光文社「女性自身」の記事に、市川歩美がチョコレートジャーナリストとしてコメントしています。話題は代替チョコレートのムーブメントについて、です。
「代替チョコ」話題の火付け役は?
今、メディアで「代替チョコレート」という言葉を頻繁に目にしますよね。昨今のカカオ価格の高騰、いわゆる「カカオショック」をきっかけに、カカオを使わずに驚きの美味しさを表現する新しいジャンルが注目を集めています。
ありがたいことに、メディアの方々からは「代替チョコレートを話題にした火付け役」として私の名前を挙げていただくことが増えました。まだこんな話がどこにもない頃から、私が全国ネットのテレビ番組で「代替チョコ」としてとりあげ、反響が大きかったのがきっかけです。
現場で長く発信を続けている一人として、やはり私が注目したことが、多くのメディアを通してムーブメントになるのはうれしいこと。と同時に、この分野の専門家として身の引き締まる思いでもあります。
代替チョコは「ジェネリック」ではない
現在販売されている「女性自身」の記事。私のコメントは、しっかり書いていただいているのでお読みいただきたいのですが、一点、注意したいことを書いておきます。
私自身が大切にしている「言葉のもつニュアンス」について。問題は「ジェネリックチョコ」という表現です。私自身はこの表現に大きな違和感があり、そして今は使用しないよう慎重でありたいと考えています。
なぜなら「ジェネリック」という言葉には、どうしても「代替品」や「本物より安価なもの」といったイメージが付きまとうからです。
私が取材で出会ってきた「代替チョコレート」は、チョコレートと比較して劣るものではなく、カカオよりも安い代替品ではありません。カカオ以外の素材が持つ特徴や風味を引き出した全く新しい食品です。企業や技術者たちが試行錯誤の末に生み出した「食のクリエイション」です。
代替チョコレートは英語でオルターナティブチョコレート
世界に目を向けてみると、こうした新しいジャンル、代替チョコレートは英語で「オルターナティブ・チョコレート(Alternative Chocolate)」と呼ばれています。決して、ジェネリックではありません。
Alternative という言葉には「既存のものに代わる、新しい選択肢」や「次世代のスタンダード」といった、とても前向きでクリエイティブなニュアンスが含まれています。
決して「カカオが足りないから別のカカオに劣るもので安く補う」などというイメージはなく、食文化の多様性を広げるための「オルターナティブ(もう一つの選択)」を感じさせるものです。
日本のオルターナティブチョコレートは、この呼び名にふさわしいものです。ごぼう、ひまわりの種やオーツ麦といった素材が持つポテンシャルを研究し、新しい美味しさを追求した姿勢こそが、代替チョコレートを作り出したと私は思っています。
text ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト 市川歩美

