by Ayumi(市川歩美)

ブノワ・ニアンとは? ベルギー新時代のショコラティエ

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こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

この記事では、ブランドについて、また、ニアン氏が私に語ってくれた、チョコレート・カカオに対する考えをシェアします。

ブノワ・ニアンとは?

 

ブノワ・ニアンは、ベルギーのリエージュを拠点にするチョコレートブランドです。代表のブノワ・ニアンさんが自らカカオ産地へ赴き、カカオ豆を探し、選びます。カカオをベルギーの工房でチョコレートに仕上げるまでの全てを行うビーントゥバーブランドです。

店舗は、ベルギー国内に5店舗。日本に店舗はなく、バレンタインシーズンなどに、期間限定発売されます。

ショコラティエ ブノワ・ニアンの経歴

 

ブノワ・ニアン氏は、元エンジニア、という経歴を持っています。

私は、もともと30才までエンジニアをしていました。キャリアを変えることはチャレンジでしたが、自分の手で何かを作るというエネルギーを感じたかったのです。3〜4歳から家族が集まる場所には、常にホームメイドのケーキやクッキーがあり、その思い出が残っていました。私は「何かを自分の手で作る」という夢をあきらめきれずに、ここまできました。 (ブノワ・ニアン氏)市川歩美によるインタビューにて

ブノワ・ニアン氏(左)2020年バレンタインコレクション発表会(ベルギー大使館)にて

単一産地(シングルオリジン)へのこだわり

 

ブノワ・ニアンは、シングルオリジン(単一産地)のカカオ豆にこだわっています。カカオの個性を見極め、選び、最大限に個性を引き出したチョコレートを製造するのが目標です。

カカオ産地は、南米や中南米など。ダイレクトに生産者との関わりをもち、産地をリスペクトしつつチョコレートを製造しています。

チョコレートの世界には大きな7つのグループがあり、そこから仕入れて作るチョコレートが99%を占めます。私は「残りの1%に入りたい」と思いました。チョコレートは多くの場合、(複数産地産カカオの)ブレンドです。色々な種類を混ぜて作られているので、ひとつの品種のものを味わえないという「がっかり感」が、私にはありました。私はひとつひとつの素材、品種の個性を大事にしているのです。
(ブノワ・ニアン氏)市川歩美によるインタビューにて

 

ブノワ・ニアンのボンボンショコラ(2020年の新作)

 

ブノワ・ニアンは、いわゆる板チョコレートの形をした自家製チョコレートだけでなく、ボンボンショコラ(一粒タイプのチョコレート)も作っています。

2020年バレンタイン(日本)向けボンボンショコラ

 

4種のボンボンショコラの内容は以下です。

  • 「ラジェド ド オウロ74%」

比較的明るい色です。カカオ分は74%。産地はブラジルで、テイストは赤い果実の酸味と花の風味があります。コンチングは72時間。カカオ豆からチョコまでの一貫製造。まろやかで口どけがよく、黒糖のような風味。マイルドな酸味と渋みがあります。

  • フレーズ&ポワーブル・デ・セシュアン

ストロベリーゼリーと、華北山椒を使ったガナッシュが2層になっています。甘すぎないストロベリーのボンボンショコラです。

  • マント

フレッシュミントの葉を使用したダークチョコレートガナッシュです。「朝一で市場へいってフレッシュなミントを手に入れ、工場でクリームにいれてアンフュゼします。原材料を一番大事にするチョコレートの作り方といえます。まるでミントの歯をかんだようなエレガントな味になっていると思います」。(ブノワ・ニアン氏)

  • コーヒー豆とスターアニス

コーヒーを抽出するのではなくチョコレートにアラビカの豆をそのまま使用。アニス、ミルクチョコレートの香りの調和です。(コーヒー豆を0.56%使用)

ブノワ・ニアンさんの私物

 

2020年に、バレンタインに向けて開催された発表会で、ブノワ・ニアンさんは、思い入れのある私物を公開しました。

愛用のパナマ帽

 

たとえばこれはパナマ帽です。ブノワさんによると「エクアドルの人たちが必ず被っているので、現地では息子と一緒にかぶる」という、愛用品。

ほかにも、2004年にお母さまから譲り受けた「ショコラティエール」(ホットチョコレートを作るポット)をはじめ、チョコレートに関わる思い出の品々が展示されました。

ブノワさんの経歴や活動を記したパネル展示などからも、カカオ産地への思いや、子どもの頃からチョコレートが好きであったことが、わかりました。

 

ブノワ・ニアンのことば

カカオ産地の現地では、プランニングができず、いくたびに、スケジュールが予想から、まったくかけはなれた形になってしまうんです。(微笑みながら)

カカオも収穫される時期ごとに異なる、瞬間的なものです。コレクションもいくらつくっても、違うものがうまれる。アドリブの世界を生きているという面白さがあります。(ブノワ・ニアン氏)

 

カカオは農作物。すべて人間の思うようにはなりません。カカオ産地から向き合うチョコレート作りは困難を伴うものですが、それをまるごとポジティブに、愛おしむように捉えていることが伝わってきました。

 

これから日本の美しい素材を使いながら、あらたに五感で楽しめるチョコレートを作っていきたいです。今後もカカオ豆にこだわったチョコレートを作っていきます。(ブノワ・ニアン氏)

日本で出会える、ブノワ・ニアンの、新たなチョコレートが楽しみです。

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チョコレートジャーナリスト  市川歩美

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