by Ayumi

イースクの2020年新作チョコレート&イースクインタビュー

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市川歩美
ショコラコーディネーター®/チョコレートジャーナリスト®
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2020年も、イースク・ヘイニンク率いるチョコレートブランド「JITSK(イースク)」のチョコレートが日本に入ってきました。
日本で販売されるのは、バレンタインシーズンだけ。
去年に引き続き、取材に出かけたアントワープ(ベルギー)でイースクを訪ねたときのことを、シェアします。


▲イースクの自転車(インテリアのようにショップのエントランスに)

2019年の10月のおわり。
私は、アントワープの「JITSK」をたずねました。
2018年の秋に出かけて「こんなベルギーのショコラティエがいたのか」と感じた理系でクールな
ニュージェネレーション。
ベルギー・アントワープで生まれた29才。ベルギー期待の新世代です。

イースクとは?

JITSK、と書いて、イースク、とよみます。
ブランド名は、ショコラティエでオーナーの、イースク・ヘイニンクの名前に由来。

イースクは、12歳から名門製菓学校PIVAで学び、チョコレートの国内ジュニア大会で優勝。
18歳で起業し、地元の有名レストラン、ホテルにオーダーメイドチョコレートを販売していました。
チョコレート関連企業からの依頼で、世界50カ国でチョコレートのプロ向けに技術指導を行なっていたこともあり、起業6年目の2015年、24歳のときに、自らのショコラトリー「JITSK(イースク)」をオープンしました。

▲アトリエで、イースク・ヘイニンク(2019年10月)

イースクが語る2020新作チョコレート

私が、10月にアントワープのアトリエに立ち寄る約束をしたら、
イースクは、2020年に日本で販売しようとしていた新作を用意しておいてくれました。

その時は、まだ日本での販売が決まっていませんでしたが、
うれしいことに、実際にいま、日本で販売されています。なので
いますぐファンのみなさんの参考になるよう、アントワープでイースクから聞いた話を
Chocolate Journalでシェアします。

イースクの2020新作「コーン」

JITSKの2020年の新作。
まずはこちら。
アトリエを訪れて、ほーーー、と思いました。意外でした。イースク、こんどそうきたんだ、
自社農園で育ったトウモロコシを使った一粒「コーン」について。


イースク:以前からコーンを農園に見に行っていましたが、ある時「このコーンは、ジューシーさがあって甘さがある」とオーガニックファーマー(畑をみてくれているイースクのパートナー)が教えてくれました。
このコーンはとても甘いのですが、ベストな収穫期を逃すと甘さが消えます。8月のはじめの、一番いい時期・2週間くらいの間に収穫した風味がベストです。そのベストな時期に収穫したコーンだけを使っています。収穫のあとは、香りを逃さないために、1日以内にジュースをとる必要がある。これもフレーバーがすぐにかわります。フィリング(チョコレートの中)は、コーンの実の部分をとって、ピューレを作り、ボイル。風味を凝縮させて、シュガーとクリームとホワイトチョコレートを加える。キャラメルとガナッシュをあわせたようなテクスチャーです。これがフィリングになっています。また、外側にミルクチョコレートを使ったのは、ダークだとパワフルすぎるので。

Ayumi:コーンの風味は日本人は大好きです。フィリングになにか少し柑橘をくわえていますか?

イースク:レモンを少し入れています。それがポイントで、レモンを入れることでエレガントになりリフレッシュします。じつはこの「コーン」は、もともとレストランのために作ったチョコレートです。レストラン向けに作った「コーン」は、もう少しレモンをきかせて、ソフィスティケートさせていますが、日本は味覚にあわせて、若干酸味をおさえ、配合を変えています。コーン自体がそれほど多くとれないので、レストランと日本以外には作れない。ショップに並べる通常のコレクション向けには作ることができません。

※去年も人気でしたね、「ファームセレクション」に入っています。

イースクの2020新作「フェンネル」

Ayumi:立派なフェンネル!去年、フェンネルをチョコレートにするといってましたが、完成したんですね。

イースク:今朝、できたばかりのチョコレートです。クリームは入れていませんが、やわらかいガナッシュです。中にはフェンネルを使ったフェンネルのゼリーが入っています。そしてフェンネルのガナッシュも。フェンネルのジェム、フェンネルのジェリーですね。
フレッシュネス(新鮮さ)と、テクスチャーと、作り方の違うものふたつをあわせるその、2層のバランス、そしてどう保存されているかがとても大事。今はとてもよいシーズンで、リーフの香りが良いです。

※高島屋「アムール・デュ・ショコラ」限定ボックスに入っています。

イースクの2020新作「パイナップルジンジャー」


※日本で販売されるときは、上の写真と若干色が変わります。

イースク:フレッシュなパイナップルを買ってきて使っています。パイナップルはかなりたくさん使っていますね。

Ayumi:パイナップルの繊維が入っていてパイナップル感がある。ジンジャーの利かせ方がほのかでエレガント。

イースク:ジュースにはパイナップルの繊維も入れているので。繊維を入れないのもいいと思いますが、繊維を入れたほうがいい、という人もいて今回は繊維が入っています。ティムットペッパーも少し。さらにジンジャーを加えてガナッシュを作ります。

※セレクション6〜16までのセットに入っています。
※イースクは「味が重要」との考えから、チョコレートに色をつけません。が、日本向けには、ビーツで若干色をつけたチョコレートを販売します。

イースクの2020新作「ホップ」

イースクが、使っている「ホップ」そのものを、チョコレートのとなりに並べてくれました。
※デザインは、変更になっています。

イースク:「ホップ」は、ビタネスがとてもいい。アメリカから輸入したホップを使っています。
Ayumi:   このイースクのお店も、もとビール工場だった建物をリノベーションしているし、隣はビール工場ですからホップとは親和性がありますね。

※セレクション16に入っています。

ベストセラー「オレンジスライス」を作るイースク!

JITSKの「オレンジスライス」。
アントワープ本店のベストセラーですが
ツイッターなどをみていると、もう、本当に多くの日本のファンがいますね!

アトリエで、実際にJITSKがオレンジスライスを作っているのを見てきたので
写真をシェアします。

つややかでおいしそう!
アトリエはオレンジの香りでいっぱいです。

JITSKが選ぶ、ベストなフレッシュオレンジを(この日はスペイン産のオレンジ、と話していました)選び
アトリエでスライス。

マシーンを使って均等なサイズにスライスします。

スライスしたオレンジをレイヤーにして、マシンに入れて、ボイル。
ソフトで、みずみずしく仕上げるために、その後で行う、4〜5日に及ぶ工程は・・・
今は公開しないそうなので、ここでは書きませんが、

JITSK:キャンディフルーツはトラディショナルなものです。トラディショナルなテクニックを使ってモダナイズする。常に僕は、どうやってトラディショナルなものをモダンにするかのアイディアを考えています。オレンジスライスは、手作業とマシンを使い、砂糖を少なめに仕上げた、オリジナル。
4月にオレンジスライスのマシンを新しくしたので、たくさん作れるようになったのと、より美味しく仕上がるようになりました。

▲オレンジスライス

イースクと話したいろいろなこと

そのほかにも、いろいろな話をイースクとしたので
そのほんの一部をご紹介。

ー全然関係ないけど、イースクは日本の食べ物で何が好き?
JITSK: お好み焼きとラーメン。

意外!

ーいま、仕事のうえで興味があることは?
JITSK:今はペストリーに興味があり、またお酒やドリンクとのペアリングに興味があります。そういうデザートバーをやれたらと考えています。アントワープの感覚のあうレストランやブルワリーと、全く新しい試みとして、イベントを行ったり、メニューを作るなどしています。


▲JITSKが作ったデザート(ホワイトチョコレートがぱりんとわれると、ギリシャヨーグルト、シドニアのクリーム、バルサミコビネガーにつけたカットしてキューブにした梨、ムースからはオレンジフラワーが香り立つ。赤、白、みどりの粒はヘンプシード・・・絶品すぎて歩美、唸った)

イースク:あとはマシンですね。僕はテクノロジーが好きで、2日、機械の修理に費やすこともあります。マシンは得意だから一人でできますよ?クオリティの高いマシンは、間違いがない。マシンを自分がコントロールして、自分の望むように間違いなく動いてくれれば、よいものができる。味と香りを最高に引き出すために、素材は良いものを、作業は手でしか行わない作業があるけれども。

ー去年のバレンタインシーズン、日本にきてどうでしたか?
イースク:アントワープとは全くちがって、クレイジーな賑わいだね(笑いながら)サインはちょっとおかしなかんじ(これもふっ、と笑いつつ)
でも、感動しました。シェフとして。ハートウォーミングな人たちが僕に「あいたい」といってくれる、それはうれしくて、エネルギーをもらいました。毎年自分のハードルを上げているので、よりよいものを日本に届けます。
あとは、英語ができない人が多いからかもしれないけど、もっと話しかけて。はずかしがらないで。

2020年もイースクは来日するそうで、2月6日から、百貨店催事に来場するそうです。
身長194センチの長身なので、遠くからでもすぐにわかりそう。

ということで、読者のみなさん、ファンのみなさん。
イースクもそういっていますし、気軽にチョコレートの感想など、話しかけてみましょう。
困れば、通訳してくれる人もそばにいるはずだし、Ayumiの記事を読んだけど、なんてちょっとした話でも。
彼はとても論理的な人なので、落ち着いて、きちんと向き合ってくれます。

イースク公式サイト
オンラインショップ (新作予習の参考に)

追記:
イースクのチョコレートは、ボンボンショコラのカッターのようなものでカットして食べないほうがよいです。そのままかじってたべてください。フィリングがとろりとなめらかです。
去年、イースクに外側のチョコレートの厚さはどうしてこの厚さ?と質問したとき
「外側が繊細すぎるとチョコレートの味と歯ごたえがなくて、僕にとってはつまらない」と話していました。
なるほどねと。

2020年イースクの販売場所&サイン会スケジュール

読者さんから何件かご質問がありましたので、
イースク日本公式サイトから、許可を得まして、こちら、貼っておきます。

イースクが会場に来場するスケジュール

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