こんにちは。チョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターの市川歩美です。
ずっと気になっていたんです。このケーキのことが。そして味わってすっかり気に入りました。
今日は、ザ・リッツ・カールトン東京で販売されている「ポルチーニ茸&トリュフ チリチョコレートムース」を、市川歩美がおすすめします。
ザ・リッツ・カールトン東京 カフェ&デリ
ザ・リッツ・カールトン東京1階にあるカフェ&デリ。
六本木駅直結の、東京ミッドタウンにあり、アクセスがよいのが魅力。ここを訪れるたび、美しく、美味しいケーキやチョコレートが並ぶショーケースに魅了されてしまう、という方も多いことでしょう。
お天気の良い日はテラス席で、カフェやケーキを楽しむ方も。私自身も日頃の行動エリアでもあり、好きな空間です。
ポルチーニ茸&トリュフ チリチョコレートムース
ショーケースを見るたび、私がこれは、と目をつけていたケーキ「ポルチーニ茸&トリュフ チリチョコレートムース」。真っ赤なヴィジュアル、きらめく金箔が贅沢につかわれた、麗しいケーキです。
ショーケースで、美しくも、いい意味で異色の存在感を放っています。
独創的なものに違いない、細部まで美しいーーー。そう感じさせてくれるクリエイションは、チョコレートに限らず、私にとって、元気の源。
先日、初めて実際に味わいました。
ケーキの内容は、チョコレートムースと、ラズベリーのジュレ、そして唐辛子のピリッとした辛味と、ポルチーニ風味のブリュレの香り、さらには、トリュフ塩を加えた、サクッとしたクランチのハーモニー。
わかりますか……?
そうなんです。こうして向き合って、実際に味わってみてください。
一瞬、あ、ラズベリーのジュレとなめらかでおいしいチョコレートムースのケーキだね、
と思うんです。
しかし、しだいにピリリと小さく、上品な辛味がやってきて、さらに中心にあるサクサクしたクランチの食感とともに、トリュフが香りたち、ときに、ポルチーニの仄かな香りがふわり。
チョコスポンジが土台にあるのもバランスがよく、ケーキ感があり、しかも食べやすいです。
ペンタスの花(エディブルフラワー)のフレッシュな風味が、ケーキをみずみずしい印象に。
それにしても、金箔が、いいんですかこんなに…と、スタッフの方に実際聞いてしまったほど、惜しみなく使われていた点にも注目しました。こういった細かい点こそが、ザ・リッツ・カールトン東京が演出してくれる、ラグジュアリーではないでしょうか。
スパークリングワインなどとの相性も良いはずなので、夏にテラスででも、お手土産にも。真っ赤な夏の花、ペンタスが3輪、かわいいです。
フレンチレストランでのご経験が生きている
このチョコレートを考案・作成したのは、ザ・リッツ・カールトン東京のペストリーチーム アントルメ部門のリーダー、大津良介さんです。
この日は、直接、お話を伺えました。
大津さんは、もともと、同ホテル45階にあるフレンチレストラン「アジュール フォーティファイブ」などでペストリーを担当されていた方です。料理に使われる素材がチョコレートケーキに使われているのは、ご経験が生んだセンスなのでしょう。
大津さんによると、唐辛子を使った理由は「以前唐辛子入りの板チョコレートを味わったときに、違和感がなくとても相性がよいと思った」からだそう。
そして、赤いヴィジュアルは「唐辛子の赤と、キノコからイメージされるある種の毒々しさをイメージし、不思議な色に仕上げました」ともお話してくれました。
見た目も味も、驚きがある、アートのような一品。
私の知る限り、ザ・リッツ・カールトン東京カフェ&デリのショーケースで、このようなチョコレートケーキの登場は初です。
食べたことも聞いたこともある食材ですが、チョコレートケーキになったのは見たことない、という方が殆どのはず。紅茶とも、お酒ともあう新感覚のチョコレートケーキ。
夏の間は提供している予定とのこと、テイクアウトでも、イートインでも楽しめます。
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チョコレートジャーナリスト 市川歩美