こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
第一回アマチュアボンボンショコラコンクールが東京都墨田区で12月1日に開催されました。その結果をレポートします。
ボンボンショコラとは、チョコレートファンにはお馴染みのひと口サイズの一粒チョコレートです。
このチョコレートを作る技と表現を競うアマチュアコンクールが、初めて東京で行われました。
私は、会場で取材していたのですが、急遽、飛び入り審査員として、ジャーナリストとして、ファイナリストの皆さんのボンボンショコラを審査させていただくことになりました。
アマチュアボンボンショコラコンクールの概要
アマチュアボンボンショコラコンクールは、ショコラティエの川路さとみさんが中心となり、始まったコンクールです。
参加資格は
- 満20歳以上の男女。
- 1名1作品での参加とし、複数名での参加は不可
- 2019年12月1日(日)開催の大会に参加可能な方
- 直近5年以上の製菓製造業に従事していた方の参加は不可
- 指定された材料を使用する(カカオハンター「トゥマコレチェ53%」・パカリ「クーベルチュール60%」)
「これからのチョコレート職人さんを発掘し応援する」。このこと自体に、私は価値があると思っていますが、もうひとつは「日本人が審査をするコンクール」である点にも注目しています。
フランス人でもなくイギリス人でもなく、私たち、日本人によるチョコレートの評価が審査結果になる、ということです。
特別審査員は、
森永製菓㈱チョコレートソムリエ | 小野 隆さん |
(株)メリーチョコレートカムパニー シェフショコラティエ | 大石 茂之さん |
松屋銀座 バイヤー | 牧野 賢太郎さん |
日本菓子専門学校講師 | 平岡 強さん |
(株)ショコラティエ川路 シェフショコラティエ |
川路 さとみさん |
CACAO HUNTERS JAPAN ㈱ | 小方真弓さん |
ユニークなのは、一般の方も審査に加わることです。
公募で募ったチョコレートファンや、近隣住民の方までもが参加。プロの目線だけではなく、お客さん目線が入っているのが、ポイントで、楽しいところです。
第一回アマチュアボンボンショコラコンクール最優秀賞は山内真紀さん
最優秀賞に輝いたのは、山内真紀さんでした。
レザーウッドの蜂蜜を使った香り高いチョコレートです。ガナッシュとジュレに、蜂蜜を使用。コリアンダーを加えたガナッシュ、ポーレン(花粉)を加えたクランチでサクサク感も。とても香り高いボンボンでした。
私は、ちょうど京都から帰ったばかりだったので、ボンボンショコラを拝見して、観光地で何度も見かけた、お着物姿で京都を闊歩してたきれいな女子たちを思い出し・・・思わず「絢爛」と呟いてしまいました。麗しいヴィジュアルと内容です。
私は、チョコレートを味わったあと、山内さんにお会いしました。
ああきっと、こういう方がお作りになってるんだろうな、と想像してたそのまま、という感じのおきれいな方でした。チョコレートには人が現れていることがままあります。
山内さんに、私の感想を簡単にお話すると、熱心にお聞きくださり、今後についてのお考えも伺いました。お店をされている方ではないので、今後のことはこれから考えていくそう。自分が大切にすることを一番大切にして、がんばってくだあさいね、山内さん。優勝、お見事でした!
オーディエンス賞・優秀賞は小座間七美さん
オーディエンス賞は、一般審査員のみなさんが、一番高い得点をつけたチョコレートです。それが「ごぼうのチョコレート」で、小座間七美さん作。特別審査員の審査による「優秀賞」でもありました。
小座間さんは、メリーチョコレートのシェフショコラティエ、大石さんから表彰状を受け取りました。
ごぼうのチョコレートは「市川歩美チョコレートジャーナリスト賞」も差し上げたい
ごぼうのチョコレート。とても気に入りました。おいしかったです。カカオハンターの53%のミルクチョコレートと、こんなにごぼうがあうのかと。
ごぼうを素揚げに、粉末に、そして煮出して。あらゆる加工をしたごぼうがこのボンボンショコラに入っています。食後も食べている最中も「ごぼう」。ごぼうは長寿を意味し、縁起物でもあるため、楽しいうえにラッキーモチーフです。
小座間さんとは、私の時間の都合で、残念ながらほとんどお話できませんでしたが、今度また味わう会などを開催したいくらいです。
作品、すべてに魅力があった
今回、審査させていただいた8種類のチョコレート。それぞれ魅力がありました。
最後のトークショーでは、ジャーナリストとして少しだけ私も感想をお話。お聞きくださったみなさん、ありがとうございました。
会場ではチョコレート愛好家の方がたくさん集まっていて「市川さん!」「なんとあゆみさんが〜」などと、お声をかけてくださった方が大勢いて、うれしかったです。ありがとうございました!
味わうたび、眺めるたび、ああ、どんな方がどんな思いで作っているの?と興味津々になった、すべてのファイナリストさんのチョコレートたち。
主催の川路さん、そしてみなさん。すばらしいショコラとの出会いをありがとうございました。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美