こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。京都市内に、高級チョコレートブランドが次々とオープン。特に、京都の町屋を利用した店が増えています。
東洋経済オンラインでこのことについて「京都に「世界中の高級チョコ店」が溶け込む必然」と題して、書きました。記事の紹介と補足をします。
京都に世界の高級チョコブランドが集まる理由(東洋経済オンライン)
まず、記事をリンクします。記事は以下です。
京都の多くのチョコレートブランドを取材して書きました。ご協力いただいたブランドのみなさん。そして京都の市役所の皆さん。ありがとうございました。
興味深い内容だと思います。ぜひご一読下さい。
京都はパリのよう、と気づいた
「京都は、パリみたい」
あるとき、気づきました。それがこの記事を書いたきっかけです。
私は東京を拠点にしているので、頻繁に京都へ行くことはないのですが、最近はちょっと多かったです。それであちこち、街を歩き回っていました。
私は元気と時間さえあれば、できれば歩きたいタイプで(自転車も好きです)、あるとき、取材したり自由に歩きまわったりしてるうちに、パリを歩いてるときの感覚に似てるかも、とふと感じたんです。ふと、という感じで。
ジャン=ポール・エヴァン京都本店を、最初におとずれたときもそうです。一緒にいた方に「ジャン=ポール・エヴァンの国内ブティックのなかで、京都がいちばん、パリのよう」と話したのを、覚えています。
その後も、京都を歩くたびその感覚がぴたりときて、思い当たったのは、この街はパリをはじめとするヨーロッパの街のように歴史的な建物や、景観が守られているからでは、と気付きました。
古のたたずまい。京町家がつくる、この風情。
今回の記事は、知識より実感から入っています。パリが京都に似ている、と気づくのは、私が京都よりパリへ行くことが多いからなのですよね。パリから入るのは、一般的には逆かな、と気づいたりして。
京都の高級チョコレート店 京町家をリノベーション
記事でふれていますが、京都には町家をリノベーションした、チョコレートブランドのショップが多数存在しています。ダンデライオン・チョコレートの店舗も、とてもかっこいいです。
京都のチョコレート店は京都を未来へつなぐ
メリーが運営する、セゾン ド セツコも素晴らしい空間です。
町屋の今後
「町家」ときいて、どんなイメージでしょうか。
京都市の定義によると「京町家」は、昭和25年以前に建てられた伝統的な木造の日本家屋。つらなる「町家」は京都の街並み、そのものです。
しかし問題もあります。京都の街の景色を作ってきた「町家」がビルやマンションに変わっていく。京都のために「京町家」を守り、再生しようという動きは、今に始まったことではありません。
京都の未来を思う京都の人々が、1990年代から町家を守り、再生するための活動を続けています。
「京都にチョコレート店が集まっている」「京都に高級チョコレート店が次々オープン」
チョコレートの世界のうれしいニュースですが、同時に京都のチョコレート店が、京都を未来へと受け継いでいる点に心が動きます。
町屋継承には多くの問題があるでしょう。
しかし、町屋が取り壊されることなく意匠を保ち、現代のセンスと融合し、美しく受け継がれている姿はやはりうれしいものです。チョコレート店とともに、京都の町屋にも近年、目を向けています。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美