こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリストの市川歩美です。
2021年12月26日付の日本経済新聞に、「国産ビーントゥバー 地元の希望に」という記事が掲載されました。取材・執筆は私、市川歩美です。
この記事では、国内のビーントゥバーチョコレート専門店が地域にもたらす豊かさに焦点を当てました。

国産ビーントゥバーが地域の希望に
チョコレートには、人々を豊かにする力があります。
世界には、カカオ産地と公平な取引を行い、海外のカカオ生産国を支援するブランドが数多く存在します。一方で日本には、チョコレートを通じて身近な地域や人々を豊かにしているビーントゥバーチョコレートブランドがあります。
この記事では、鹿児島県鹿屋市を訪れ、kiitosを取材。また、オキナワカカオの川合さんにもお目にかかり、お話を伺いました。
*今回も、たくさんの「読みました」のメッセージ、ありがとうございます!

鹿児島県鹿屋市 kiitos(キートス)
kiitosは、2018年7月に鹿児島県鹿屋市にオープンしたビーントゥバーチョコレート専門店です。
ブランドのアイコンは、鹿児島らしい桜島の形をした可愛らしいビーントゥバーチョコレート。愛らしいパッケージデザインと、本格的なチョコレートの味わいが魅力で、日本全国のチョコレートファンに人気があります。
お店があるのは、海のすぐそば。廃校となった小学校を再利用した施設「ユクサおおすみ海の学校」の元給食室にあります。静かで美しく、洗練された雰囲気が漂う空間。ここで、約20名の障がいをもつメンバーたちが、それぞれの得意分野を活かして、おいしいチョコレートを作っています。
ブランドが大切にしているのは、「おいしいチョコレートを食べてもらいたい」というピュアな願い。その想いが、本格的なチョコレートへとつながっています。詳しくは、日経の記事をご覧ください。
ここでは、私がkiitosで特別に撮影させていただいた写真をいくつかご紹介します。

kiitosの工房を見学・取材し、私が長く見つめていたのは、カカオハスクの目視ピッキングの工程でした。
カカオハスク(外皮)は、一般的には風を使って何度か吹き飛ばし、取り除かれます。しかし、kiitosではさらにその後、光が差し込む窓際でライトを当てて、ピンセットを使って丁寧に取り除いていました。
集中し、1ミリ単位のハスクをピンセットで取り除く――。この細やかな作業が、チョコレートの美味しさにつながらないはずがありません。

チョコレートを包む作業も、丁寧です。

ギャラリーのような店内です。メンバーさんによる、かわいいイラストが飾ってあります。
私が、このブランドに注目した理由は、まずは、チョコレートのおいしさ。そしてプライスもデザインも、全てから感じられるやさしさとフレンドリーさです。そして、鹿屋市に新たに明るい灯りをともす存在であることです。
沖縄県国頭村 オキナワカカオ
記事に書いた、もうひとつのブランドがあります。それはオキナワカカオ。沖縄県国頭村に2018年にオープンした、 工房兼チョコレートショップです。
千葉県出身の川合径さんは、現地でカカオ栽培にチャレンジしながら、ビーントゥバーチョコレートを作っています。

上の写真は、秋に、川合さんが松屋銀座に出店していたときのもの。ショーケースの上には、河合さんが沖縄から運んできたカカオや月桃の葉が、ディスプレイされています。
記事にも写真がありますが、商品は沖縄の日常素材を使った板チョコレートをはじめ、沖縄産フルーツをドライにして、チョコディップしたチョコレートなど。オリジナリティがあります。

沖縄に移り住み、地元をビーントゥバーチョコレート、カカオを通じて盛り上げようとする、川合さん。沖縄でのカカオ栽培へのチャレンジ、来年もがんばってください!
楽しい取材オフショット
そして、鹿屋でkiitosのみなさんとの、楽しいオフショット。
kiitosの大山さんやメンバーのみなさんと、校庭でこんなことやってました!私は「扇の形」をつくるのに貢献してませんね。転びそうなだけの人!笑いがいっぱい、自然いっぱい。チョコレートもおいしくなりますよこれは、という感じがします。

左下の写真は、桜島を眺めてながらちょこっと足湯でカメラマンさんもまじえて休憩タイム。そして右下は、川合さんにお話を伺った日の様子。私は、川合さんの畑のカカオの葉を持っています。
取材ではみなさんに大変お世話になりました。ぜひ、2021年12月26日の日本経済新聞、手にとって読んでください。こんなに素敵な日本のチョコレートシーンがあるのだということを、感じていただけるとうれしいです。
text & photo
チョコレートジャーナリスト 市川歩美
キートスのみなさん、ありがとう
を、ご紹介させてくださいね。宝物にしたいほど、うれしかったです、
私の仕事を見ていてくださり「市川歩美さんが」と名前をあげてご紹介、うれしいご感想をくださること。どれだけ私の励みになることでしょう。
当たり前のように思えそうですが、日本経済新聞(NIKKEI The STYLE)の記事の背景には、取材・執筆者の私、カメラマンさん、編集者さん、デザイナーさんをはじめ、新聞社の多くの方々による、真剣な作業が重ねられています。なかなか想像がつかないことかもしれませんが、私の想い、作業、時間にまで気づき、心を寄せてくださったこと。心から感謝します。
kiitosのメンバーのみなさんの、おもてなしや、他者への気づかいを、私もずっと感じていました。ランカの代表 大山真司さん、そして大山愛子さん、メンバーのみなさん。ご協力ありがとうございました。私は自分を振り返り、多くのことを学んで東京へ帰りました。
