こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
フェリシモが発行する、チョコレート販売のカタログ「幸福のチョコレート」。
このカタログのチョコレートバイヤーのみりさんこと木野内美里さんと、チョコレートジャーナリストの市川歩美が、お茶しながらお話しました。ふたりの時間を、ほんの少し、シェアします。
幸福のチョコレートの読み方は?
トークの前に基礎知識の確認。まず、「幸福のチョコレート」というカタログ。読み方に自信のない方、いませんか?
この際、整理しておきましょう。訓読みです。幸福の(しあわせの)チョコレート、が正解です。
幸福のチョコレートはいつから続いているの?
そして。このカタログ、「幸福のチョコレート」はいつからあるのでしょう。
答は1996年。23年前から続いています。長いです。
始まりは、フェリシモのカタログの、バレンタイン特集の見開きにチョコレートを入れたこと。チョコレートは、キャラクターばかりの可愛いものだったそうです。
年々アイテムを増やし、単一のチラシになりました。チラシ時代は長かったそうで、私の記憶にぼんやりですがあるかも。その後に冊子となりました。今は、冊子になって10年目だそうです。
さらに時代が変わって、いまは冊子よりも、ネット上からの販売がメインに。今年は108ブランド以上、166点以上が掲載されています。
下まつげの長いひと
チョコレート担当のみりさんは、社内で23年間このカタログに関わっています。聞けば、もともとチョコ好きではなかった、ということでびっくり。
チョコ好きというよりも仕事が好き。お客さまの反応が好き。いろんなものが好きなひとがいていいし、喜んでもらえるとうれしいです。お客さまに、これ「どないです」「どないです?」というような、私はベタなバイヤーです。
セミナーは漫談のようにしゃべってて、ポリシーとして味の説明はしないようにときめてます。味の話をせずに売るバイヤーになりたい。たとえば「あのお店に下まつ毛の長い人がいてね〜」なんて話をしながら。
by みりさん
チョコレートの奥行きを作るのは、味、だけではないですものね。チョコレートを食べたくなる理由は、いくつだってあるから。(Ayumi)
おまんじゅうのようなチョコレート
私も、思っていました。
「幸福のチョコレート」に登場するチョコレート店は、あじわい深く、小さなお店が多い。日本でいえば、地元の人しか知らない、お菓子屋さんのような。キラキラと都会的、というよりもですね。
実際のところ、みりさんが話をつけてくるのは、そんなブランドばかりだそうです。
何年かまえから、完全に「泥くさいチョコレート」にしているんです。しゅっとしてへんのです。キラキラしたチョコレートの売り場も好きだけど、それは私の仕事じゃないなとおもって。地元で手一杯です、みたいなお店へいって。おまんじゅう売ってるみたいなね、泥くさいおまんじゅうが見つかったときにときめくんです。
by みりさん
おまんじゅうのようなチョコレート。わかりますよ、それそれ。「しゅっとしてへんのです」というのがいい。そういうお話やチョコを求めてる人もいるから。ティスティングや分析や、最新の、とかだけでなく、ですよね。(Ayumi)
私はチョコレートのジャーナリストとして、愛好家として、あらゆるチョコに関わっています。だからわかる、みりさんらしい、このテイスト。
私は思っていました。
みりさんは、独特の、日本茶とみかんを囲んでいるかのような雰囲気をかもしだします。実際おしゃべりしたのは、クールな、おしゃれなカフェだったのに笑 私は東京の人なのに、関西のことばが大好き。思いのある関西の言葉は、私に心地よくひびきます。
私たちの話は、ぽんぽんはずみ、必ずまた次回お会いしましょうね、と言いあいました。またどこかでお話をシェアできたらと思います。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美