こんにちは。チョコレートジャーナリストの市川歩美です。今、ニューヨーク取材中です。ニューヨークからの独り言みたいになりそうですが、おつきあいくださいね。
ニューヨークにて
今ニューヨーク。ここはどうしてこんなに落ち着くのかな、と思ったら、そうでした。私が住む東京のエリアに景色や環境が似ているのです。
私がいつも過ごしているのは東京港区。上の写真の、夕方が夜に変わるときのニューヨーク。ちょっと六本木っぽくないですか？だから落ち着くんですね。いつも私が仕事部屋の窓から見ている風景のようなのです。
グッゲンハイム美術館へ
今日は、世界遺産登録された「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」へいきました。私の好きな美術館で、建築はフランク・ロイド・ライトによるもの。
取材で街を訪れるときは、予備知識を入れすぎないようにして歩き回ることが多いです。今回は一段と歩き回り、しかも最低限の予備知識のみ。早歩きだし、あちこちへいくし、すごい動き回りぶりかも。
ニューヨークでチョコレートに元気をもらった
チョコレートに関して。
こちらも今回はうれしい出会いがありました。
メディアで後日書くつもりなので、ここでは書きませんが、よいチョコレート店に会いました。
全くノーマークだったマンハッタンの小さなチョコレート店です。もうひとつ、知ってはいたけど期待していなかったチョコレート店もありました。ごめんなさい。実際は素晴らしかった。
そのことが私を元気にしてくれました。ここのところのもやもやがぱーっと晴れた感じです。
チョコレートに伝えたいものがこもっているか
魅力的なチョコレートに出会い、お店を見つけることは、私の仕事のモチベーションになります。原動力なのです。つまり、チョコレートの仕事をしていくうえでの、希望は、私が人に伝えたい、と感じるようなもの。
トークイベントなどで語ったこともある話ですが、私はチョコレートをアートのような形で捉えているところがあります。
作り手のセンス、表現したいことが、チョコレートという形になっているなと、私が感じる。向き合うものにそれが伝わる。感動がある。そういうことです。
ところが昨今、これは私個人的な思いですが、そういったものになかなか出会えず、利益を出したい、自分を打ち出す野心や、成果を上げたいという意味でのビジネス目線ではすごいな、上手いな、と思えても、それ以外の強い感性を私はチョコレートからなかなか感じられずにいました。
私を揺らしてくれる、感動をくれるチョコレートはどこにあるのだろうと。
伝えてくるチョコレート
私はわりと感覚的なので、人と向き合えば、モノと向き合えば、感じ取ることがさまざま。
「誰かに勝ちたい」「賞をとりたい」「期限内に目新しいものを依頼に応じて作る必要がある」
これらは比較的強めに伝わってくるのでよくわかりますし、ビジネスで成功するためには、大切なモチベーションでもあるでしょう。
一方で「表現したいものを私は表現している」というピュアな感覚。「私はこれがいいと感じているから作っている」というまっすぐな感覚。そういうものへの感動は、私がチョコレートに出会う喜びであり、モチベーションになります。これはチョコを仕事にする前から、そして仕事となった今もおなじこと。
「勝ち負けに必死」と「感覚や記憶や思いをこう形に表して伝えたい」という感覚は、全く違うのです。
押し付けてこず、静かなのに「すごいねこれは」と私が震えるものがある。そういうものに出会いたいです。私はそういうものをいつも待っています。
私に感動なくして、書くことも話すことも、つまり伝えることはできません。そのモチベーションがなければ、私は基本、動けないのですよ。（こういう話に「そうだね」とすぐに頷いてくれる人は、私ととても気の合う人です）
仕事上、私はあらゆる事実を知る立場になりました。だからこそ強くなりましたし、たいして驚くこともなくなりましたが、誰が何をいおうと、私が実際に見て聞いて、感じたことに忠実でいると決めています。
ニューヨークは、エキサイティングですが、私はリラックスしています。ニューヨークで暮らす人々も、おのおのリラックスしているように見えて、心地いいなあ。そこが東京みたい。
今は私は、パリ以上にニューヨークに興味があります。ニューヨークに次も足を運びたい（こっそり）。ニューヨーク市はアメリカ最大の都市で、人口は約800万人。パリの４倍くらいですね。
ニューヨークの空気は、やっぱりパリ以上に東京に似ている気がします。まだまだ全然知らないニューヨークですが、興味は尽きません。
いろいろ書きましたが、読んでくださってありがとうございます。トワイライトタイムのニューヨークから、でした。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美
