ヴィーガンチョコレートとは? (フジテレビでも解説)

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こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。

この記事ではヴィーガンチョコレートとは、どんなものかについて解説します。ヴィーガンのチョコレートとは、動物性の素材を使わないチョコレートのことを指します。

この記事の内容は、2022年2月10日放送のフジテレビ「バイキングMORE」で、私(市川歩美)が、ヴィーガンチョコレート・チョコスイーツのトレンドを解説したときの内容の一部、でもあります。

目次

ヴィーガンチョコとはどんなもの?

ヴィーガンチョコレート、ヴィーガンのチョコレート、という言葉がよく聞かれるようになりました。

まず、ヴィーガン、とはそもそも何なのでしょうか。

このVegan(ヴィーガン)という概念と言葉は、1944年イギリスで生まれたとされています。完全菜主義(者)、と日本語訳できます。ベジタリアンとの違いは、さらに食べるものが限られていること。肉、魚だけでなく、乳製品、卵も味わいません。

実際には、チョコレートにあまり肉や魚を使うことはないので、ヴィーガンチョコレートとは「(動物性の)乳不使用のチョコレート」と考えてもよさそうです。

例えばボンボンショコラのガナッシュなどには通常生クリームや、バターなどが使われますが、それらが使われていません。また、板チョコレートに入っている粉乳などが使われていません。

NY取材にて。ヴィーガンのチョコレートアイスクリーム・カカオニブトッピング(市川歩美撮影)

ヴィーガンを食生活に取り入れる理由は、さまざまです。

何をすることが健康によいかは人それぞれですが、ある人にとっては乳製品をとらないことが健康的、というケースがあります。そういった方が体のためにてヴィーガンを選ぶことがあります。

さらには、地球環境のためにヴィーガンを実践する人も。家畜による環境への負荷が報じられていますので、それを問題視する方が取り入れるケースもあります。

ヴィーガンチョコレートは、すっきり味わえる

魚、肉、卵、牛乳などを完全に食べないことによって、心も体も健康になる方がいる反面、それらを食べた方がより元気になる方もいるでしょう。人はそれぞれ、体質や考えも違うからです。

ヴィーガンチョコレートは、食の主義や個人的な健康のため、というだけでなく、味が新しい、というポイントもあります。味が動物性の乳を使わないことで、すっきりしているのです。

私個人的にはヴィーガンチョコレートは味の観点から、時々楽しんでいます。仕事柄、多くのチョコレートや食品を味わうなかで、ときどきヴィーガンのチョコレートやスイーツを味わうと、体がラクだな、と感じることがあります。

このすっきり感の理由はよくわかりません。内臓がやすまっているのか、味覚がやすまっているのか、感覚的ではっきりはしませんが、すっと体が受け入れる感覚があります。

もうひとつは、味がダイレクトに伝わってくる感覚。

バターや生クリーム、牛乳は他の素材の味を丸く包み込みますが、水、植物性のオーツミルクやナッツパウダーなどで代用すると、カカオなどの素材の風味を直接感じます。

ヴィーガンチョコレートにはどんなものがある?ー板チョコレート

乳不使用のチョコレート、ということで私が、ときどき今期、仕事の合間に味わっていたのがこちら。

オリジナルビーンズと、シャテルのチョコレートバーです。両方ヴィーガンチョコレートです。

オリジナルビーンズの「ヴィーガンミルク」(写真左)は、エクアドル産アリバ種のカカオに、スペイン産グアラ種のアーモンドで仕上げたチョコレート。

アーモンドがミルクの代用となっていて、すっきりしたクリーミーさが、チョコレートを美味しくしています。

シャテル「ヴィーガンミルク56%カカオチュンチョ」(写真右)は、ペルー(チュンチョ)産カカオに、ブラジルナッツの粉末をミルクの代わりに使っています。

「ブラジルナッツ」は、アマゾン河流域で収穫されるナッツで、私は太田哲雄シェフにご紹介いただいて何度か味わい、楽しませていただいたんですが、チョコレートバーに粉末になって入っているのは、初めてでした。

ヴィーガンチョコレートにはどんなものがある?ーボンボンショコラ

ヴィーガンのボンボンショコラもあります。兵庫県の「ル フルーヴ」のボンボンショコラのアソートボックス。バレンタインシーズンに出会いました。

ヴィーガン6

「ヴィーガン6」は、新作で、乳製品不使用のコレクションです。

こちらは「素材をよりフレッシュに表現したい」という考えから、乳製品を使いません。

上垣シェフによると「乳による味のマスキング効果をなくすことができる」「農家の方が作る、白小豆をはじめとした国産材料をたくさん使える」などが、理由だそうです。

乳の代わりにオーガニック大豆を使った「大豆ヴァニーユガナッシュ」、「フランボワーズ白小豆」は、北海道産オーガニック白小豆がカカオとフランボワーズのつなぎ役となり、果実味をすっきりと引き出しています。

「ガナッシュオレンジ」は、乳製品を使わないことで、オレンジ果汁と金柑を炊いたシロップで作った自家製リキュールの香り高く。

*ちなみに、上垣さんと私(市川歩美)は、先日も一緒にインスタライブをしました。バレンタインシーズンは、東京・名古屋・大阪、各地のバレンタイン催事でお会いして色々お話。

上垣さんが「チョコレート=乳製品を使う、という枠を外して考えたら可能性が広がった」とうれしそうに話していたのが印象に残っています。(話したのは、サロン・デュ・ショコラ東京のアマゾンカカオのカウンターで。太田哲雄さんも交えつつ!)

ヴィーガンチョコレートにはどんなものがある?ーヴィーガンチョコレートテリーヌ

私が先日出演した「バイキングMORE」で、私が出演したときは、ヴィーガンのチョコレートスイーツとして、鳥取県倉吉市のホテルセントパレス倉吉の「ヴィーガンチョコレートテリーヌ」が紹介されました。

卵や乳製品、白砂糖を使わないテリーヌで、「おとりよせネット」でも人気のアイテムで、野菜料理研究家・カノウユミコさんが監修されています。

味わうと、なんというか、カシューナッツのペーストやお豆腐が入っているんですが、とってもお豆腐の風味!

チョコレート専門店の濃厚テリーヌなどを食べ続けた方には、ほっとするテリーヌだと思います。ベリーのアクセントがよく、新しいスタイルでした。

ヴィーガンチョコレートは、チョコレートバーにも、ボンボンショコラにも、テリーヌなどのお菓子にもなります。選ぶ目的は人それぞれ。

チョコレート愛好家の方なら、個性的で濃厚なチョコレートを食べ続けたあとに味わうと、従来のチョコレートとの違いがよくわかると思います。長くチョコレート愛好家の私ですが、ヴィーガンチョコレートの登場は、近年のこと。チョコレートやチョコレートスイーツの世界では、新しいスタイルとして注目されています。

text&photo
チョコレートジャーナリスト  市川歩美

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