チョコファン必読「カカオハンターズ プラス」のカカオトリビア

こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
8月3日、グランスタ東京にオープンした「CACAO HUNTETES Plus(カカオハンターズ プラス)」の続きの記事です。今日はカカオ愛好家が萌える、ポイントについて。
▲先日お会いした小方真弓さん(市川歩美撮影)
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店内にあるカカオの実のグラデーション
小方さんいわく。(このお店は)「奥へ行くほど深くなっていきます」とのこと。
まずは、店内右手にあるカカオの木のオブジェです。テーブルの上にあるので、ジェラートなどを召し上がりつつ、カカオの実の色やサイズに注目してください。
実は「店内奥から陽が当たり、カカオの木が育っている」想定で、実の色をつけたそうです。陽がよく当たる部分(店内奥側)は色が濃く、日が当たらない部分は薄く。カカオの実が、下にいくにつれて大きいことに注目です。なるほど、リアル。
カカオケーキ5個入りの緑色のカカオイラストの品種
つづいて、ふたつめ。
お手土産にふさわしい「カカオケイク」、カカオファンは5個入のパッケージに注目しましょう。
5個入の方の箱だけに「クンデアモール」という形状分類のカカオが描かれています。手前からふたつめ、緑色のカカオです。(品種ではなく形状の分類)
……などと書き始めたら、このあたりで俄然目を輝かせた人がイメージできてきたんですけど、そんなあなたは相当なカカオ好きかプロ??笑笑
さて、その緑色のカカオ。先端がつん、と尖り、表面がごつごつ。これらの特徴を持つのが「クンデアモール」です。ちなみに「クンデアモール」のふたつうえ、赤いカカオは「アメロナード」。記事後半の店内の壁のイラストも参照してください。
こちらは、8個入。カカオの葉が描かれています。
小方さんがデザインにも関わっているため、イメージにとどまることなくカカオがリアル。カカオが明るくピチピチしているように感じるのは、そのせいでしょうか。
アルアコ族は裸足
そして3つめ。
店内奥の壁のイラストです。全部解説すると大変なので、ひとつだけ。白い衣装のアルアコ族の男性の絵のお話です。
アップにするとこう。
こちらは南米コロンビア北部で生活する先住民族アルアコ族の方。実はこの絵は、一度描き替えられたんですが、どこかというと、足もとです。
小方さんによると、最初は黒い靴を履いた絵が出来上がったそうですが、アルアコ族のみなさんの多くは裸足で生活していることから、違和感があるから裸足がいいね、と描きなおしたそう。
小方さんはアルアコ族によるカカオを使ってチョコレートを作っています。
アルアコ族についてはこちらを参照
店内入って左奥の壁のカカオの形状品種に注目
最後に、店内、左奥の壁です。
壁一面にカカオの絵が描かれています。この絵が実をいうと深いので、みなさんにわかりやすいように(小方さんから市川が直接聞いた説明をもとに)私が手書きでメモを加えました。我ながらわかりやすいので、シェアしますね。
パンフレットみたいに見えるかもしれませんが、これは、お店の壁、です。
一度お店に行ったことのある方。これをみると、もう一回行きたくなりませんか?笑
真ん中には、カカオと同じテオブロマ属の植物(クプアスやマカンボ)、周囲は、あらゆる形状のカカオです。
4つのカカオの形状分類が壁に
描かれた中から、(遺伝子の分類でなく)カカオの形状分類を4つ。
「クンデアモール」(ピンクの丸)
*上の部分がきゅっとしたボトルネック
*先端がとんがって曲がっている(曲がっていないクンデアモールもあり)
*表面がごつごつしている
「アメロナード」(グリーンの丸)
*メロンのような形をしていることからこの名称
「アンゴレッタ」(ブルーの丸)
*細くて長い形が多い
「カラバシージョ」(オレンジの丸)
*かぼちゃという意味の名前だけにかぼちゃのような形
テーブルそばの壁なので、カカオ好きな方は、この記事を参照しながら、ジェラートをたべたりしてくださいね。
このように「カカオ」と一言でいっても、色も形も無限に、様々。同じ「カカオ」といっても風味の個性が違うことが、これだけでもわかりませんか?
私は、カカオ産地で実感することを、東京で、この壁から思い出しました。
カジュアルにチョコを楽しめるお店ですが、実は小方さんが実際に日々経験してきた、リアルなカカオ体験や知識がキラリと生きています。
チョコを美味しく食べて楽しみたい方も、そしてカカオにより深く親しみたい方にもこたえてくれるお店です。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美