こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。今回はフィリピンの伝統的な朝食「プトマヤとシクワテ(Puto Maya and Sikwate)」についてまとめておきます。
フィリピンのプトマヤとシクワテとは
フィリピンのビサヤ地方、とくにセブなどで親しまれる伝統的な朝食が「プトマヤとシクワテ」の組み合わせ。もち米とカカオというシンプルな組み合わせで、長く愛されてきた定番の朝食です。
プトマヤ Puto Maya
まず、プトマヤとは何かというと、もち米にココナッツミルクやショウガを加えて調理したもの。もちもちした食感で、ほんのり甘くて、ココナッツミルク風味、ショウガの香りが重なっています。「プト」というのは基本的にもち米でつくったお餅のようなものの呼び名です。
シクワテ Sikwate

シクワテは、フィリピンのホットチョコレートです。
ここで整理しておきたいのが、「タブレア(Tablea)」との違いです。タブレアはフィリピンではおなじみの、カカオ豆をすりつぶして円盤型に固めた、いわばカカオ100%の固形チョコレート。一方シクワテは、そのタブレアをお湯で溶かして作ったドリンクのことです。つまり、タブレアは固形の素材で、シクワテは飲み物です。
シクワテはタブレアから作られますから、カカオの風味をしっかり感じられます。ミルクを使わないことが多いそうで、カカオ100%ということになります。素朴で、野性味のある味わいです。
プトマヤとシクワテのセット

プトマヤとシクワテ。2つセットで味わい、プトマヤをシクワテに浸して食べるのが現地のスタイルのようです。さらにマンゴーが添えられることもあると伺いました。現地の美味しいフルーツの甘みと酸味が加わると、より美味しそうですね。
もち米のやさしい甘みとココナッツ風味、さらに地元の力強いカカオが重なり合うこの組み合わせ。カカオ産地だからこその朝ごはん、という感じがします。
「プトマヤとシクワテ」は、カカオが育つ国フィリピンの歴史が育んだ、やさしい朝食です。カカオが根づく土地で、人々がそれを日常の中でどう味わってきたのか――。そんなことを思わせてくれる存在です。
text & photo ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト 市川歩美
