こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。
本日9月13日、明治ミルクチョコレートが発売100周年を迎えました。日本で生まれた日本のチョコレートラバーとして、私は明治ミルクチョコレートとともに大人になった、と言っても過言ではありません。
チョコ好きが高じてチョコレートのジャーナリストになってからは、日ごろから明治の皆さんに大変お世話になり、その活動を幾度も取材させていただいてきました。この100年という大きな節目にあたり、心からお祝いを申し上げたいと思います。
さらには、この国民的スターチョコレートの100年という節目に私が今、日本でこうして生きていることにも感謝したいと思います。これは運命です。200周年には、もう私はこの世界にいないと思いますからね。
日本の暮らしに届いた明治ミルクチョコレート
ちょっとだけ明治ミルクチョコレートのあゆみを、振り返ってみましょう。
明治ミルクチョコレートが生まれたのは1926年、大正15年のことでした。

この記事を読んでいるほとんどの方はまだ生まれていないでしょうし、もしかしたら、おじいちゃまやおばあちゃまが生まれてすぐの頃だったかもしれませんよね。
ちなみに私の祖父は大正13年生まれでした。祖父が2歳のときに、この明治ミルクチョコレートが生まれたことになります。当時のチョコレートはまだまだ贅沢品で、このチョコレートの発売当時は、まだまだ一般の人が気軽に口にできるものではなかったようです。
しかしこの頃から、日本でチョコレートが大量生産されるようになり、明治ミルクチョコレートは、多くの日本人の手にチョコレートが届くようになるきっかけとなりました。このチョコレートによって、ミルクチョコレートというおいしい食べ物が、日本の暮らしの中に根づいていったのです。
日本では1918年に森永ミルクチョコレートが発売され、そちらが先だったとはいえ、明治ミルクチョコレートとの違いは今も販売が続いていること。100年前のその一歩が、今の日本のチョコレート文化につながっていると思うと、感慨深いものがあります。
明治ミルクチョコレートのすごさ レシピを変えていない
明治ミルクチョコレートは、1926年の発売以来、レシピを基本的には変えていません。主な原料は、カカオ豆とミルクと砂糖というシンプルな組み合わせです。
時代によって人々の好みは変わっていくものですが、日本で100年続く普遍的な味わいを作り上げた。これは、素晴らしいことだと思います。
板チョコの枠を越えて
世代によっては「明治ミルクチョコレートといえば板チョコ」を思い浮かべる方が多いかと思います。私もそういうイメージがありますが、現代はそうでもありません。姿形を変えているのです。

同じチョコレートではありますが。箱入りやビッグパック、個包装、当時のカカオ豆のブレンドを再現した復刻版など、パッケージのスタイルも時代に合わせて広がっています。
さらに今回の100周年では、砂糖を控えた「明治チョコレート ハグミルク」の発売や、カフェとのコラボレーションメニュー、チョコレートを題材にした短編小説のアンソロジー、歴史を伝える展示、生活雑貨やアパレルとのコラボレーションなど、板チョコという枠を越えた広がりを見せています。
守るべき味を守り、時代に合わせて日本人に愛される形で届け続ける。両方があってこそ、100年続いてきたのでしょう。
明治ミルクチョコレートのポイント3つ
ちなみにですが、私は、イトーヨーカドーさんのメディア「はとぼん」で、チョコレートの価格について解説しており、その中で明治ミルクチョコレートについて、ちょっとだけマニアックな解説をしています。
私は子どもの頃からチョコレートが好きで
「クッキーやクラッカーのようなものがメインのチョコ菓子はチョコではない」などというはっきりとした好みと考えを持っていた子どもでしたので、特に板チョコを好んでいました。つまり、まさにほかのものが入っていない「ザ・チョコ」といったものが好きだったのです。ということで、明治ミルクチョコレートをよく食べていました。
「はとぼん」の編集担当の方からは、心ゆくまでお話ししてほしい、といわれたため、あまりこんなことまで検証したり気にしている人はいないため、誰とも話したことがないあれこれを初めて語っています。
ごく簡単に。明治ミルクチョコレートについて、ポイントは3つあります。
明治ミルクチョコレートのポイント1 「3×5=15」
この板チョコレートは区切りが「3×5=15」です。よーくこんど、買ったら銀紙をやぶってご覧ください。

私は板チョコの形状を見たり、口どけをぼんやりと感じたりするのが、妙に昔から好きでした。
明治ミルクチョコレートのポイント2 板チョコの形状が凹んでいる
さらに検証すると、板チョコの形状とは面白いもので、凹んでいるものと、膨らんでいるものがあります。詳しくは記事を読んでみてください。明治ミルクチョコレートは、表面が凹んでいます。上記にリンクした記事にも書きましたが、板チョコとは、単純に平らなだけでなく、さまざまな形状があるのです。ロッテのガーナはちなみに凸ですよ。
明治ミルクチョコレートのポイント3 純チョコレートである
純チョコレートであることも明記しておきましょう。これは最初に書いた「レシピをかえていない」にも通じます。純チョコレートとは、ピュアチョコレート、ともいわれ、植物性油脂を使わず、カカオバターを使っているチョコレートです。

最後に、簡単に包んだパッケージなので、気軽に食べられるチョコレートであるな、と個人的には思っています。
たべかけを持ち歩くというよりも、私は昔から自宅で、また放送局勤務だったころは、会社の自分のデスクの引き出しにいれておき、同じ場所で少しずつときどきかじる、ということが多かったです。今はお菓子作りの材料にされることも多いチョコレートですよね。
拙著にも記した歴史
明治ミルクチョコレートについては、拙著『チョコレートと日本人』(早川書房)にも明記しています。日本のチョコレート企業のベストセラーをまとめてもいますので、関心のある方は、ぜひ読んでください。
執筆時にもしみじみ思っていましたが、チョコレートと日本、をテーマに考えるうえで、また日本にチョコレートが根づく過程を語るうえで、いずれも明治ミルクチョコレートは、欠かすことのできない存在です。
これからの100年へ
100年という時間は、変わらないことと、時代にあわせて変わり続けることの両方を積み重ねてきた時間なのでしょう。著書にも書きましたが、100年前の日本と、今の日本では、生活スタイルも食習慣も、驚くほど変わっているのです。
200周年の日本はどんな景色なのでしょうね。明治ミルクチョコレートが、この先の200年に向けても、静かに、確かに育っていくチョコレートであってほしいと願っています。改めて、発売100周年、おめでとうございます。
text & photo ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト 市川歩美
https://www.chocolatlovers.net/


