こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
8月に入り、東京は最高気温が30度を超える真夏日、35度を超える猛暑日が続いています。
チョコレートは暑い場所が苦手で、25度を超えると溶け始め、33度を超えると完全に液状化します。みなさん、チョコが溶けないように気をつけて。今月、8月はチョコレート愛好家に「チョコ液状化警戒アラート」を発令します!
チョコ液状化の危険 夏の「チョコ液状化警戒アラート」
チョコレートジャーナルが「チョコ液状化警戒アラート」を出したいのは8月。そうです。不要不急の場合、チョコレートを長時間、常温におかないようにしてくださいね。お願いします。
理由は、チョコが固形から、液体になる「液状化」が起こるからです。この記事では、私のフォロワーさんや読者さんの事例をまじえて、注意喚起したいと思います。
まずは有名な?真夏に最も起きやすい「真夏のリンドール事件」から説明することにしましょう。
真夏に起きるかもしれないリンドール液状化事件
リンドール(リンツ)は、チョコファンにはおなじみの人気チョコレートです。丸くてかわいい、そしておいしい。チョコの中にチョコのフィリングが入った、おいしいチョコレートです。
世界中に大ファンがいて、海外でも大好き、という声を何度も聞くほどで日本にもファンが多いし、この記事を書いている私も、昔から大好きです。
そんな「リンドール」。実は、真夏に大惨事を起こす可能性があるチョコレートでもあるのです。真夏に最も注意したいチョコレート、それはリンドール、といいきりたいほどの私がいます。
今朝、私がTwitterでこんなツイートをしたところ、早速フォロワーさんから反応がありました。
あまこさん、あすみさん、berrychocolatさん。超リアルで自分のことかと思ってしまいました。ありがとうございました。
市川歩美が体験した真夏のリンドール事件
ここで、私の体験をシェアすることにしましょう。
前職時代のことです。真夏のある日、私はわりと高級めな革のバッグのポケットに、いつものごとくチョコを入れて歩いていました。その日のチョコはリンドールでした。
暑い日だというのに、仕事が忙しかったことから、あちこち外を歩き回っていた私は、あろうことかリンドールがバッグに入っているのを忘れ、気づいたら、リンドールが高温になったバッグの中で大変なことになっていたのでした。
そうです。リンドールは、高温のバッグの中で、私のメイクポーチや文庫本、ティッシュなどに、1日中ぐいぐい押され続け……。
気づいたのは夕方。今でも思い出すとうわーと思いますが、リンドールは包み紙だけになっていました。中のチョコは液体となって流れ出し、私のわりと高価なバッグの中は、チョコレートだらけになっていました。いい匂い、などと言っている場合ではありません。
(ううう、また思い出したらきゅう〜っと、なってきたんですけど)ああ、時を戻したいと切実に思いました。がしかし、液状となったリンドールは、あたりまえですが、2度と固形に戻りません。
革のバッグだけに洗えない、それより大好きなリンドールを2個も液体にしてしまった。バッグの中を拭きとったハンカチで、汗と涙も拭きたい気持ちだったあゆみです。
by 市川歩美
みんなは決して同じ目にあわないようにしてください。
おいしいリンドール。真夏に油断すると、とんでもない大惨事が待っています。今、みなさんの「リンドール」は、どこにありますか?リンドールは必ず、固形で味わいましょう。
真夏の「複数のチョコの一体化」事例
続いて、真夏に「複数のボンボンショコラが、箱の中でくっついてひとかたまりになった事件」についても解説しておきましょう。
かなり心理的打撃が大きい事件ですが、意外とチョコレート愛好家には、この経験をもつ人がいるのです。フォロワーさんの事例です。
私の体験をシェアします。
フォロワーの碧井さんのレスから私は、子どもの頃の夏休みを思い出しました。森永の「チョコフレーク」の話です。
いつものようにご機嫌にチョコフレークを食べようと箱をかたむけたところ、あれ、という感じ、サラサラしていません。なんと!中で全部くっついて固まりになっていました。
うわー、となんとも言い難い気持ちを抱えてしまったのは、すぐ食べたいのに、という気持ちからです。固まりになっていようとなんだろうとチョコフレークをすぐ食べたい私。戸惑いながらも、袋の中に手を入れ、大きな塊と化した元チョコフレークをつまみ、指をチョコでベタベタにしながら口に運びました。
味は美味しい。でも結構ベタベタに指がよごれちゃったなぁ、という切なさとのマリアージュ。あ、今思い出しましたが、チョコフレークだけでなく「チョコベビー」がケースの中でくっついていた夏の日も、あった気がします……。
by 市川歩美
みなさんも似たような経験はないでしょうか。大人になっても、気をつけてください。
チョコフレーク以上に注意を払って欲しいのは、高級な「ボンボンショコラ」です。これを一塊にしてしまったらもう、チョコを愛する人ほどショックが大きいはず!
チョコレート専門店が、手間暇かけて作るボンボンショコラは、夏はアイスクリームと同じくらいの丁寧さで扱ってください。常温の部屋に放置するなどは、もってのほか。即冷蔵庫へIN、です。
↑このようなボンボンショコラが、真夏の「常温禁止令」対象
かくいう私も、やっちゃった経験があります。涙をのんで、お話しします。
これも前職時代のことです。私の前職は放送局での番組企画制作で、とてつもなく毎日忙しく動き回っていたので、言い訳ではありませんがチョコに関わる「やっちゃった」経験が、ちょこちょこあります。チョコだけに。
一段と暑い日のこと。早朝から夜遅くまで取材で駆けずり回っていた私は、忙しさのあまり、うっかりお気に入りの高級ボンボンショコラを、自宅のテーブルにおきっぱなしで仕事に出かけてしまっていたのでした。
あーあついあつい、とか言いながら帰宅した私は、テーブルにのうえにじゃーん、とボンボンショコラのボックスがのっているのをみて、ええええええええ!!とショックのあまりバッグを床に落とし、心と顔がムンクの「叫び」になっていました……涙涙涙
蓋を開けると、悲しいことに箱の中のショコラの表面は凹んで、両サイドはくっついてしまい、美しく並んでいたはずの4粒が細長いひとつのショコラみたいになっていたのです……。ああ無理、切なくてこれ以上思い出せません。。涙
by 市川歩美
意外と、自分はしっかりしている、と信じている愛好家さんこそうっかりしてしまうことがあるようです。みなさんも私やフォロワーさんの失敗談を参考に、チョコを上手に扱ってください。
今回は、真夏の「チョコ液状化警戒アラート」について、フォロワーさんや私の事例をまじえて、お伝えしました。
次の記事では、真夏のチョコレート液状化を防ぐための注意点やポイントを書きます。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美
次の記事↓
https://chocolatejournal.fun/archives/natsuchoco.html
*参考記事
https://chocolatejournal.fun/archives/2021-08-03.html