サンフランシスコ コロナ禍で出入国はどうだったか(2020年3月4日)

2020年3月3日、新型コロナウィルスの感染拡大をうけて、アメリカ政府が「入国制限を検討する」とした国に、日本が入りました。
そんな状況下、さきほどサンフランシスコに到着した、チョコレートジャーナリストの市川歩美です。
現在午後16時前。何事もなくサンフランシスコに到着した私は、ホテルの部屋でこの記事を書いています。
図らずもコロナ渦中の海外取材となり、色々な心配がありました。状況は変わるし、わからないことだらけ。
きっと私のように、今日・明日の出発で、心配しながらサンフランシスコへ出かけようとしている方もいらっしゃるだろうと思い、参考になればと思うのと、記録のためにリアルタイムで書いておきます。
それにしても出国前は、刻一刻と状況が変わりました。政府の発表はもちろん、航空会社の対応まで。3月2日からは、ANAとJALが、国際線全路線でも2020年3月19日(木)搭乗分まで、キャンセル料、便の変更無料を行うという特別対応が始まりました。
私の周囲からも「あゆみさん、サンフランシスコ取材、大丈夫?空港で足止めくらうんじゃないの」とか「出国したはいいけど、入国できないかもよ」「帰れないかもよ」
などと心配していただきましたし、今も私を心配していてくださるかもしれません。
なので、その報告も兼ねた報告です。結論からいうと私はとても元気で、なんの問題もありませんでした。
3月4日羽田出国からサンフランシスコのホテルに到着するまで
3月4日、羽田を出てからサンフランシスコのホテルに到着するまでの状況を書いておきます。
<羽田空港>
3月4日、夕方〜夜の羽田空港は、今までに体験したことのないくらいがらんとしていて、人がいませんでした。
免税店のスタッフも時間を持て余しているように見え、空港内でお仕事する方々は、全員がマスクを着用。ある高級ブランドの免税ブティックに入るとがらん、としていて私の貸切状態。お客さまはだれもいません。
「こういう状況ですからゆっくり商品をご紹介できますよ。商品がたくさん揃っています」と、スタッフさんが前向きに(マスクの奥はきっと笑顔)接客してくれました。
確かに、高級ブランドのスカーフやアクセサリーをショッピングしたい場合、ふだんより多くの種類から選べそう。とにかく羽田空港は全員マスク。人がいません。
<JALに搭乗時>
この対応が徹底されていた印象です。
搭乗前、搭乗者全員に対して「14日以内に中国・イランへの渡航歴があったかどうか」の確認がありました。それ以外は特に問題なく搭乗。
<機内>
機内に入ると、あら、というくらい空いているうえに平和です。アメリカ人の方はマスクをしていない方がほとんど。機内に人が少ないせいか、空気がふだんよりクリーンだったような感覚があるほど。
<サンフランシスコ国際空港>
「私が機内にいる間に日本の入国制限が決まったら」などと、心配していましたが、そんなこともなく、イミグレーションはスムーズでした。通常どおりです。
アメリカに入国するときに受ける質問いくつか&指紋チェックも、普段と同じ。今だから厳重とか特別だった点は、何一つありません。
羽田と違って、空港スタッフは誰もマスクをしていませんし、警戒どころか軽快な雰囲気。サンフランシスコに降り立った途端に、息苦しさが抜け、軽快な気分になりました、というのが正直な実感です。
<サンフランシスコのダウンタウン>
先ほどホテルに着いたばかりで、限られた時間ではありますが、サンフランシスコは別世界のよう。まず、誰もマスクをしていないのです。
これは文化の違いですが、さっきもテレビをつけたら「マスクはウイルスにかかった人はする必要があるが、かかってない人に必要ない(ウイルスの予防としてつけなくていい)」と、専門家らしき方がお話していました。
それにしても、日本でここのところずっと感じてきた残念感、閉塞感がない。どこか消極的になってしまう感がありません。
サンフランシスコ市長のロンドン・ブリード氏は、緊急事態宣言を出しましたが「サンフランシスコ住民の感染が確認されていない」としていました。(※後の情報では感染の可能性のある数名が確認されています)
日本との文化の違い、感染状況が違うので意識の違いはあるにせよ、まるで別世界で、この平和な空気がすでになつかしいです。
当たり前のことは、なくなるとわかるものですね。いつも。
すこし前までみんなが何の不安もなく、毎日を楽しんでいたあの平和や安心が、ここにはいまもあります。
今後も引き続き、情報をみなさんにも追っていただき、細心の注意をはらっていただく前提で、今、私が現地でリアルに感じていることと体験をまとめました。
しばらくサンフランシスコにいますので、チョコレートに関連することは、追ってチョコレートジャーナルでレポートすることにします。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美