に、チョコレートジャーナリスト・ショコラコーディネーターの市川歩美(私)が出演。チョコはどうやってできる?という素朴な疑問に、お答えしました。

この記事では、私が話した内容を、一部ピックアップして紹介します。

WEB記事になっています

目次

意外と知らないカカオ豆のこと

 

カカオ豆は、トロピカルフルーツの一種。

カカオの世界一の産地はコートジボアール、2位がガーナです。平均気温は27度以上で年間降水量が1000mm以上、気温差も少ない必要があるなど、かなり育つ環境が限られています。

木の高さは様々ですが、高さ7~10mくらい。その木になるラグビーボールのような形の実の中の、小さな種(30~50粒ほど)だけが、チョコレートになります。

カカオの実を割ると中にカカオ豆がこんなふうに(メキシコで撮影)

まずは発酵ーカカオは発酵食品

 

タネは、ライチのように周りが白くやわらかな果肉に包まれ、しっとりしています。次のプロセスは発酵、そのタネを果肉ごと取り出し、バナナの皮などに包んで発酵させます。

発酵の目的は、チョコレートの風味を豊かにするためです。チョコレートは実はワインやチーズのように、発酵食品、なのです。発酵法は、美味しいチョコレート作りのカギです。

 

続いて豆を乾燥させてから焙煎(ロースト)

 

続いて、その発酵したカカオ豆を、しっかり天日などで乾燥させた後、焙煎します。焙煎とはローストですが、そうすることで、1000種類以上の香りが生まれるともいわれます。

焙煎も、チョコレートを美味しくする重要なプロセスです。

 

焙煎した豆を細かくペースト状してから冷やし固める

その後は、ごくごく簡単に説明しますが

まず、カカオ豆についている薄皮を取り除き、続いて豆を細かく砕きます。

そしてそれをもっと細かくすりつぶして練り、さらに砂糖を加えて練り、ペースト状になったものを、型に入れて冷し固めれば、チョコのできあがり。粉乳を加えれば、ミルクチョコレートです。

細かな工程を、ごくシンプルに説明しましたが、それでもこれだけ工程があります。カカオは生産地から、チョコレートを作る国に運ばれたうえで、かなりの手間ひまをかけて、作られるのです。

ココアとは?

 

「ココアとはなんでしょうか?」という質問にも答えました。

カカオのタネ、つまりカカオ豆の約分は油脂、カカオバターです。カカオ豆から、そのカカオバターを取り除いた部分を粉にしたのが、ココアです。

ホワイトチョコレートは、逆にカカオバターのみを使います。カカオバターに砂糖とミルクを加えたものがホワイトチョコレートです。

カカオの実(台湾で撮影)

 

メディアで、素朴な疑問にお答えするのは、実はとてもやりがいがあります。なぜなら、多くの方のチョコレートへの理解が進むのは、私がいちばんうれしいことだからです。

どんなことでもそうですが、難しく、とっつきにくい解説や分析は、特別感を漂わせ、近寄りがたい雰囲気を出す以上に、なにかいいことがあるかというと一般の人に向けては特に見つからない気がするんですが、いかがでしょうか。内輪に狭くだけ通用するものは、親しむきっかけとは逆のベクトルだと、私はよく思っています。

というわけで、日々、いろいろなメディアで、お話したり、書いたり。

「そういうことだったんですね!」「やっとわかりました」などと、感想をいただくことが、ほんとうに、いちばん、といっていいほどうれしいです。今回も、愛知県のリスナーさんから感想のご連絡をいただき、幸せ気分でした。

私は、ラジオが大好きなので、チョコやカカオについて、どんどんお話したいと思っています。またラジオ出演するときは、SNSなどで、お知らせしますね。

text 写真・チョコレートジャーナリスト  市川歩美

追伸:CBCの多田しげおアナウンサーは、名古屋の超ベテランアナウンサーです。前職時代は大変お世話になり、久しぶりにお声をきけて感無量でした。ありがとうございました!

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