日本のチョコレートの歴史がわかる本「チョコレートと日本人」

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こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリスト、チョコレートジャーナリストの市川歩美です。

仕事をしていて「日本のチョコレートの歴史を知りたい」という声をよく聞くようになりました。日本のチョコレートの歴史を知るために役立ててほしいのが、『チョコレートと日本人』(早川書房・ハヤカワ新書)です。2025年1月に発売されたこの本には、私・市川歩美が日本のチョコレートの歴史が、どんな方にでもわかるよう、ぎゅっと詰めこんであります。

目次

日本のチョコレートの歴史を知る本「チョコレートと日本人」

日本のチョコレートの歴史を知るために、まず読みたい一冊」という感想をくださった方もいます。うれしいです!

「チョコレートと日本人」というタイトルだけきくと、少し抽象的に感じられるかもしれません。

でも実際には、明治時代以前の記録から、近年の高級チョコレートブーム、ビーントゥーバーの流れに至るまで、日本におけるチョコレートの歩みを、わかりやすく、かつコンパクトにまとめた内容です。

難しいことを微に入り細に入り、知りたいわけではないけど、わかりやすく知りたい、という方が多いと思います。読みづらい日本語の本が多く、イメージやブランディング寄り、マーケティング寄りの本が多いことを、著者の私自身がずっと感じてきていますので、そのあたりはクリアしています。ご安心ください。

日本のチョコレート、ことはじめ

たとえば、55ページから始まる「コラム:日本のチョコレート、ことはじめ」では、日本最古のチョコレートの記録について触れています。

江戸時代、1797年に、長崎でチョコレートを6つ、オランダ人を受けとった、という記録があります。これが日本最古のチョコレートを食べた女性がいたことがわかる記録。

それから、1800年の「長崎見聞録」に登場する「しょくらとを」はチョコレートのこと。へええ、こんなふうに味わっていたの??などと思うかもしれません。

明治から現代へチョコレートはどう広がったか

幕末から明治、大正、昭和……そして現代へ。

日本初のチョコレートはいつ、どこで、誰が作ったの?などの疑問にもしっかりお答えしています。日本初のチョコレートは東京で生まれました。そしてカカオから一貫製造したチョコレートが生まれたのは1918年。


64ページからは、日本に根づいた高級チョコレート文化についてまとめています。これは必見、というか私のようなチョコレート愛好家のみなさんは「なつかしい」「そうそう、私も買いました」みたいな声がとびかうページです。サロン・デュ・ショコラの始まりのころの話などなど、ですね。

ここには当時から「普通じゃないレベルのチョコレート愛好家」笑であった、私自身の体験や感覚も盛り込んでいます。時代の空気を体験し、長く現場を見てきた私の視点を生かしています。

私が取材してきたスターショコラティエの横顔についても書きました。大スターが登場しますよ。実はこのページもとても人気

新潮流「ビーントゥーバー」もちろん網羅

そして現代、といえば、2010年ごろから日本で盛り上がりはじめたビーントゥーバーのムーブメントについても、しっかり書いています。当時は、おもいもよらぬムーブメントが日本にきました、という感じでしたが、10年たって、かなり面白い動きになっていますね。

特に日本ならではのビーントゥバーチョコレートブランドの商品の特徴を写真入りでまとめたりしていますので、お買い物の参考にもなるでしょう。

また、大手チョコレートメーカーの人気商品についても触れていますので、どの時代にどんなチョコが愛されてきたのか、楽しく読み進められると思います。実は私は、日本の大手メーカーのチョコが大好きなんですよ。いつも興味津々、あらゆる意味で素晴らしいなと感じ続けています。

「生チョコは日本生まれ?」その真相に迫る

「生チョコは日本発祥なの?」とよく驚かれます。

私が本に書いたり、しゃべることもあり、かなりこのことは有名になりました。もしかしたら私は、生チョコのルーツに日本で一番詳しい人になりつつあるかもしれません。

誰も書いていないので、どうしてもわからず、それなら私が、と生チョコのルーツについてとことん独自リサーチ、多くの証言、文献などをもとに、かなり時間をかけた取材に基づいて記しています。「なんとなく聞いたことがある」だけでは終わらない、信頼できる情報をまとめたつもりです。これは生チョコに限りません。

メディアの方や企画担当者さんはご一読を

実をいうと、私もかつて番組を作っていたのでわかるのですが、私自身もこういう本がほしかった。昔こういう本があったら助かったのにな、という感じです。

今はネットやSNSで情報がとびかい、正しい情報がどこにあるのか、わからなくなってはいないでしょうか。実際そういうお声があって、ようやくこの本があって助かった、とおっしゃってくださるメディアの方が多いです。感動。うれしいなあ、、と、私は実はそんなお声をきくたびじーんとしています。

多くのメディアの方にご利用いただいている本でもありますので、チョコレートに関する正確な情報を探している方、チョコレートの情報をふまえ、イベントを企画したい方にとって、まず押さえておきたい本です。

自己満足ではなくみなさんにわかりやすく

私は、学者でも研究者でもありませんので、ターゲットは一般のチョコ好きなみなさん。そこまで専門的な情報までは必要ない、ふつうの方々。つまり、わかりやすさを重視しました。そして、出版した2024年の日本のチョコレート・カカオシーンが、何十年かたったあとでも、伝わるようにと願いをこめました。

そうですね、10年前ならこの内容にはならなかったはず。10年後には全く違うコンテンツになっているのでしょう。

実際は、この10倍くらい書くことはありました。しかしこれだけにまとめたのは紙幅の都合もありますが、これより先のことは、この本を軸に、それぞれが膨らませていただけると思ったからです。

今年発売となった「味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート」(三笠書房・知的生き方文庫)とあわせて読んでいただくと、こちらはチョコレートの基本を、とてつもなくわかりやすくまとめましたので、チョコレートの「いま」がよーくわかると思います。

今、チョコレートに関わる方に。チョコレート好きな方に。そして、チョコレートと日本人との関わりを未来に伝えるために。著者として、この本が、長く読み継がれていくことを心から願っています。

text & photo ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト 市川歩美
公式サイト https://www.chocolatlovers.net

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