こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
ヨックモックグループが、全国の医療従事者に無償でクッキーを届けました。代表商品の「シガール」などで、公式サイトを通じて、全国からメールによる希望を募り、200の病院、クリニックに向けて発送されました。
ヨックモックが医療従事者にクッキーを無償提供
ヨックモック公式サイトによると
「これまで一部の医療従事者の皆様へ感謝の気持ちを込めて、ささやかながらクッキーを贈る活動を行って参りましたが、より多くの医療従事者の皆様に感謝の気持ちをお伝えする方法はないかと考え、この度クッキーの無償提供を行います」
ヨックモック公式サイトでの報告はこちら
※受付は終了しています。
クッキーが到着したクリニックからは、次々と感謝の声が上がっています。
ある医療従事者の方が、SNSでこんな報告をされていましたので、一部抜粋します。
勤め先の病院に株式会社ヨックモック様より医療従事者頑張れシガールが届きました。
「菓子は人間の生活に欠くことの出来ないものである」戦時中も材料確保に奔走しながら守り作られてきた日本が誇る老舗の洋菓子ブランド。心を満たす暖かい時間を共有できる、甘くて郷愁を誘う味は創業時から守られてきたものだとか。ブランド名にもなった遠く離れたスウェーデンのヨックモックに想いを馳せながら明日への活力を満たします。
実は上記のコメントを書かれたのは、私が大変お世話になっている、医療に従事する方です。
もちろん、ヨックモックさんの活動が素晴らしいのですが、実は私自身がうれしかったこともあります。それは、「(ヨックモックさんの理念や歴史は)市川さんが東洋経済オンラインに書いた記事を読んで知ったことです」と同時に、投稿内で報告してくださったからです。
その私の記事はこちらです。
「ヨックモック」日本人が意外と知らない源泉(text 市川歩美)
私が仕事をするうえで、私の記事が、どなたかの心に届き、記憶に残っていたと知ることは、一番嬉しいことです。
「菓子は人間の生活に欠くことのできないものである」
ヨックモック創業者の、藤縄則一さんは、こういっています。
「菓子は人間の生活に欠くことのできないものである。」
私はこの言葉を初めて聞いて以来、幾度か、思い出しては考えています。お菓子とはなんでしょう。チョコレートとはなんでしょうか。
人間が生命を維持する「たべもの」としてだけ考えれば、お菓子はなくとも生きていくことはできます。しかし、お菓子は、私たち人間の心を豊かにし、気分をよくし、健康にしてくれるものなのだと私は実感しています。
楽しい気持ち、精神的な安らぎは、一生を生き抜く厳しさに直面したときに私たちを救ってくれる、という意味でなくてはならないものではないでしょうか。
私たちには感覚があります。習慣や行動の積み重ね、生きてきた記憶があります。おいしいお菓子は、私たちを笑顔にし、甘やかしてくれるもの。同時に、かつて受け取った愛やおもいやりの思い出を運んでくれるもの。
人間に、生きる喜びを思い出させ、たとえ一時的にでも、人生を乗り切る力をくれるものです。
南青山のヨックモック本店「ブルーブリックラウンジ」(現在は休業)の前を、昨日も歩いて通りました。心地よいテラスで、いつかまた、ゆっくりお茶できる日を楽しみに!
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美