【The Chocolate Journal チョコレートニュース&レポート】by Chie Araki
最近「SDGs」を意識した商品が増えていますが、こちらもその一つ。型ぬきバウムの専⾨店「カタヌキヤ」(運営:株式会社ぶどうの木)は、「パンダバウムのはじっこチョコラスク」を2022年11月17日より発売しました。
「パンダバウムのはじっこチョコラスク」は、型ぬきバウムの製造過程に出る「はじっこ」=端材に、チョコを染み込ませた商品です。
カタヌキヤの型ぬきバウムとは?
型ぬきバウムは、長方形のイラスト入りバウムクーヘンで、イラストのフォルムに沿って切れ目が入っているため、型ぬきを楽しみながら食べられます。
イラストの種類は、パンダや猫が定番ですが、この時期はクリスマス限定販売のサンタ、来年の干支であるうさぎも。
頭から足まで全身描かれ、バウムクーヘンには厚みがあるため、型ぬきをすると、絵の額縁から、ぬいぐるみが出てきたような印象です。片手サイズで、可愛らしさ満点!
この商品が人気になるにつれ、課題が生まれます。
「はじっこ」のロスが増えてきたのです。
「はじっこ」の課題
最初は「バウムのはじっこ」として、端材を袋詰めにした商品を取り扱いました。
しかし生産量に比例して、ロスも増えます。そこで、フードロスの削減をしつつ、同時に「広くお客様に届けるには、新たな魅力・美味しさのお菓子に変える必要がある」と考え、商品開発が始まりました。
企画開発本部、ディレクターの田中雄次郎さんに、「パンダバウムのはじっこチョコラスク」についてお話をお聞きしました。
『開発の経緯として、まずシンプルにラスクにすることも考えましたが、新しさに欠ける。さらに魅力のあるものにするため、しみこみタイプのチョコレート菓子にしようと考え、あえて「もうひと手間」をかけることにしました』
その際、ラスクではなくバウムのはじっこを再加工したチョコレートケーキの構想もあったそうです。美味しかったものの、食べやすく、賞味期限も長いお菓子が良いのではと考え、チョコラスクの開発に変更。ラスクに企画を絞ったのが2022年8月で、発売まで約3カ月というスピード感で生まれました。
しっとり、サクッ、ホロッ
1個の大きさは「はじっこ」なので小ぶりなサイズ。
私(荒木)が食べてみたところ、口あたりは、しっとり、歯触りはサクッ、ホロッとしているのが印象的でした。中までしっかり染み込んだチョコレートが、じわっと溶け出し甘い香りが広がります。
染み込ませたのは、甘さ控えめのビターチョコ。バウム生地には元々しっかりと甘味がついているので、相性を考え、食べ飽きないようにと選んだといいます。
『商品開発のミーティングでは、話を進めながらもスタッフたちのつまみ食いをする手が止まらなかったのを覚えています』(田中さん)
新たな美味しさとともに、フードロスも削減され、まさに「もったいないを、もっとおいしく」が形になった商品です。
パンダのイラストの作者は……
このかわいいパンダのイラスト。作者はなんと、ディレクターの田中さん!
『2018年当時、シンプルなシルエットのまんまるいパンダを描こうと思いました。折しも東京では動物園の赤ちゃんパンダのお披露目を控え、パンダ熱が高まっていた頃。こだわったのは、他のパンダのイラストとは似ていない、オリジナルな絵にすることでした。見る人の心の中でイメージが育つよう、目や口などを描かず無表情なパンダ、座るのもおぼつかない足のように描くことで「手に取ってあげたい!」と思ってもらえるようなパンダにしました。』(田中さん)
他にもパッケージへのこだわりが。
『パンダバウムの好きなお客様に受けいれてもらえるように、デザインの要素もパンダバウムのパッケージと合わせ、統一感が生まれるよう心掛けました』(田中さん)
開発チームの愛情が、一商品の味の美味しさだけでなく、商品の至るところに行き渡っていることを感じます。
スタンドパックタイプは、ファスナー付きになっており、持ち運びもお手軽。缶タイプは、食べ終わった後も小物類を入れて、再利用も可能です。
ターミナル駅や通販でも購入できるので、年末年始の手土産にお一ついかがですか?
<INFO>
パンダバウムのはじっこチョコラスク(ビター)/スタンドパック
内容量:40g
価格:389円(税込)
パンダバウムのはじっこチョコラスク(ビター)/缶
内容量:100g
価格:1,404円(税込)
直営店・オンラインショップ限定
カタヌキヤが出店する全国の催事場にて販売予定
※会場については公式Instagram @katanuki_ya_official をご確認ください。
※直営店でも販売中
・カタヌキヤ 銀座本店
・カタヌキヤ 東京スカイツリータウン・ソラマチ店
・カタヌキヤ エキュートエディション渋谷店
・ぶどうの森公式オンラインショップ
【The Chocolate Journal チョコレートニュース&レポート】text:荒木千衣