チョコレートジャーナリストの仕事とは1(市川歩美)
こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
バレンタインが終わり、チョコレートの仕事をしている私が、日々考えていることを、ちょこっとずつ「チョコレートジャーナリストの仕事」として、書きたいと思います。
チョコを伝えることでサイクルを作る
まず。私はチョコレートを作りませんし、売りません。チョコレートの世界を広く見据えて「伝える」のが、私の仕事です。
ベースに、長年メディア(放送局)に身を置いて身につけた情報を扱うスキルと、25年以上高級チョコレートとマスマーケットのチョコレートを食べ続け、5歳からチョコレートがおかしいくらい好き、というチョコ愛好家歴がベースがあります。
子供の頃からチョコレートを食べてしあわせになっているので、恩返し、とまで大げさに思っていませんが、チョコレートと関わっていたい感じ。
毎度メディアで話すとおり、チョコレートは私にとって「友達」のような存在なので、私のスキルが、チョコの世界で役にたつならうれしいな、という気持ちがあります。
みんなが楽しければ私も超楽しい
やはり、私は元来メディアの人間なので、私の情報をきっかけに多くの方がチョコレートを楽しんでくだされば、私も心からうれしい、という気持ちがあります。
日頃からお世話になっている、チョコ関係者の方が喜んでくだされば何より。笑顔の循環、関わる誰もがしあわせなサイクルは、常に私の理想です。
チョコファンの方もそうです。大勢のフォロワーさんや、読者さんと、最近はインスタライブやクラブハウスで毎日のようにやりとりしますが、毎回爆笑してしまうほど楽しいです!(私は元来、チョコと同じくらいお笑い&笑える本とかが好き)。
うれしいことに、今は、私の仕事を理解し、私も含めた全員がしあわせになる形を考え、お声をかけてくださる方も増えました。口には出しませんが、流石、なんてそっと尊敬と感謝している方が大勢います。そんなお仕事は、やりがいがあります。
知識と味を切り離して考える
いまは、ちょっと違うかもしれませんが、古くからのチョコレート愛好家仲間は、例外なく上級グルメです。美味の経験と感度が突出して高い方ばかり、美味と美を知る方、ということですね。そういう意味では、私はすごい人を知り過ぎ、語るのも恥ずかしいんですが、やはり「美味」軸はややしっかりめに持っているため、「知識や物語」と「味」とは完全に分けて考えるのが、私のデフォルトです。
つまり、いくら大声で論理的な説明をされても、すごいストーリーを語られても、味と完全に切り離して考えることができる、ということです。
味に関わる、これはニュアンスですが「こなれ感」みたいなものもキャッチしている気がします。食において、時に感覚は理論以上に重要ではないでしょうか。決して自分に自信があるわけではありませんが、私がそういう捉え方をしていることが、伝わればうれしいです。
全体から部分を伝えるために売らない
あとは、私は全体から部分を伝えています。
私はチョコレートを販売する人も好きで、尊敬していますが、自分が販売しようと思わないのは、どうしても全体を見て部分を語れなくなると思うからです。そもそもむずかしいことが完全に困難になる、という確信に近いものがあります。
愛好家だけではできない
チョコレートジャーナリストをしていると
「どうしたら市川さんみたいになれますか」「私もなりたいです」
というお声をいただくことが多いです。心からうれしく、みんなにもできたらいいな、という感じです!
ただし多分、みなさんの想像以上にこの仕事は特殊です。チョコが好きなチョコ愛好家だけでは正直ぜんぜんつとまらず、あらゆる別のスキルが必要です。
かといってスキルだけでもできません。「売り上げのための集客(ビジネスの利益のための情報発信)」「アクセスアップ目的(PVを稼ぐための情報発信)」「自己アピール的な情報発信(自分を大きくみせるためのあらゆる施策がしてある発信)」が、実はほとんどではないかと感じるほどですが、これらは私がやっていることと、根本的に異なります。
この記事ではここまでにしますね。さらに踏み込んだ内容は、いつか勉強の場を別途設けたいです。いつになるか、ちょっとわかりませんが、詳細が決まったらチョコレートジャーナルでお知らせいたしますね。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美