【The Chocolate Journal チョコレートニュース&レポート】
text Hiroko Ono
前回の記事 の続きです。
ベルギー発のチョコレートブランド、ピエール マルコリーニ 銀座本店と名古屋店のカフェで、9月1日から新作の「パフェ〜マロン&プラリネ」が登場。
このパフェについて、パフェ評論家の斧屋さんとチョコレートジャーナリストの市川歩美さんのイベントで味わった、私(Ono)がレポートします。
「パフェ マロン&プラリネ」の構成を上から順に説明
前回の記事で、パフェを考案したピエール マルコリーニ銀座本店の石垣シェフから、パフェの構成を直々に解説していただいた、と書きました。
ここでは、石垣シェフの解説をもとに内容を書きます。
パフェの「表層」を彩るのは、チョコレートオーナメントとシナモンメレンゲ、クロッカン アーモンドプラリネです。使われているアーモンドは「一般的なアーモンドよりも2、3倍の値段がする」(石垣さん)という、アーモンドの中でも、高級なマルコナアーモンド。
続いてマロンクリーム、マロンシャンティイ、マロンアイスクリームと栗要素が3段、重なります。全てヨーロッパ産の栗を使用。
シャンティイはしつこい味わいにならないように、乳脂肪分35%の生クリームを使い、砂糖不使用で仕上げられています。低温殺菌で乳味が強い北海道根釧地区の生クリームを選んでいるそうです。
アイスクリームは砕いたマロングラッセ入り。ここに芳醇なラム酒「トロワ リヴィエール」が効いています。「トロワ リヴィエール」はピエール マルコリーニ氏が好きなお酒だそうです。
蒸し栗も入っている
アイスクリームの下に、蒸し栗が入っています。率直に味わえる、このほくほくさが食感のアクセントになります。
クリーム2種類、アイスクリーム、蒸し栗など、色々な顔の栗を楽しむことができ、栗を主役にしたパフェは数あれど、こういう形に栗を入れ込んだパフェはなかなかないかもしれない……と私(Ono)は感じました。
スペキュロス風味のソースがスパイシーで大好評だった!
イベントで、参加者から最も多く上がったコメントはスペキュロス風味のスパイスソースへの驚きでした。
スペキュロスはベルギーの郷土菓子で、シナモンやカルダモンなどのスパイスを効かせたクッキーです。
石垣シェフは、そのスペキュロスをイメージし、オリジナルの配合でスパイスを組み合わせたソースを作り、チョコレートアイスクリームの下、パフェグラスの底に忍ばせました。
パフェの食べ始めには全く感じないのですが、アイスクリームを通過した辺りで、グラスの底よりスパイシーな香りが鼻腔をくすぐり始めます。
香りに誘われるようにパフェスプーンを底まで伸ばし、ソースをすくい上げて口に運ぶと、刺激的な香味が広がります。
栗とチョコレートの組み合わせは、ややもすれば重たくなりすぎてしまうところ、このスパイスソースがスッキリさを運んできます。
余韻という意味でも、スパイスソースの効果は素晴らしく、パフェを食べ終えた後もしばらくはスペキュロス風味がほわんっと広がっているほどでした。
パフェでもわかるチョコレートの確固たる味わい
新作「パフェ〜マロン&プラリネ」は、チョコレート専門店として、チョコレートの美味しさを味わえるパフェでもあります。
イベント参加者からも、チョコレートオーナメントやチョコレートアイスクリームの確かな美味しさを伝えるコメントが多くあがりました。
ピエール マルコリーニはカカオ豆の選定からチョコレートの製造までの過程を自社で行なっています。カカオ豆のローストやコンチングは、マルコリーニ氏が自ら行うこともあるそう。
また「マルコリーニ氏はショコラティエであるとともにパティシエやグラシエでもあり、その技術で多様な商品を生み出している」と歩美さん。
パフェはチョコレートにアイスクリーム、加えてソースや焼き菓子といった様々なパーツを同時に味わえるメニューですから、マルコリーニ氏の多彩さを感じ取るにはうってつけの一品かもしれません。
素朴な栗の味わいと、チョコレート&スパイスのパンチの効いた味わい。優しさと刺激を併せ持つ新パフェに、私(Ono)は虜になりました……。
<INFO>
商品名:Parfait marron & praline パフェ〜マロン&プラリネ
価格:1,980円(税込)
発売日:2022年9月1日(木)
取り扱い店舗:ピエール マルコリーニ 銀座本店/ピエール マルコリーニ 名古屋店
【The Chocolate Journal チョコレートニュース&レポート】
text:Hiroko Ono
編集:市川歩美