【The Chocolate Journal チョコレートレポート】
Text Chie Araki
寒さが一気に強くなり、冬季限定チョコレートが続々発売されている今日この頃。先月10月4日、チロルチョコ「きなこもち」がリニューアルされ全国で再発売されています。
「えっ、再発売?」と思われた方もいるかもしれません。
実はチロルチョコ「きなこもち」は、2021年の3月末に一旦生産終了となっており、チロル「きなこもち」ファンである私はショックのあまり絶句したほどです。
10月にチロルチョコ「きなこもち」がリニューアル!
そんな中、10月に商品がこの度リニューアル!
元々の特徴であった、きなこの素朴な風味、「和を感じる甘み」そして「おもちがチョコの中に包まれているスタイル」はそのままに、よりきなこの香ばしさを感じられるようパワーアップしています。
私がリニューアル後の商品を食べた感想です。
確かにきなこの原料である大豆の風味がより強いことと、より「おもち」の食感が、リアルなお餅に近づいた印象を受けました。以前の「おもち」の食感はグミらしさが出ており、それはそれで、ほどよい弾力が好きでしたが、今回の「おもち」は、よりもっちりとした粘り気があります。
リニューアル前後の栄養成分比較
リニューアル前後の、1個あたりの栄養成分の違いを、公式サイトで比較しました。
2021年3月末に終売したリニューアル前の商品(リンク)は、炭水化物 3.9g / 食塩相当量 0.007gでしたが、2021年10月発売したリニューアル後の商品(リンク)は、炭水化物 4.0g / 食塩相当量 0.008gと、量成分とも若干増加しています。
成分表比較によると、リニューアル前(リンク)に比べ、リニューアル後は、セルロースとゲル化剤が減った程度で、パッケージでみる限り、大きな素材の変化はありませんでした。材料の配分、製法技術でより大豆らしさ、食感の再現度を高くしているのでは、と推測します。
バラエティパックの中の一つが定番に
そもそも、チロルチョコ「きなこもち」は、2003年に発売開始されたバラエティパックの中にある味の一つにすぎませんでした。
しかし、当時のセブンイレブンのバイヤーさんがきっかけで単品発売することになり、チロルチョコ歴代商品の中でも空前の大ヒットを飛ばし、人気商品として定番化します。
チロルチョコでは他にも「きなこもち」以外で、「さくらもち」、「チョコミントもち」、「抹茶もち」などを多数の「おもち」シリーズを展開し、一大勢力にもなっていました。
きなこもち復活の予兆はツイッターにあった
そんな中で突然発売休止のニュース。
ただ、予兆はあったのです。
私が注目していたのは、チロルチョコのTwitterを使ったSNSマーケティング戦略。チロルチョコのツイッターアカウントは2011年6月に開設され、現在のフォロワーは、224,000名超(2021年11月現在)。チロルチョコ株式会社の社長もたびたび登場、アットホームな会社の雰囲気の宣伝という「二刀流」が光る投稿で、非常に人気のアカウントです。
このアカウントで、2021年2月5日から #もちくん物語 と題して4コマ漫画を週1回の連載が始まりました。
その連載の中で、もちくんが“スキャンダル”を起こし、それが原因でもちくんはまさかの逃走。それが緊急終売とつながって、チロル新聞号外に掲載。
もちくんの4コマ漫画の連載は8ヶ月継続しました。ファンタジーな展開がありつつ、ついに復活という発表も、漫画連載の延長線として描かれました。こちらも号外です。
復活したパッケージには、もちくん物語のシーンが20種類の絵柄に入っている連動性もありました。漫画を楽しんだ方にもワクワクする仕掛けです。
リニューアルをここまでドラマティックに、またリアルとバーチャルを繋げる巧みな戦略と、チロルチョコ従業員の方のもちくんへの愛情がひしひしと伝わってくる心温まるコンテンツ。驚きです。ますますチロルチョコのファンになりました。
チロルチョコ「きなこもち」は冬季限定商品です。冬季限定チョコは、平均的に10月〜3月までの販売が主ですので、チロルチョコ「きなこもち」を見つけたら今が買いどき!早めの確保がおすすめです。
【The Chocolate Journal チョコレートレポート】
Text Chie Arakai
チロルチョコ「きなこもち」にひとこと(市川歩美)
チロルチョコ「きなこもち」、実は何度も味わっています。なぜなら「きなこ」自体が私は子供のころから好きだからです。「きなこもち」系なら今も全て好き。こういう私のような日本人は多いのではないでしょうか。だからウケるのかな?なんて想像もします。
クラブハウスでルームを開くと、よくフォロワーさんとチロルチョコ話になり、他のフレーバーも買って味わうと、ううむ、この値段なら納得、と。いわゆるボンボンショコラみたいですよね。チロルがお好きな荒木千衣さんと「一緒にチロルチョコを深く探求しないといかんね」なんて話しているところです笑
(市川歩美)