こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。この記事ではジャンドゥーヤとジャンドゥイオットなどの言い方の違いについて、説明します。
ジャンドゥーヤとジャンドゥイオット?
イタリア・トリノの名物チョコレートの名前「ジャンドゥーヤ」が、ときどき「ジャンドゥイオット」とか「ジャンドゥイオッティ」と呼ばれているのをみて、なぜ?どう違うの?と疑問に思ったことはありませんか?
この際はっきりさせて来年を迎えましょう。この記事では、違いを解説します。
そもそもジャンドゥーヤを知らない人は以下の記事をどうぞ。
ジャンドゥーヤは、イタリアピエモンテ州トリノ生まれの名物チョコ。ヘーゼルナッツペーストをチョコレートの練りこんだもので、世界的に人気があります。
ジャンドゥーヤ、ジャンドゥオッティ、ジャンドゥイオット?
結論を急ぐ、忙しいあなたのために、この記事ではまず、違いについて、まとめておきます。
- Gianduja(ジャンドゥーヤ) 基本の言い方で、一般名詞の単数形
- Gianduiotti(ジャンドゥイオッティ)ジャンドゥーヤの複数形
- Gianduiotto(ジャンドゥイオット)かわいくて小さいものへの親しみをこめたイメージ呼称で単数形
ということになります。
そうです。複数形と単数系の違いだったのです。さらには、小さくてかわいいね〜というニュアンスをこめるかどうか。
つまるところ、ジャンドゥーヤでもジャンドゥイオットでも同じもののことです。ひとつではなく、たくさんあってそれらをまとめて指し示したいとき(袋入りなど)はGianduiotti(ジャンドゥイオッティ)となります。
まとめ:
ジャンドゥーヤ=単数系、ジャンドゥイオッティ=複数形、ジャンドゥイオット=かわいいイメージ
違いのニュアンスを具体的に
このことについて、もう少しニュアンスを知りたいと思い、先日、イタリア生活が長いお知り合いの方に聞いてみました。以下、Kさんとしましょう。イタリアのことなら、おまかせ、のKさんです。
ジャンドゥーヤはどんなニュアンスですか?
Kさん:そうですね。「ジャンドゥーヤ」はペースト状であろうと、どんな形であろうと、ヘーゼルナッツペーストとチョコレートをまぜてあれば「ジャンドゥーヤ」。だから、瓶入りのペーストも、製菓用材料も「ジャンドゥーヤ」ですよ。
ジャンドゥイオットはどうでしょう?
Kさん:「一口大」の、あのおなじみの小さな舟形になっていると、かわいいね〜というような、親しみをこめて「ジャンドゥイオット」と呼びますね。
オット、とするとかわいい感じがこめられてるんですね。
Kさん:そうなんですよ。イタリア人は、かわいくて小さいものを表するときに、縮小辞 「オット(otto)」をつけて呼びます。ただ、ットは、男性名詞のみです。女性名詞は、ッタ をつけますね。
たとえばピッコロ(小さいもの)に「ット」をつけて、通りを歩く可愛い雄のわんちゃんに「チャオ、ピッコロット」なんて声をかける人もいますよ。
なるほど!
おにぎりになぞらえる
Kさんの話をきいて、私は、
ジャンドゥーヤ=おにぎり1個
ジャンドゥイオット=おにぎりちゃん1個(かわいいなという気持ちをこめて)
ジャンドゥイオッティ=おにぎりがたくさん(複数形なので)
と考えてみることにしました。
おにぎり1個=ふつうの気持ちで
おにぎりちゃん1個=おにぎりにかわいいね、という親しみをこめて
おにぎりがたくさん=一個ではなくたくさんある
のような感じでしょうか。この話を聞いてくれたKさんが「そうかもそうかも」といって笑ってくれたので、間違いではないと思います。
「ジャンドゥーヤ」はイタリア生まれですが、日本人の大好きな味のようで、味わえばみなさんがファンになってしまう魅力あるチョコレートです。
ショップチャンネルでカファレルのチョコレートの解説をしたり、メディアでヴェンキのジャンドゥイオットのお話をすることもあります。
今後もジャンドゥーヤについて、色々とお伝えしたいと思っています。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美
追記
関係者さんから「勉強になりました」「クリアになりました」というご感想や感謝のメッセージを数件いただきました。そういうことがいちばんうれしい私です!ジャーナリストとしてこれからも、多くの方がすっきりしたり、豊かになるような情報をお届けしていく所存です。