大阪の本町にあるW.ボレロは、私が大阪へ出かけるたびに立ち寄るお店です。先日も、サロン・デュ・ショコラで販売されていた美味しいタブレットや、今美味しいチョコレートケーキはなにかな、と気になり、お店へ足を運びました。
この記事ではショーケースでこの日、私が魅了された「フィー・ノワール」をご紹介します。
W.ボレロとは
W.ボレロ(ドゥブルベボレロ)は、滋賀県守山市に本店があり、大阪本町店にもお店があります。
パティシエ・ショコラティエの渡邊雄二さんがオーナーシェフを務めるお店で、守山の本店は2004年にオープン。渡邉シェフの作るボンボンショコラは、パリのチョコレート愛好家クラブからも高い評価を受けています。
本格的なガトーが揃い、オリジナリティのあるチョコレートも魅力的。私ももちろんそうですが、お菓子の愛好家、チョコレート愛好家から絶大な人気を集めています。
大阪本町のお店には、サロンスペースがあり、ケーキを本格的なお茶とともに味わうことができます。私が出かけたのはお昼ごろでしたが、男性のお客さまも多く、私がお店を出る頃は満席でした。
フィー・ノワールの美しさ
ケーキはショーケースに、15種くらい並んでいます。私は、毎度のことではありますがわあわあどうしよう、とか心の中を相当ざわつかせて、ショーケースの中を見回します。
うわあ、どうしろというの等とまで思ったりして、今回もプチトランス状態に陥りつつ、ケーキを今日食べられる分だけ選ばねばなりません。しかし、あわあわしながらも私は、実は、W.ボレロのケーキを全ておいしいことをよく知っているのです。これまでにいくつも味わって、すべて間違いない。全てがおいしい記憶、です。
少し落ち着きを取り戻し「今日はフィー・ノワールが気になっている」ことに気づき、これを選びました。ショーケースの中でひときわ輝いていました。
つやつやです。お花を添えてあって、きらめいて。
「フィー・ノワール」は、「ティファニーで朝食を」をイメージして作られているそうです。以前テレビ番組でとりあげられたこともあります。麗しいケーキですよね。やっぱり見れば見るほど、どうしてもこの日はこのチョコレートケーキを味わいたくなりました。
フィー・ノワールは、華やかな香りの共演
ケーキの中身は、「トリュフチョコレート」という名のフレーバーティを使ったビターチョコレートムース、ブラックベリー風味のガナッシュやジャムによって構成されています。
トリュフチョコレートのムースには、カカオやヘーゼルナッツの香り、ミュールとカシスのチョコレートのガナッシュ、チョコレート感が強いジョコンドショコラにもフレーバーティーの香りが加わっています。
更にこれはすごいと思ったのが、スタッフの方によると、自家製のウォッカ(自家製ウォッカ!)に、フレーバーティの茶葉をつけこみ、香りづけしてジョコンド生地にしみこませているそうです。
繊細で複雑な香りの競演。渡邉シェフの、妥協なきこだわりを感じるチョコレートケーキでした。
「ティファニーで朝食を」をイメージしたケーキ
オードリー・ヘプバーン主演の、映画「ティファニーで朝食を」をイメージして、チョコレートのリングをあしらい、フレッシュブルーベリーやエディブルフラワーが添えられています。
トップにあしらわれているものたちすべてが、風味のバランスに一役買っています。アンテナをたてて体験していただきたいです。
今回は「フィー・ノワール」のことだけを書きますが、実はこの日、私はもっとたくさんのチョコレートケーキやチョコレートをいただきました。いつものように、お茶も味わいました。
ふりかえるとそのひとつひとつに感じることが多いので、まずは今回、このチョコレートケーキのことだけ書くことにしました。
美しいチョコレートケーキと素晴らしい味に魅了され、素敵な時間になりました。みなさんも大阪へ行ったら、または守山本店へ出かけたら、ぜひ「フィー・ノワール」を味わってみてください。
追記:サロン・デュ・ショコラで出会って、おいしさにときめいた方は私だけではないかも、新作のタブレットのこと、ボンボンショコラのこと。再度味わいましたが、とてもおいしかったです。他に味わったケーキのことなどは、また別途書きます。
text & photo チョコレートジャーナリスト 市川歩美