こんにちは。チョコレートを主なテーマに掲げるジャーナリストの市川歩美です。
2026年7月26日付の日本経済新聞「NIKKEI The STYLE」に、「ポーランドで息づくチョコレート」として、ポーランドを代表するチョコレート企業、E.Wedel(ウェデル)の「トルチック・ヴェドロフスキについて書きました。カメラマンはポーランドで活躍するフォトグラファー、Rafal Meszkaさんです。大きな写真のきれいな紙面です。
日曜の朝。ぜひ、紙面を大きく広げて、読んでください。
ワルシャワ取材
取材・撮影でポーランド・ワルシャワを訪れたのは5月。街は新緑に包まれ、とても美しい季節でした。

実は私は、2月にもポーランドを訪れたのです。そのときは厳しい寒さ。同じワルシャワでも季節が変わると、まったく違う表情を見せてくれることがわかりました。取材時は、現地で多くの方々にお話を伺い、毎日ワルシャワの街を歩きまわり、歴史や文化に触れました。
E.ウェデルの「トルチック・ヴェドロフスキ」とは

記事でご紹介したE.ウェデルの「トルチック・ヴェドロフスキ」は、1936年に誕生したポーランドを代表するチョコレート菓子です。
薄いウエハースの間に、ピーナッツとココアを合わせたペーストを重ね、全体をビターチョコレートで包んでいます。表面の模様は、今も職人が一枚ずつチョコレートで描いていて、伝統の手仕事が受け継がれています。

記事にも書きましたが、表面の縁を囲む波模様を除き、花や羽、「E.Wedel」のサインなどの装飾は、すべて職人による手描きです。取材では、女性職人たちが約20秒という驚くほどの速さで、迷いなく描き上げていく姿を目の当たりにし、その手さばきに私はいつまでも見入っていました。
E.Wedelとそのカフェ
このお菓子作っている「E.Wedel」は、1851年創業の老舗チョコレートメーカーで、170年以上にわたりポーランドを代表するブランドとして親しまれています。
国内に33店舗あるカフェの本店「Pijalnie Czekolady E.Wedel(ピヤルニェ・チェコラディ・イーヴェデル)」は「チョコレート飲み場」という意味があります。19世紀、チョコレートといえば、飲み物だったのです。

2024年には、ワルシャワの工場内にチョコレートミュージアムもオープンしました。ウェデルの歴史やチョコレートづくりを楽しく学べる人気スポットで、工場見学や体験型の展示が充実しています。取材時にはスクールツアーで訪れた学生たちの姿があって、大人から子どもまで幅広い世代が楽しんでいました。近年は海外からの来館者も増えているそうです。

今年、生誕90年を迎えたとされる「トルチック・ヴェドロフスキ」。記事では、このチョコレート菓子がくぐり抜けてきた激動の時代や、ポーランドの人々がチョコレートに寄せる思い、そして第二次世界大戦を生き延びたウェデルの工場が、今も市民に深く愛され続ける理由について、歴史や文化を交えながらお伝えしました。
私自身が現地で感じたポーランドという国の魅力、その奥深さが、この「トルチック・ヴェドロフスキ」を通して伝わっていたら、とてもうれしく思います。
ポーランド旅行のお土産に

「トルチック・ヴェドロフスキ」は、市民にも旅行客にも人気があります。市内のスーパーやコンビニで20ズウォティ前後(〜900円くらい)で購入できて、とても手頃。お土産にもおすすめです。
空港にもたくさん並んでいますが、価格が2倍ほどになっていますので、街中で買っておくのをおすすめしますね。あとは記事にも書きましたが、カフェでオリジナルメッセージ(名前など?)を入れていただくのも素敵。

ポーランドを旅する機会があればぜひ。世界遺産をめぐったり、美味しいお食事を楽しんたり。加えて、ウェデルのカフェやチョコレートミュージアムにも足を運んでみてください。
text & photo ジャーナリスト/チョコレートジャーナリスト 市川歩美

