ジャン＝ポール・エヴァンのビュッシュ 2025

2025年12月14日

URLをコピーしました！

こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、市川歩美です。この記事ではジャン＝ポール・エヴァンの2025年のクリスマスケーキについて、お伝えします。

ジャン＝ポール・エヴァンの「夢、そしてカカオ」

まずはジャン＝ポール・エヴァンの新しいコレクションのテーマからお知らせしますね。ジャン＝ポール・エヴァンの、2025年から2026年にかけての新シーズンコレクション。テーマは「夢、そしてカカオ」です。

毎年ひとつのテーマを掲げ、その年ならではの表現をするジャン＝ポール・エヴァン。今年のテーマは、彼がショコラティエとして人生をかけて向き合ってきた根源そのものではないでしょうか。

夢があるからカカオに向かうのでしょうか。カカオがあるから夢を見るのでしょうか。この言葉から、エヴァンさんのこれまでとこれからが見えてくるかのよう。新たなショコラの形が楽しみです。

エヴァンさんにとって夢とは

ちょっとこのテーマをひもとくと、エヴァンさんによると、「夢」とは、クリスマスや復活祭、ヴァレンタインといった、ショコラが主役になる祝祭の時間を、想像力と技術で特別なものにすること。そこに感情とユーモアを吹き込み続けること、なのだそうです。

そしてその夢を支えるのは、カカオへの尽きることのない情熱。エヴァンシェフはカカオ農園を訪ね、新しい香りや味わいに出会い続けています。カカオが自然の恵みであり、繊細な存在であることへの敬意を払い、カメルーンのカカオ産地との関わりから、ショコラを生み出してもいます。

2025年 3つのビュッシュ

それでは、今年のビュッシュドゥノエルです。3種類。いずれもテーマ「夢、そしてカカオ」を体現しています。

ビュッシュトゥーモモン

1年の終わりに、四季それぞれの記憶を重ねています。お花や雪、など、季節のモチーフが飾られて。カメルーン産カカオのムースに、山椒がほのかに香るクレームブリュレ。ショコラとスパイスの調和が美しく、奥行きのある味わいです。

ビュッシュレクレ

紙ひこうきがモチーフです。フランスでも子どもたちにお馴染みなのだそう。子どもの頃に感じた、クリスマスの魔法のような時間を思い出させてくれるビュッシュ。カカオのムースとキャラメルのやさしい甘さ、ヘーゼルナッツの香ばしさが重なり、楽しい会話がはずみそうですね。

ビュッシュエヌコロサン

冷凍配送していただける、旅するビュッシュ。カメルーン産カカオへのオマージュとして生まれました。カカオの風味とともに、アニスのほのかな香りが記憶に残ります。サクッとした土台部分がとても美味しいアクセント。カットしやすく、とても美味。遠方の方にもおすすめです。

これら3種のビュッシュ、取材でそれぞれ試食しましたが、いずれも素晴らしい味わいです。もちろんすべておすすめしたいですが、オンライン購入できる「ビュッシュエヌコロサン」は、私のお気に入りです。アニスがほのかにスパイシーで、食感もよく、さくっとした食感となめらかな口どけの対比も私好みでした。