【The Chocolate Journal チョコレートニュース】
「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」が9月30日に「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」を発表しました。
*児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション詳細
https://www.jica.go.jp/press/2022/glkrjk0000007uly-att/action.pdf
カカオ産地の児童労働撤廃のための、具体的なアクションがまとめられています。
開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォームとは
「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」は2020年1月に設立された、マルチ・ステークホルダー・パートナーシップです。
日本のカカオ・チョコレートに関連する企業、市民社会組織、政府関係機関等が参加。オンラインミーティングなどを通じて積極的に情報や経験を共有し、企業の壁をこえた協働の可能性を探っています。
目指すのは、カカオ生産地の問題を解決すること。
開発途上国における社会的・経済的・環境的に持続可能なカカオ産業、つまりサステナブルなカカオ産業実現です。
会員数は、チョコレートメーカー、食品メーカー、商社、NGO、コンサルティング企業などの48団体と、94の個人(2022年9月30日時点)で、事務局は独立行政法人国際協力機構(JICA)です。
「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」
9月30日に発表された「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」は、特に児童労働解決に焦点を当てた具体的なアクションを、セクター別にまとめたもの。企業や、セクション(立場)ごとに、何ができるのか。内容がまとめられました。
商社・加工業者はどんなアクションをするか。メーカー(大手)、メーカー(中小)、小売業、NGO、ナレッジ、認証機関、そして政府・政府機関はどうか。
それぞれが担うアクションが具体的にまとめられ、そのアクションをさらに、どう実施できるかといった具体的な事例が記されています。
児童労働は、カカオ産業における深刻な課題のひとつ
日本政府が発行する「SDGsアクションプラン2022」には、「児童労働の撤廃」という目標があります。「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」では、今年2月4日に、新たに「児童労働分科会」がスタート。
チョコレートの原料となるカカオ豆。日本はカカオ豆のほとんどを、ガーナ共和国から輸入しています。その量はカカオ豆全輸入量の7割以上にのぼり、もはや日本のチョコレート製造は、ガーナのカカオ生産者なしには成り立たないともいえます。
しかしガーナ共和国では、子どもの5人に1人が労働している可能性がある、というデータが存在するのです。
欧米各国とも連携をとりながら、日本国内でも企業が壁を超えて連携、児童労働をなくすための取り組みが進められています。
*関連記事
(HUFFPOST)text 市川歩美
チョコの背後にある児童労働に「待った!」日本のNGOがガーナ政府を動かした。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美
画像引用:開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム