こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
ブルターニュの人気チョコレートブランド「オー プティプランス」が、2021年のサロン・デュ・ショコラで日本初上陸します。
私がサロン・デュ・ショコラ公式サイトで連載している記事にも書きましたが、チョコレートジャーナルでも、どんなブランドなのか、補足しながら、注目の商品をご紹介します。
オー プティプランスとは?
オープ ティ プランス、といえばブルターニュ。現在ブティックは、ブルターニュ地方に4店舗あります。そしてシェフは、やはりブルターニュ生まれ。ブルターニュのロリアンで生まれたマエリッグ・ジョルジュランさんです。
マエリッグ・ジョルジュランシェフとは?
覚えておいてくださいね。ジョルジュランさんは、サロショファンにはお馴染みの、アンリ・ルルー氏のもとで長年仕事をした方。ルルーさんを師匠として尊敬されています。そうです。これも思い出してください。アンリ・ルルーといえば、ブルターニュ、ですよね。
2018年のサロン・デュ・ショコラパリに出店されていたので、会場へ行った方は、ご存知かもしれません。2009年に独立し、第1店舗目をエテルにオープン。2012年にルレ・デセール会員となっています。
まずはボンボンショコラのアソートを
私がまず心動かされたのが、ボンボンショコラのボックスです。きれいに整列したその様子。整然と並ぶ美しいボンボンショコラから、シェフの性格や仕事ぶりが伺えました。
18種類の内容は、産地別カカオのガナッシュ(マダガスカル産、ガーナ産、ベネズエラ産)や、ブルターニュらしいソバのプラリネ、塩キャラメルのガナッシュ、アーモンドとコーヒー、ヘーゼルナッツプラリネなど。
チュニジアのスパイス「バラト」を使ったガナッシュもユニークです。バラト、とは、シナモン、バラのつぼみ、ブラックペッパーのミックススパイスです。
リロ サン カド、ってなに?
公式サイトの記事にも書きましたが、こちらのショコラ。「リロ サン カド」ってなに??と、感じている方のために。
2009年にオープンした「オープティプランス」一号店はエテルにあります。お店のそばにはエテル川が流れ、その川に浮かぶ小さな島「サンカド島」を、フランス語では「Île de Saint Cado 」(リロ デ サンカド」(英語にするとThe Saint-Cado Island)というのです。
エテル川にうかぶ、穏やかな小さな島の名前を冠したショコラ。生まれ育った土地、ブルターニュへの愛が感じられるショコラともいえますね。
ショコラは箱の中に、小さなキューブ状になって60個以上きれいに並び、こちらもきれい。気持ちよく食べ進められます。プラリネ、キャラメルに、クレープダンテルを加えて泡だてて、キューブ状にしてカカオパウダーをまぶして。サクッ、ふわっ。チョコレートやキャラメルの風味がやさしく広がります。
レ パヴェ サングスタンも地元名物に
こちらも実は、地元愛。
「オープティプランス」の三番目のブティックは、2014年7月、オーレー(Auray)にあります。オーレー店で販売するやいなや大人気となったのがこのタブレットです。オーレーのサングスタン地区には港があり、その石畳そっくりに作られていて、もちろんタブレット型もオリジナル。「レ パヴェ サングスタン」=「Les Pavés de Saint-Goustan」 とは、サングスタンの石畳、という意味です。
ブロンズチョコレートの「ドゥルセ」でコーティングした、クリーミーな塩バターキャラメルと、ミルクチョコレート、ヘーゼルナッツプラリネ入りの砕いたサブレブルトンが2層。ブルターニュといえばの「塩キャラメル」「サブレブルトン」を使ったスイートな一枚です。
日本初上陸のブランドとして、ある種「スター」的に注目するのも楽しいことですね。でもさらに私は、そのブランドがもっとわかるような、リアルな情報もお伝えできたらと思っています。
どんなところからきたショコラか、ショコラにどんな意味があるのか。そんなことに想いを馳せるヒントにしていただけたら、幸いです。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美
参考記事
サロン・デュ・ショコラ公式サイトの市川歩美の連載記事、ぜひご覧ください。以下をクリック