BY AYUMI ICHIKAWA

世界チョコレート成績表2022 ビヨンド・グッドが優良賞に 日本企業は?

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【The Chocolate Journal チョコレートニュース】

こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

4月8日に、NGOのビー・スレイバリー・フリー、マイティ・アース、熱帯林行動ネットワークなど29団体が参加するネットワーク団体「ザ・チョコレート・コレクティブ」が、世界の約8割を占めるチョコレート関連企業38社を対象にした「世界チョコレート成績表2022を発表しました。日本企業6社が含まれています。

「世界チョコレート成績表」とは

 

「世界チョコレート成績表」とは、人権NGOビー・スレイバリー・フリー(オーストリア・オランダ)、マイティ・アース、熱帯林行動ネットワークなどの29団体が参加するネットワーク団体「ザ・チョコレート・コレクティブ」が、2018年から発表しているものです。

企業へのアンケート調査に基づき、世界の大手カカオ取引会社やチョコレートメーカー、小売会社による環境社会問題への取り組み状況を評価。プロジェクトには、チョコレート産業の改革に取り組む大学、コンサルタント、市民社会団体も参加しています

評価対象は、チョコレートの取引業者、加工業者、製造業者を含む世界最大のチョコレート企業で、今年は38社が対象となりました。

評価されるポイントは6つで、

・トレーサビリティと透明性があるか
・生産者の整形を維持するための所得に配慮しているか
・児童労働のないカカオ豆の調達に力を入れているか
・森林破壊と気候に配慮しているか
・アグロフォレストリーを行なっているか
・農薬管理を行なっているか

これらについて、企業へ送ったアンケートの解答をもとに、5段階で評価されます。

2022年 優良賞は「ビヨンド・グッド」

 

今年、最も総合評価が高く「優良賞」を受賞したのが「ビヨンド・グッド」です。
全てのカテゴリーの評価が「業界をリードしている」と評価されました。

ビヨンド・グッドは、マダガスカル産カカオのシングルオリジンチョコレートを、マダガスカルで製造しています。

カカオ農家から直接カカオを購入し、チョコレート工場では、地元のマダガスカル人を雇用。「ビヨンド・グッド」が取り扱うカカオは、100%追跡可能で、トレサビリティ(透明性)が確保されています。今は、マダガスカルだけでなく、ウガンダへと、その活動を展開しています。

「ザ・チョコレート・コレクティブ」の発表によると、受賞理由は「人と地球が尊重され配慮される統合的なビジネスモデル」です。

世界チョコレート成績表2022公式発表より

 

欧米に比べ日本企業の対応は不十分

 

残念ながら、日本企業への評価は欧米に比べて、低い結果です。

もっとも評価が高かったのは「不二精油(Blommer)」で、5段階評価の3(方針設定と実施にもっと取り組む必要がある)を獲得しました。

世界チョコレート成績表2022公式発表より

 

続いて、総合評価が5段階の1(業界に追いつく必要がある)という結果が、「伊藤忠商事」「明治」「森永」「グリコ」「大東カカオ」です。

総合評価は1であるものの、「伊藤忠商事」は3カテゴリーで評価3を獲得、「明治」は2カテゴリーで評価2。森永、グリコ、大東カカオ、日本ケロッグは、残念ながらすべてのカテゴリーで評価1となっています。

 

世界チョコレート成績表2022公式発表より

 

この結果について、サム・マワトワ氏(Sam Mawutor)(マイティ・アース /シニア・アドバイザー)
は「日本企業はカカオ、チョコレートの持続可能性の実践に、遅れをとっていて、日本企業はサプライチェーンへの関与が弱いようにみえる。中間業社からカカオ豆を買う傾向が多く、その先に関心を持っているようではない。サプライヤーに責任転嫁することは、許されないのです」と話しました。

「不二製油は、直接・直接的なカカオのトレサビリティが良好。児童労働と、森林破壊を終えるために生かしている。伊藤忠商事は、昨年の発表の後、新しいカカオ調達方針を作成しました。しかし目標のいくつかは残念ながらまだ弱いです」(マワトワ氏)

 

カカオ豆がどこからきているのか、謎であるべきではない

 

マワトワ氏は「メーカーにとって、カカオ豆がどこからきているのかが、謎であるべきではない」と語りました。カカオ生産地で児童労働が行われていないか、危険な農薬が使われていないか、森林破壊に加担することはないかーー。

2021年に優良賞だった「アルテル・エコ」「トニーズ・チョコロンリー」「ウィッタカーズ」は、引き続き総合的に最高評価を得ています。

「ネスレ」は、農家への追加支払いとともに、2022年末までに280万本のシェードツリーを植える約束をし、農家の収入向上につながる画期的な取り組みを行いました。フェレロは、調達するカカオがほとんど認証カカオである、ハーシー、ユニリーバ、リッター、ファツェルなどの企業の仲間入りをしました。

日本企業ももちろん、熱心に独自の取り組みをしていることは、間違いありません。昨年と比べ、少しずつカテゴリー別評価が上がっている企業もあります。

38社を選ぶ基準はどこにあるか、具体的な評価基準は、といった詳細が、私(市川)にはまだわかっていませんので、今回は発表があった、という情報にとどめます。

カカオ生産地の環境改善、生活向上のために、企業のみなさんが、評価をもとにさらに前向きに活動してくださることを願い、応援しています。

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チョコレートジャーナリスト  市川歩美

児童労働フリーゾーンとは?ガーナのカカオ産地で2022年始動予定(ハフポスト)

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