こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。今日は私の好きなチョコレートのお店の話です。東京・白金台のプラチナ通りを歩いて、ショコラティエ・エリカへ。チョコレートを買いに行く時間からすでに、私のお気に入りです。
ショコラティエ・エリカとは
ショコラティエ・エリカは、東京港区の白金台にあります。プラチナ通り、という通りに面していて上品に佇んでいます。
ショコラティエ・エリカが生まれたのは、1982年10月で、創業者は神田光三さんです。詳しく知りたい方は私・市川歩美の著書「チョコレートと日本人」(早川書房・ハヤカワ新書)に書きましたので、ぜひお読みくださいね。

1982年といえば、「ショコラティエ」という言葉を、ほとんどの日本人が知らない時代。当時のエリカは、お菓子屋さん以上に洗練され、特別なお店でした。創業者の神田さんは元証券会社のエリートで、チョコレートに魅了されてスイスで本格的にチョコレートを学んだ方です。
エリカ、という素敵な名前は、厳しい環境でも凛と咲く「エリカ」のお花に由来します。「どんな状況でも美しい花を咲かせるように」という願いが込められました。
白を基調におしゃれなミントカラーで、清潔感と上品さがあります。2階にはラッピングや小物を扱う「OGGETTI」があるので、特別な方へのギフトは、ぜひ2階へ。エリカのチョコレートがよりエレガントになります。
ショコラティエ・エリカは、夏にお休みすることでも知られています。
ショコラティエ・エリカのおすすめ
ショコラティエ・エリカのおすすめは?という質問をされると「ぜんぶ」といいたくなるのですが、今回はひとまず3つご紹介します。私が何度も味わっている大好きなチョコレートたちです。
名作「ミント」
ミントの葉を模した美しいチョコレートです。小さなチョコレートがたくさん。色も形もきれいです。ミント風味のチョコレートとビターチョコレートが2層になっていますが、この美しい形と、ミントとチョコレートの風味のバランスを実現させるのは、決して簡単なことではなかったと伺っています。

そしてチョコレートの表面の「E」のロゴが目に入りますか?デザインと、すうっとさわやかな風味が魅力です。食後に1枚、2枚、気分転換にいただくと幸せになれます。去年、J-WAVEの生放送で、LiLiCoさんとエリカのお話したときに「ミント」をお互いにいかに好きか!なんて話になりました。
スペシャリテ「マ・ボンヌ ブロック」
私の著書「チョコレートと日本人」95ページに、「時を超えて愛される名作チョコレート」として、最初にとりあげました。名作です。ミルクチョコレートにクルミとマシュマロをいれています。今お店には3種類があります。サイズ、形別ですが、それぞれ魅力があります。くわしくはこちら
かわいいのに大人っぽい「トリュフ」

少し洋酒を効かせたガナッシュをチョコレートでコーティングしたかわいいトリュフたち。ショーケースに並んでいるとキュートで、ぜんぶ味わいたくなります。お酒はリンゴやオレンジのお酒が使われています。
私はエリカのチョコレートみたいな存在になりたいな、と思っているようなところがあります。(こっそり)
ショコラティエ・エリカ 夏はおやすみ

「品質を最優先する」という理由から、暑さでチョコの品質が保てない可能性のある8月1日〜31日は、毎年休業します。
毎年「7月いっぱいは営業しているから」と思い出して、私は7月によくミントや好きなチョコレートを買いに行きます。夏のプラチナ通りは緑がきれいなんです。夏にミントを冷蔵庫にいれておいて、パリッと味わうのが私は好きです。
LiLiCoさんも大好きなショコラティエ・エリカ
ご存知の方も多いかと思いますが、私は、J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」の生放送で、ナヴィゲーターのLiLiCoさんと(稲葉友さんもご一緒に)たびたびお話をさせていただきます。
あるとき、放送以外のときに「市川さん、ショコラティエ・エリカ、知ってる?」と尋ねていただきました。私は即座に「え、知っているもなにも、憧れです!」と答え、その先はエリカのお話で盛り上がってしまいました。

LiLiCoさんは、ショコラティエ・エリカをよくご存知で、そのチョコレートのファン。実はLiLiCoさんの色々なご協力のおかげがあってこそ、私はしっかりとエリカのことを著書に記すことができました。
日本のチョコ文化を支える名店
時代とともにチョコレートのシーンは大きく変化しました。私の著書「チョコレートと日本人」にも書きましたが、ショコラティエ・エリカは、日本の高級チョコレート文化を語るうえで、欠かせない存在です。そのスタート地点にあるのです。

時代が変わり、SNSやネットマーケティングを駆使するブランドが増えましたね。ただ、私のまわりには、SNSと関係なく、自分の感覚や経験を大切にする多くの人がいます。そんなセンスある人たちが、今でも白金台へ。素敵なお客さまが多いのです。
自分の感覚で「よい」と思ったもの、心から「素敵」と感じるものを大切にする。チョコレートが私の感性を磨いてくれたのは、私がそうしていつづけていたからかな。いま振り返ると思います。
変わらない品格で、地元・白金台のみなさんをはじめ、多くの方に愛されるチョコレートのお店。神田さんが開いた、白金台・プラチナ通りにあるこのお店に、季節ごとに足を運ぶのが楽しみです。
text & photo チョコレートジャーナリスト 市川歩美