こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
今日はチョコレートジャーナリストの日々、と題して書きます。
私は、かれこれ20年ほどまえから、チョコの情報をネット上でずっと伝え続けています。ちょっと変わった稀有な人、という気もしますが、だからこそうれしいことがありました。今日はそんなお話です。
先日、インスタグラムのメッセージ欄を通して、16年前に、私のチョコレートブログ上でやりとりをしていた方から「おぼえていますか」と、メッセージが届きました。
2003年から書いていたチョコレートのブログ
私は今、チョコレートジャーナリストとして、チョコレートに関わる情報を、多数のメディアで伝える仕事をしています。
バックグラウンドは、プロフィールに書いていますが、メディア出身であることと、溢れるチョコへの愛と情報を持て余し、2003年に何気なくはじめたチョコレート情報ブログでした。
このサイト「The Chocolate Journal」の前身でもあります。2003年、ですからもう20年近く前になります。その当時から、私は日本のチョコレートファンのみなさんとやりとりしているんですね。思えば、長い年月。
2003年を、ふりかえってみてください。みなさんは、どこで、どんな生活をしていましたか?もしや、まだ生まれていなかったとか?
私に似た人と会えた
私は、正確にいうと、1990年代から本格的なチョコレート愛好家でした。ブログを書き始めてからは、放送局の仕事を本業にしながら、個人的にヨーロッパのチョコレートの世界に興味を向けていたのです。
ブログには、私に似た人が集まりました。あの頃だけの空気があったので、あの時代をご一緒した方は、幼なじみのよう。
当時、私の放送局の仕事まわりにはチョコに対して同じ感覚の人はおらず(というか職場どころかどこにもほぼいない時代だった)、夜家に帰ってブログを開くと会えるのが、チョコレートを愛するみなさん。良いものを知り、グルメでセンスがよい方が集まりました。
スマホもSNSもなかったので、あの頃PCでウェブサイトを見る習慣があり、私のブログをみつけてくれた方は、私とライフスタイルも好みも波長もあう方だったはず。
コメント欄で、全国のたくさんのチョコレート好きなみなさんと楽しいやりとりをしたものでした。
2006年のるみさんのコメント
思い返せば、多くのプロの方も、私のブログを見つけてメッセージをくださいました。当時、踏み込んだチョコレートの情報や感想を書いていたのは、私のブログだけだったからだと思います。
全国のアンテナが鋭いチョコレートファンの方がコメントをくれましたが、そんな中、2006年に初めてコメントをくださったのが、るみさんです。
るみさんですよねー、そうでしたそうでした。
私に親近感を持ってくださり、何度かコメントをくれたるみさん。
このるみさんが、なんと先日、16年ぶりにメッセージをくださったんです。インスタグラムのDMから「お久しぶりです。あゆみさん。覚えていますか?」と。当時のコメント欄をスキャンして添付して。
懐かしいなーるみさん、もちろん覚えてますとも!
るみさんは、ラスベガスにいて今もチョコ好き
2006年ごろの話です。
インスタもフェイスブックもツイッターも、PCを使っている人もあまりおらず、ウェブ媒体もほとんどありませんでした。ブログすら新しかったので、実際私は、おもしろいブログを書いている人、という理由で、雑誌社やテレビ局からオファーを何度もいただいたほどです。
グーグルマップなんてなくて、フランスのパリを歩くにも、どこを歩くにも、紙の地図。世界は今のようにつながっておらず、コメント欄に全国から届く、私によく似た感覚のひと、チョコレートを好きなひとからのメッセージは、いつも私の想像力をかきたて、心をときめかせてくれました。
そんなひとのひとりがるみさんなわけですが
一度も、お会いしたことはないんです。でもきっとおしゃれで、素敵な方なのだろうと、昔から想像していました。他の方々もそうなんですけれどもね。私のブログへコンタクトしてくださる方は、例外なく礼儀正しく、やさしく、素敵なチョコレートをご存知でした。
メッセージによると、るみさんは今、アメリカ・ラスベガスにお住まいだそうです。先日の気温は、43度とのこと。東京以上の猛暑ですね。
16年ぶりに私をみつけ、当時は影も形もなかった「インスタグラム」からご連絡をくださったるみさん。会えずにいた同級生に、16年ぶりに会ったようでした。
今もお元気で、そしてチョコ好きでよかったです。(ラスベガスに行くときは、ご連絡しますね!)
スマホもインスタもなかった頃は、独特のあかりが灯っていた
ブログをはじめた2003年には思いもよりませんでしたが、私の趣味は仕事になりました。そして、16年後の未来に、こんなうれしい贈り物を貰いました。
スマホもSNSもなかった当時は、独特の遠くにいるひととのセンスや心のつながりがあって、それは今はもうありそうでないもので、ネット上でバイブスのようなものがキラリとコネクトし、あたたかな明かりがゆっくり灯るような、そんな感覚の記憶。今のように急いでいませんでした。ゆっくり、しずかに微笑むような感覚を今も思い出せます。
私と人をつないでくれたのは、やっぱりチョコレートへの気持ち。
そのブログ「Chocolat Lover’s NET」はこちら
なんか書いててピュアすぎかという気もしますが、でもどう考えても、私を動かしているのは、純粋なチョコ愛みたいです。そうでないと、こうはならんなとあらゆる局面をふりかえり、思うのです。チョコは私の子どもの頃からの友だちですからね、友情ともいえるかも、もう長いですしこういうつきあいなんです。きっとこれからもこんなことをやっていくんだろうと思います。
これまでに出会った多くのみなさん。きっと私はみんなのことを覚えていますので、よろしければ、どの時代の、どの新しいツールからでもお声をかけてくださいね。今も、これからも元気でいらっしゃることを願っています。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美