こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
大晦日ですね。読者のみなさんは、いかがおすごしですか?私は朝仕事をしてから、午後はランチとお買い物をしに、東京ミッドタウンへ。ジャン=ポール・エヴァンへ立ち寄ったら、ガレット・デ・ロワがディスプレイされていて、ああ、新年だなあ、と実感しました。
稲穂は商品にふくまれていませんが、なんだか稲穂とマッチしていて、華やかでお正月っぽい。
ジャン=ポール・エヴァンのテーマ「LES ANNÉES POP(ポップアートの時代)」を元に作られ、エクアドル産カカオ、クレームブリュレを使った、チョコレート専門店らしいガレット・デ・ロワです。
今日は少し、ガレット・デ・ロワのお話をしようと思います。
ガレット・デ・ロワは、フランスで「エピファニー」に食べられるお菓子
「galette des rois(仏)ガレット・デ・ロワ(仏〉」は、フランスで、1月6日のエピファニー(公現祭)を祝って振舞われる、伝統的なパイ菓子です。
アーモンドクリームが入っているものが多く、チョコレート店には、チョコレート味のものなども。日本でも近年ポピュラーになりました。お菓子屋さんへ行くと、大抵年末から予約を受け付けていたり、年始にショーケースに並んでいます。
とても美味しくて、私も大好きなお菓子のひとつです。
ピエール・エルメ・パリのガレット・デ・ロワ2021(好きすぎました)
大好きといえばこちら。カットした状態も、ご覧ください。
上の写真は、2021年のピエール・エルメ・パリのガレット・デ・ロワ「GALETTE JARDIN DE L’ATLAS (ガレット ジャルダン ド ラトラス)」を切り分けたものです。
個人的に大好きすぎて「おかわり!」と言いたい美味しさでした。
レモンの甘酸っぱさ、爽やかな香りが広がり、オレンジフラワーとハチミツの香りが追いかけてきます。マカロンの「ジャルダン ド ラトラス」をガレット・デ・ロワで再構築した、ピエール・エルメならではのクリエイティブな逸品です。
1月19日まで販売されているようです。詳細こちら
「フェーブ」(小さな陶器)が入っていたら、あなたは王さま!
上の写真のように、伝統的には、家族で和やかに切り分けて味わうものですが、実は近年このお菓子は、他にないゲーム&エンターテインメント性を持っています。
丸い1ホールのどこかにひとつ、小さな「フェーブ」という主に陶器で作られた小さなピース(お人形とか動物などのモチーフ)が入っているので、カットされたピースの中に、フェーブが隠れていた人は、大当たり。
「わー、入ってました〜」の誰かの声とともに、「すごーい」、と拍手が沸き起こり、当たった人は、プレゼントをもらえたり、付属されている王冠を頭にのせてもらって盛り上げてもらって、記念撮影が始まったり。
家族や親しい人で集まり、ガレット・デ・ロワを囲み、商品などを用意しておくと、なかなかの盛り上がりぶりです。
フェーブのコレクターもいる
フェーブのデザインが、ブランドそれぞれで可愛いのでコレクションする人も多いそうです。
私はどういうわけか運がよく、かなりフェーブを当てる人として一部で有名ですが、ものをコレクションする気質がないので、フェーブはたいてい欲しい、という方に差し上げてしまうのです。なので写真がなくてすみません。
フェーブは地域性や伝統が現れたデザインが多いので、機会があれば写真をとってみようと思います。
ということで、チョコレートジャーナル読者のチョコレートラバーのみなさん。今年一年、ありがとうございました。ガレット・デ・ロワのお話をもって、今年最後の記事とします!
2021年も、よい年にいたしましょう!
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美