こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
アラン・デュカスシェフと、市川歩美が対談。RicePressで記事になりました。WEBでどなたでも読めますので、ぜひ読んでみてください。
アラン・デュカスシェフと市川歩美がショコラのお話
先月5月に、アラン・デュカスシェフが来日しました。デュカスシェフといえば、言わずとしれた フランス料理街の巨匠。
今は世界中で30以上のレストランを展開しています。33歳でモナコの「ル・ルイ・キヤーンズ」に料理長として就任し、ミシュランガイドで3つ星を獲得。モナコに引き続きパリ、ロンドンでの3つ星を獲得し、フランス料理界を牽引し続けています。日本でも、ベージュ・アラン・デュカス東京をはじめ、多くのレストランを展開しています。
ーーそんなフランス料理界の巨匠と市川歩美がなぜ対談を?
と一般の方は思うかもしれませんが、ショコラファンの方はすぐにわかりますよね。そうです。アラン・デュカスシェフは、チョコレートブランドを展開しているのです。名前はル・ショコラ・アラン・デュカスです。
パリにカカオ豆からチョコレートを手がける本格的なチョコレート専門店「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris」をオープン。日本には「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」が2018年に上陸しました。
今年で5周年を迎えた「ル・ショコラ・アラン・デュカス」です。 そんな節目の年に来日されたシェフに、チョコレートのジャーナリストとして私が対談させていただくことになったわけです。
アラン・デュカスシェフとの対談はこちら
日本橋にあるル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房で、お話した内容が、わかりやすくまとまっています。ぜひ読んでみてください。
デュカスシェフとだけ話せること
実は5年前にも、シェフにインタビューさせていただきました。その際も私の話をきいて「理解者が見つかったな」と、ふっと笑ってくださったデュカスシェフ。
シェフはスタッフの方にすぐに指示をして、後日、ご自身の著書の「ショコラの言葉」の英語版を私にプレゼントしてくださいました。光栄でした。
5年前は、ビーントゥバー、という言葉が、今以上に新しいムーブメントのように語られていましたね。
カカオ豆からチョコレートを作る、という点において同じかもしれない。けれども、デュカスシェフのチョコレートブランドは、私は、根本的に他のビーントゥバーブランドとは、全く違うもの、完全にちがう、逆の世界と思っていました。
ただ、そういうことは、チョコレートについて少なくとも多くを知り、経験もあり、考える人ではないと理解してもらえません。一般メディアの方々は、そんなところまでカバーすることは滅多にありませんので(多くの人が求めないというのもありますが)、 自動的にそういう事は一般に伝わらなくなります。
「デュカスがカカオ豆からチョコレートを作っているんですね」「高価ですけどかっこいい」
みたいな話に止まり、深い話までできる人が、実は私のまわりに誰もいませんでした。
そんな私が、そういうお話をできたただひとりの人が、デュカスシェフご本人です。5年前にお話して、ああわかってくださるんだと、うるっとくるほど、嬉しかったのを覚えています。
そして5年後。私が私の考えをお伝えし、いかがですかと確認するたびに「そのとおり」「わかってくれてうれしい」とレスポンスしていただけて、 やっぱりじーんとするほど嬉しかったです。
デュカスシェフのショコラへの愛
デュカスシェフは厳しい方です。違うものは違うときっぱり。決して適当なことをおっしゃらず、自信に満ち溢れています。
さらにお話していて感じるのは愛です。シェフは、本当にカカオとショコラに真摯に向き合い、最高のものづくりに取り組んでいらっしゃるのだなと。
こんなことを申し上げると、もう本当に、大変恐縮なのですが、私はシェフとショコラのお話をしていると、なんとなくシェフがお父さんで、私が娘、みたいな気持ちになります。写真撮影のときも、楽しかったんですよ。とてもやさしい笑顔を私に向けてくださって、私も表情がとても自然です。
アラン・デュカスシェフは、美味に妥協することのない、いうまでもなく世界トップクラスのよいものをご存じの、クリエティブディレクターでもあります。いつまでもお元気で、最高のショコラを作っていてくださることを、私は心から願っています。シェフ、大好きです!(パリにもいきます)
RiCE「チョコレートは愛だ」
Riceでは、わかりやすく、対談のポイントをまとめていただき、編集部のみなさんに心から感謝しています。
ということで、Riceといえば、こちら。チョコレート特集号は、チョコレートファンマストな一冊です。
今年の初めに購入したチョコレートファンが大勢いた筈ですが、かなり充実した内容なので、保存版としておすすめです。
私は実は、この号の総合キュレーションをしていまして、もう、企画の最初の最初、から関わっています。市川渾身、、編集部のみなさんとともに、かなり力が入っています。
多くのブランドのみなさんにご協力をいただきました。読み応えがありますよー、私はマルコリーニさんと対談しています。太田シェフと小方さんの対談とか、個人的にとても好きです。
チョコレート界の、新しい空気。クラフトチョコレート、チョコレートドリンク、サステナビリティなどなど、新しいムーブメントがこれまでにないまとまり方をしていますのでみなさん、ぜひ!
Rice press「チョコレートは愛だ」
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この号のことは、また別途記事にしますね。
text チョコレートジャーナリスト 市川歩美